matta

街の散歩…ひとりあるき

はゝ木々を だまし花ちる さとへゆき…『畫本柳樽』五編

2020年06月15日 | 川柳

はゝ木々を
だまし花ちる
さとへゆき

ははきぎ(母)を
欺し(金せびり)花散
里へゆき
※花散里=吉原


日が入と
むすこかこうもり
きて出かけ

日が入ると
息子が蝙蝠(蝙蝠羽織)
着て(吉原へ)出かけ

首ツたけ
はまつてむすこ
およぎだし

(遊蕩に)首ったけ
嵌まって息子
泳ぎだし


どのうそが
ほんのめうとに
なるだろう

(遊女の)どの嘘が
本の夫婦に
なるだろう


はやいこと
ミどりが松の
太夫しよく

早いこと
みどり(禿(かむろ)=花魁見習い)が松の
太夫(花魁)職

そねさきしん地
天神の
ながれが出

(大阪の遊里)曾根崎新地
天神(参りから)の
流れが出


まきがミも
やせるくがいの
もん日まへ

巻紙も
痩せる苦界の
紋日前
(※紋日に客がつかないと、揚げ代を遊女が負担)

コメント
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