オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

5月のオベロン会は休会です

2012-05-26 | てこな姫

告知が遅くなり、申し訳ありません


5月のオベロン会例会は、日本英文学会全国大会と日程が重なるため、休会となります。


6月の例会は、6月30日です。


詳細な案内は追ってアップするようにいたしますので、どうぞお楽しみに!  

4月のオベロン会報告

2012-05-26 | てこな姫

ブログの更新が滞ってしまい、申し訳ありません…。


4月のオベロン会は、東條賢一さんの発表でした。

予告の通りアレグザンダー・ポープの The Rape of the Lock での発表でした。


The Rape of the Lock は一昔前ならば、英文学史で必ず取り上げられ
また、
演習などでも、どこかで一度は読んだものでした。


最近の英文学科ではどうなのでしょうか?

十八世紀らしい詩と言えば、まことに十八世紀らしいのですが、
今時の学生さんには、ちょっと敷居が高いかもしれませんね 笑 

この日は、
全750行に及ぶ The Rape of the Lock の3割くらいは精読していただいたでしょうか。

精読といっても時間に限りがありますので、駆け足になるところも多々ありましたが
たとえば Canto I の終わりに出てくる、Belinda の Toilet のシーンのような名場面では
きちんと読みの速度を緩めて
じっくりと味読をしていただきました 


And now, unveil'd, the Toilet stands display'd,
Each Silver Vase in mystic Order laid.
First, rob'd in White, the Nymph intent adores
With Head uncover'd, the cosmetic Pow'rs.
A heav'nly Image in the Glass appears,
To that she bends, to that her Eyes she rears;
Th' inferior Priestess, at her Altar's side,
Trembling, begins the sacred Rites of Pride.
Unnumber'd Treasures ope at once, and here
The various Off'rings of the World appear;
From each she nicely culls with curious Toil,
And decks the Goddess with the glitt'ring Spoil.
This Casket India's glowing Gems unlocks,
And all Arabia breathes from yonder Box.


いやぁー、何度読んでも、名場面、名調子ですね!! 

名句の連続の The Rape of the Lock だけあって、
紹介し出すと切りがないのですが、
東條さんは、時間の許す限り、作品の細部やその文化的背景、詩句の味わいに言及され
The Rape of the Lock の魅力を最大限に引き出してくださいました。

この作品を読むときの難しさのひとつは、
時代風俗への馴染みの無さがあるかと思います。

今回の発表では、作品に登場する小物たちや装飾品、衣装などについて
膨大な図版を用意していただきました。

視覚を通じて、オーディエンス一同、当時のロココ文化の細部を、大いに味合うことができました

テクスト&イラストと、まさに盛りだくさんの発表となりました。

これだけたくさんのイラストを集められるのは、さぞや、大変だったと思います

東條さん、どうもありがとうございました