茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

まかないのお茶

2013年04月29日 | Weblog
にゅんにゅんと伸びてくるお茶の柔らかい葉っぱを目にすると、
どのようにして美味しく食べようか、
どうやって飲んでみようかと
いろいろな工夫が頭に浮かんできます。

普通に考えるのは
茹でてみよう、蒸してみよう、炒めてみよう、焼いてみよう。
ちょっと冒険して
漬けてみよう、干してみよう、煮てみよう。
さらには
凍らしてみよう、腐らせてみようなど。

とにかく、いろいろやってみました。
そして、その度に、どれもこれも美味しくて
そして何よりも経験したことのない香りに目眩がしたり
幾重にもうつろうパステルカラーにため息をついたり
ただただ発見の連続でした。

自分と同じようなことは、
古今東西、たくさんの人が経験してきているのではないかと思います。
インドのお母さんたちが
家族の好みや体の調子に合わせて
食事の都度、スパイスをいろいろに調合するように、
まかないのお茶にもいろいろあったのではないか。
製茶の歴史を横軸に
それに逆行したり飛び跳ねたりする形で
様々なお茶が存在したように思うのです。

我が家で今好評なのは
摘んだお茶をそのまま乾燥させただけのお茶です。
専門的に括ると「白茶」ですが、
このようにするとお茶はサトウキビのように甘く
咲き始めのバラのようなほのかな香りを漂わせます。
やぶきたで、です。

一昨年、中国雲南省の村々を訪ねて
お母さん達のつくったお茶をいただく機会に恵まれました。
民族ごとに決まった製法があるとはいえ、
家庭により殺青も発酵も保存もいろいろで
それぞれのおふくろの味があることを体験しました。
お母さん達、「自分の好きな感じ」でお茶作りを楽しんでいました。

夢見る茶畑も
そんなまかないのお茶作りを応援したいと思います。
自分の夢見るお茶、つくりにきてください!

(画像はお茶を煮詰めているところ)