すっかり夏の空模様です
今月は、伊達恵理さんのご発表です。タイトルは、
「M.R.Jamesの怪奇短編小説に見る『怪談』の語り」です。
以下、伊達さんからの要旨をご紹介させていただきます。
今回は、英国20世紀における怪奇短編小説の代表的名手と言われるMontague Rhodes Jamesの作品のいくつかを扱い、Jamesの「怪談」の語りの仕掛けとその極意を探りたいと思います。
古文書学、聖書学の研究者でCambridgeのKing's Collegeの学寮長やFitwilliam Museumの館長も務めたJamesの作品については、しばしば彼の学識に裏付けられた好古趣味が特徴として挙げられ、怪談としての典型的な語りのスタイルについても論じられているものの、それらを活かした個々の作品の緻密な物語構成や手法に踏み込んだものは未だ少ないようです。
Jamesは彼の怪談を主にKing's Collegeのクリスマスパーティで披露していたとのことですが、日本では夏の怪談シーズンに先駆けて、英国のみならず日本でも息の長い人気を保ってきたJamesの怪異譚における「恐怖」の描かれ方を考察したいと思います。
作品は、怪奇小説のアンソロジーなどに取り上げられることの多い、'Lost Hearts','The Mezzotint','The Ash-Tee','Count Magnus', "Oh, Whistle, and I'll Come to You, My Lad"などを主に扱います。
怪談といえば夏ということで、精読が冴える集いになりそうです。
深緑の美しい庭園を眺めながら、季節の語らいをいたしましょう。
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場所などは、いつもの通りです。
午後2時半より。(会場費:1000円)
場所は、国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。