オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

7月のオベロン会報告

2011-08-12 | ねるど

夏本番、
っていうかんじですね。

こんな日は、庭の草取りをして
さっぱりしたところに水でもまいて
のんびりしたいものです。

…、あ~、でも庭がないや…

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さて、7月の例会では、笹川さんが、
「堕落前の病--『パラダイス・ロスト』
におけるイヴの涙」というタイトルで、
ミルトンと17世紀の文化についてたっぷりと
語ってくださいました。

『パラダイス・ロスト』第4巻で、楽園に
忍び込んだサタンは、眠っているイヴの耳元に
ささやきかけ、夢をとおして誘惑しようとする。

続く第5巻で、悪夢から覚めたイヴは、
アダムに慰められつつ、悔恨の涙を流す。

イヴが流した涙は、伝統的に「ルカ伝福音書」
に登場するマグダラのマリアと関連付けられて
いるそうです。

確かに、たくさんある『パラダイス・ロスト』の
どのエディションをみても、イヴの涙には、「マグダラの
マリア」との関連を指摘する注がつけられています。

今回の発表では、ミルトン研究の伝統を踏まえつつ、
17世紀における涙や心気症(メランコリー)の
医学的、科学的な解釈といった新機軸をプラスして、
ミルトン研究を一歩先へと推し進めてくれました。

途中、ロバート・バートンの『憂鬱の解剖』からの
引用や、「マグダラのマリア」の彫刻や絵画の紹介なども
あって、刺激的な時間となりました。


笹川さん、お忙しい(そして暑い、暑い)時期に、
発表を引き受けてくださって、ありがとうございました。





オベロン会は、8月は夏休みをいただきます。

次回は、9月24日に集まりましょう。



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