マッハの貴公子 C1Runner の熱~い日記でつ(¬_,¬)b フフフ・・・

マッハの貴公子 天才タケスィが熱~く語るでつ( ̄ω ̄)ムフ~

進化するプロセス計装機器

2023-12-14 07:10:29 | 理系オタク
プロセス制御とは、JIS-B0155によると「プロセスの操業状態に影響する諸変量を、所定の目標に合致するように
意図的に行う操作」と定義されているでつ。

基本的な制御はフィードバック制御。
制御したい変数の値つまり制御量、を測定し、その測定値と設定値との差つまり偏差を計算し、
その偏差に基づいて操作する変数の値つまり操作量が決定されるでつ。




1778年にWattによって蒸気機関が発明され、その回転数が遠心調速機によって制御されたでつ。
これが工業的な意味でのフィードバック制御の原点。

その後1922年にMinorskyにより発表されたPID制御の原理をもとに、1936年に空気式PID調節器が作り出され、
フィールド機器とともに空気式プロセス制御システムの体系が構築されたでつ。

プラントの計装システムを中央計器室に集中させるようになったが、空気圧信号0.2~1kg/cm2は
伝送距離が300m程度であったため、システム化への制約が大きかったでつ。

プラントの大型化とともに、伝送距離に制約の大きい空気圧信号に代わって4~20mA統一信号のアナログ電子式計装システムへ移行。
その後マイクロプロセッサや通信技術の進歩により、1975年に分散型制御システムが開発。
Control、Computer、Communicationの3つのC技術を核に、機能分散、地域分散、危険分散などを特徴とする
DCSのアーキテクチャが生まれたでつ。
DCSはこのアーキテクチャの上に、半導体はじめ要素技術の進歩を取り入れながら、システム機能の上位互換性を
保ちつつ進化を続けているでつ。

DCSは計測、制御、マンマシンインターフェースなど機能がソフトウェアで実現されているでつが、
新たに導入されたビルダ機能によりユーザは計算機プログラムではなく計装の言葉でシステム構築することが可能。
プロセス変数は、温度、圧力、流量はじめ非常に多岐にわたるが、それらを計測制御するため、様々なセンサーや
アクチュエータが開発。
制御技術もPIDから現代制御理論にいたる様々なソフトウェアが組込まれているでつ。

プラントを直接制御するDCSには、極めて高い信頼性が要求されるが、信頼性工学に裏打ちされた高信頼化設計技術と、
高品質の製造技術や品質管理技術など総合力で実現。
また、ノイズの多いプロセス環境でも安定に動作するための耐ノイズ設計がなされているでつ。
センサーなどフィールド機器用ディジタル通信として、フィールドバスが1984年にIECでの標準化構想が提案され、
1996年に規格として制定。

このことは、伝送がディジタル通信になっただけでなく、フィールド機器の内部状態や保全情報の授受が可能になって
フィールドネットワークを利用した予知保全技術の展開など、計装システム全体に大きな影響をもたらしたでつ。

このようにプロセス制御は、非常に広範囲な技術に支えられているでつ。
プロセス制御技術は産業のマザーツールとして、石油精製、化学、鉄鋼、紙パ、電力など、あらゆるプロセス産業の発展を、
製品の品質や生産性の向上、省エネルギー、安全操業などの面から支えてきたでつ。

日本の産業を支えていると言っても過言ではないでつ。
1973年、1978年の二度の石油ショックでは、原料・エネルギー価格が高騰したでつが、プロセス産業は省エネ、
省資源を徹底し自動化を推進し生産性向上を図ることでこの危機を乗り切ったでつ。

省資源・省エネルギー面では、徹底した熱回収が行われるが、モデル予測制御などの多変数制御や最適化制御の実用化により
それが可能となったでつ。
半導体技術を利用した高精度センサーも開発されて精度の高い制御が可能となり、プロセス性能を限界まで発揮させる運転が可能。

日本のプロセス産業は国際競争力をもつ産業として発展したが、これらを可能ならしめたのは、統合化、大型化、複合化であり、
これらのプラント群の運転を支えたのが世界のトップレベルにある日本のプロセス制御技術。

高度成長時代の終了とともに、製造業は需要の変動、多角化に合わせた生産- 変種変量生産 ― に移行せざるを得なくなったでつが、
このようなフレキシブルな生産に対してもDCSは大きな役割を果たしているでつ。

工場全体の生産計画や管理業務の効率的を図ることにより企業活動全体の効率向上を達成するERP(Enterprise Resource Planning)システムに於いては、
連携するMES(ManufacturingExecution System)が重要であるでつが、DCSは運転制御システムの中核としてMESの一翼を担っているでつ。
今後世界の経済成長とともに、効率向上に加えて環境問題、省エネ、省資源のニーズが高まり、その問題解決のためにプロセス制御の果たすべき役割が
ますます大きくなるでつ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2代目ステージアがR35のGT-R... | トップ | プレリュードが復活するのか... »
最新の画像もっと見る

理系オタク」カテゴリの最新記事