オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

11月の例会

2008-11-23 | Weblog
11月も後半になると、「年の瀬」にはまだ早いものの
なんとなくあわただしい気分になります。

イギリスでは……なんて思い出してみると、
10月の末に夏時間が終わり、
11月の初めに「ガイ・ホークス・デー」の篝火を見て、
その後に終戦記念日(第1次大戦の)があって、
毎週のように、記念日か何かがあって、
そのうちに世間全体がクリスマス気分一色に染まり、
11月の後半からは、とても日常生活どころではない雰囲気でした……
まあ、部外者としてはマイペースを貫く以外になかったわけですけど

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11月の例会は、29日(土)、午後2時からです。

発表者は、鶴見精二さん。
今回は、Thomas Pynchon の Mason & Dixon についてお話くださいます。

タイトルは、Lines and Chains--Subhistory in Mason & Dixon です。

気軽に手出しできるような作品ではないので、今月の例会は
貴重な機会になりそうです。また、作品を取り巻く、歴史
などの背景的な事実関係についても教えていただけるのでは
ないかと思います。

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そういえば、先日の大統領選挙の際、テレビのニュースに
アメリカ東部の地図が頻繁に映し出されましたが、
ペンシルバニア州の南側の州境線の不自然さが、
少し気になりました。無学な筆者がその理由を
知るはずもなく、また、調べるほどの知的好奇心もなく、
なんとなく納得できない、という思いを今も抱えています。
今回、その疑問が解消されるかもしれない、
個人的にそのようなことも期待しております。





10月25日のオベロン会

2008-11-03 | Weblog

久しぶりに現代小説の話を拝聴できました。

前に書いてあるように、オランダの作家ノーテボームということで、どんな作家か、興味津津でした。

そもそもMilton研究家の笹川渉さんは、

 Cees Nooteboom のLost Paradiseという作品がミルトンと関係がありそうな所から、

丁寧に、オランダ語の原書まで読まれ、

ミルトンの受容という観点から(ベンヤミンへの言及も含め)

様々なことについて語ってくださいました。

セース・ノーテボムは、日本語訳も出ているようです。

『これから話す物語』 (新潮・現代世界の文学)、1996年刊。

勉強不足でした… 。

 

<発表内容>は次のとおりです(シラバスより)。

1.序論:作家紹介

2.『ロスト・パラダイス』の粗筋と『パラダイス・ロスト』との平行関係

 a.プロローグ b.第一部 c.第二部 d.エピローグ

3.『ロスト・パラダイス』の歴史と時間

4.結論

 

 この作品は、2000年にオーストラリアで行われたThe Angel Projectという

演劇のプロジェクトから刺激を受けたもののようで、

アボリジニの神話世界と西洋の対比などから時間論にまで至る話で、

ノーベル賞候補の作家が書いた現代小説を読む

愉しさを教えられた気がしました。

それにしても、ミルトン研究家がここまでやっているとは、またも脱帽せざるをえませんでした。

 その夜は、いい話を聞かせていただいたせいか、

ついついお酒がすすみ、梯子酒となって、

 最後はホヤのおいしいお店で仕上げました。