平成13(2001)年、熊本のインターハイで活躍したのは柴田隆一氏である。
100m・200mバタフライで優勝、200mは大会新記録を樹立した。
柴田氏は中学時代はそれほどの実績がある選手ではなく、高校での練習によく努力し、大きな成果を上げた。
その努力は大学卒業後に実り、平成18(2006)年・19(2007)年の日本選手権では100・200mバタフライで優勝した。
平成18(2006)年、ドーハで開催されたアジア大会では200mバタフライで第3位に入賞した。
平成17(2005)年のモントリオール、平成19(2007)年のメルボルンで開催された世界選手権にも出場している。
そして悲願であった平成20(2008)年の北京オリンピックの代表選手になり、200mバタフライで第9位という成果を収めた。
柴田氏は身体がそれほど大きいわけでもなく、特別に優れた能力を備えているという選手でもない。
人より優れている点は、他人の何倍もの努力を継続するという気持ちの強さである。
それほど優れた能力を持っていなくても、努力次第ではオリンピックの代表選手になる可能性のあることを教えてくれた選手であった。
竹村知洋