オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

2013年1月26日の発表から

2013-02-25 | のどぼとけ
ああ、またまた遅くなりました。
いったい、あの発表はどうなったんだ、
という声が聞こえてきそうです。

そう、あの発表、つまり、先月末の
宮本正秀さんのThomas Browne論です。

なんだって、そんな大事な発表なのに、
ブログに出ていなかったではないか!
という声も聞こえます。お許しを。

どうもキャリバン君が忙しかったのか、
サボったのか、何らかのせいで、
大事な告知をできなかったのかと思います。

とりあえず、遅ればせながら、
一月前のオベロン会を思い出して、
うろ覚えのことを書き記しておきます。
何もないと、何もしなかったかのように
思われますからね。


宮本さんは、Ars Moriendi (=Art of Dying)への言及から始められました。
ラテン語で書かれた本で、死に臨んでのなすべきガイドブックとのことで、
Jeremy Taylorが、The Rule and Exercise of Holy Dying として、
そのHoly Living版とセットで出版したりしているとのこと。
死と生をセットとして考え、その先の最後の審判に備えるわけですね。
15世紀の本が17世紀の時代にもまだ使えたということでもあります。

そこで、Sir Thomas Browneの Religio Medici が出てきます。
この本は、『医者の宗教』という、そのタイトルからして
なんだか矛盾しているような感じがあります。
身体的な物理的な対応は医者に任され、その後の魂の行方については、
聖職者の領域というふうに、棲み分けがなされていた時代ですが、
Thomas Browneは、医者の仕事をしているうちに、そのことを忘れて
いつしか思わず神に祈っていたりする、ということを述べています。

このあたりから宮本さんは、11枚の死の床の挿絵を解説して
私たちの蒙を啓いてくれました。これ以降は、出ていた方々の
お得な情報として、ここでは控えることにします。


その先が知りたいんだ、という方は、是非オベロン会に
おいでください。いろんな楽しみが待っていますよ。

この後は、いつものように、場所をレストランの方へ移して、
美味しいビールとサンドイッチやピザで、ますますの
議論や談笑にひとときを過ごしました。
宮本さん、ありがとうございました。










2013年2月23日のオベロン会のお知らせ

2013-02-20 | キャリバン
遅くなりました、お許しください!


まだまだ寒いですね。
風邪を引かれていませんか。
これからは花粉症の時期です。
それも変なpm2.5とかいうものまで飛散して。
そんな中でもオベロン会はあります。

今回の発表者は、三輪恭子さんです。
扱う題材は、次の通り。三輪さんの文章をそのまま引用します。



August: Osage County (Theatre Communications Group, 2008)

Tracy Letts著



2008年にPulitzer賞ドラマ部門を受賞した戯曲です。



1965年生まれと若い作家であるため、日本ではあまり知られていませんが、

夏にSuperior Doughnutsという作品が、加藤健一の主演で上演されました。



Augustはtragicomedyに分類されると思いますが、オクラホマ州の町に

おける、家族の軋轢と崩壊を描いた作品です。

2011年の秋に、アメリカで舞台を実際に観ましたが、なかなか重厚でした。

この中では、46歳の長女の更年期に関連した表現に注目したいと考えています。



マイナーな作品のため、国内で素早く入手するのは難しいかもしれません。

私も、この作家を専門で研究しているわけではないので、ストーリーラインから

説明して、発表に入りたいと思っています。



新しいところの演劇ですね。
できたてのホカホカのようで、嬉しくなります。
三輪さんが、どのような料理に仕立ててくださるのか、楽しみです。

会場は、いつものところです。(なお、3月は都合により休会です。)

国際文化会館 
   都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分
   東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分