オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

3月例会中止のお知らせ

2020-03-23 | daruma feat. Takasaki

桜の開花も早い今年の春ですが、2月に引き続き3月28日(土)の例会も新型コロナウイルスによる感染症が未だ落ち着いていない状況を踏まえ、中止することとなりました。

これほど会が休止するのもオベロン会の長い歴史の中で初めてかもしれませんが、ぜひ次回はみなさんの元気なお顔を拝見できることと思っています。

 

 


2月29日例会中止のお知らせ

2020-02-26 | daruma feat. Takasaki

2月29日(土)に予定していましたオベロン会2月例会について、新型肺炎による最近の状況をふまえ、急遽中止とすることにいたしました。

笹川さんのご発表については、また機会をあらためて万全を期しておうかがい出来ればと思います。

急なお知らせではありますが、オベロン会のみなさま、なにとぞご理解の程よろしくお願いいたします。

 

 

 


2019年9月28日のオベロン会

2019-09-23 | daruma feat. Takasaki

やっと涼しくなってきたと思ったら、台風に次ぐ台風で、全国様々な被害が出ていますが、皆様無事にお過ごしでしょうか。

次回のオベロン会は松田幸子さんによるご発表「スティーヴンソンの南海諸島:「瓶の小鬼」と「声の島」における貨幣と魔術」です。

要旨は以下の通りです。

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ロバート・ルイス・スティーヴンソンは1890年にサモアに移り住んで以来、イギリスで初めて南洋諸島を舞台とし、その土地に根ざした物語を書いた作家である。スティーヴンソンの「南海もの」には、しばしばハワイ・サモア諸島の島民が中心的な登場人物として登場し、そこでの奇妙な風習・出来事が語られる。今回の発表ではとりわけこれらの作品に頻出する、貨幣と魔術に注目し、西洋と非西洋の関係が、スティーヴンソンの小説においてどのように語られているのかを分析する。

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スティーヴンソンといえば『ジーキルとハイド』や『宝島』ですが、南海ものとはどのような作品なのでしょうか?スティーヴンソンは稀代のストーリーテラーなので、とても楽しみですね!

皆様、ぜひ週末は麻布十番で会いましょう。

場所と時間はいつもの通りです。
午後2時半より。(会場費:1000円)

場所は、国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。

 


オベロン会3月例会のお知らせ

2019-03-26 | daruma feat. Takasaki

少しずつ暖かくなり、桜の開花の知らせも舞い込んでくる今日この頃、皆様心やすらかにお過ごしでしょうか。

3月30日(土)は松田幸子さんのご発表です。

タイトルは「ブルーム『アンティポディーズ』における空想の旅と病」

がご発表の概要です。

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リチャード・ブルームの『アンティポディーズ』(初演1638年、出版1640年)は、内乱が始まる数年前に上演された気質喜劇のひとつである。ジョン・マンデヴィルの『旅行記』の世界にのめり込みいわば「マンデヴィル狂」となっているペリグリンを正気に戻すために、周囲は一芝居うって彼を「アンティポディーズ」(Antipodes)への旅へと連れ出す。そこは(実際にはロンドンなのだが)イングランドとはまったく正反対の慣習を持った人たちの住む国だった。本発表では、17世紀のイングランドにおける「アンティポディーズ」(対蹠地)と新世界にまつわる言説を比較しながら検討することで、ブルームの『アンティポディーズ』における性/生についての想像力について明らかにする。

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アンティポディーズに旅行する芝居とは、、、イギリスの演劇はいつもながら突拍子もないですね〜。

ぜひ色々質問して、どんな物語なのか解き明かしましょう!

場所と時間はいつもの通りです。会場でお会いしましょう。

時間:午後2時半より。(会場費:1000円)

国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。

 

 


オベロン会2月例会のお知らせ

2019-02-18 | daruma feat. Takasaki

 

関東はまだ寒い日が続きますが、皆さんお元気で冬をお過ごしでしょうか。

2月23日(土)のオベロン会は笹川渉さんのご発表です。

タイトルは「王党派の詩集 Wit and Drollery (1656) をめぐって」

以下がご発表の概要です。

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1650年代のイングランド、共和制のもとで娯楽が取り締まられ、その前後の時代と比べると新しい文学作品の出版も決して盛んとは言えませんでした。しかし、政治的に力を失っていた王党派はその間全くの無抵抗であったわけではなく、反クロムウェル政権の行動の一端が、詩文を集めた miscellany の出版を通じて行われていました。今回の発表では、その一つである 1656年に出版された _Wit and Drollery_ において、'The Inovation of Ulysses and Penelope’ と John Donne のエレジーである ‘Love's Progress’ が、それぞれ詩集の最初と最後に置かれていることに注目したいと思います。また、この二作品を手掛かりに共和政府の側にいた John Milton の詩に対する態度も考えてみたいと思います。

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共和政下の王党派詩とは、大学の「イギリス文学史」ではなかなか取り上げられない貴重なトピックです!

どんな議論になるのか、楽しみですね。

場所と時間はいつもの通りです。会場でお会いしましょう!

時間:午後2時半より。(会場費:1000円)

国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。


9月29日のオベロン会

2018-09-19 | daruma feat. Takasaki

苦しいほど暑かった夏もやっとひと段落つきましたが、天災の多い今年、皆さん元気にお過ごしでしょうか。

9月29日(土)の例会は松田幸子さんのご発表です。

タイトルは「キプリングの東南アジア:"The Lang Men o' Larut"(1889)を読む」

以下がご発表の要旨です。

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ラドヤード・キプリングの初期の短編のいくつかは、言うまでもなく、彼が一時編集をつとめた新聞Civil and Military Gazetteに掲載されたものである。これは、英領インドのラホールで出版された、インドやその周辺地域の状況を詳しく伝える英紙であるが、短編小説や逸話も数多く掲載されていた。キプリングはCMGで1882年から1887年の約5年間編集として働いたが、同時に同紙に初期の短編小説を数多く寄せている。その後1889年、キプリングはインドを離れロンドンに向かう。その際、彼は東南アジア(ビルマ、シンガポール)、香港、日本、サンフランシスコをめぐった。この時の経験を、おそらくキプリングはほぼタイムラグなしに小説にし、CMGに送ったと考えらえる。そのひとつが、現在のマレーシアのタイピンにあたるラルート(Larut)という町をめぐる"The Lang Men o' Larut" である。キプリングは、この物語で、彼が見聞きしていた東南アジア像と英国人として望むべき東南アジア像とを融合させて描いている。かつての炭鉱の町で起きた出来事をキプリングがどのように描いているのかを詳細に読み解くことで、19世紀末の「英国人」が東南アジアという土地をどのようにとらえようとしていたのかを明らかにする。

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いつもの通り、趣味全開のテキストですね!

メジャーな作品ではない分、フロアとどんな議論が交わされるのかとっても楽しみです。

それでは、秋の訪れを感じる国際文化会館で皆さんお会いしましょう

場所などは、いつもの通りです。

午後2時半より。(会場費:1000円)

場所は、国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。


2018年7月28日のオベロン会

2018-07-03 | daruma feat. Takasaki

この度は、少し早めのお知らせです。

7月28日のオベロン会はオベロン会の要、川井万里子先生のご発表です。

タイトルは「ポジティヴな私生児―『ジョン王』におけるフィリップ・フォークンブリッジ」

川井先生からいただいた要旨は以下の通りです。

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シェイクスピア劇に登場する私生児には、フィリップ・フォークンブリッジ(『ジョン王』)の外、エドマンド(『リア王』)、ドン・ジョン(『空騒ぎ』)、サーサティーズ(『トロイラスとクレシダ』)、キャリバン(『テンペスト』)などがいる。父親の権威を中心に組織された16,17世紀の英国社会では、私生児には父親の土地財産、地位、権力の相続権がなく、公職就任、商業組合をはじめとする各種職業組合加入資格、その他の社会生活においてさまざまの差別を受けた。日陰者に生まれついた私生児は、社会への怨念、憎悪、復讐心から、多くは破滅型のbastard villainとして生きる悪役(典型的なのがエドマンド) となる。

しかし、リチャード獅子心王の「名誉ある私生児」を自認するフィリップ・フォークンブリッジは、ジョン王の補佐役、対等の従兄、全権を託された指揮官を務め、王の死後、ヘンリー王子の後見役に付くなど、向日的かつ積極的な役割を演じるポジティヴな私生児である。その間彼は自己愛に溺れることなく、主君ジョン王と自分自身をつねに突き放して観察批判するユーモア精神を忘れない。正統なfeudal lineageからはじき出されたハンディキャップを逆手にとり、すべての立場に距離を置き自由奔放に生きるPhilip the positive bastardの人間像に迫る。Philipのモデルといわれるヘンリー8世の私生児Sir John Perretの波乱の生涯も紹介する。

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川井先生のシェイクスピア歴史劇への熱い思いが炸裂した発表になりそうです!

特にbastardものとは... 来月末が楽しみですね

それでは暑い夏本番、熱い研究会で乗り切りましょう。

 

場所などは、いつもの通りです。

午後2時半より。(会場費:1000円)

国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。