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ヒメヤブラン・1~片所谷戸

 今年6月にホタルの乱舞を見ることができた片所谷戸(かたそやと)。京王線多摩境駅から歩いて5分のところにあるわずか3.6haの小さな緑地だが、ホタルだけでなく、植物の花の自生も250種ほど確認されていると聞く。ランニングの途中に足を踏み入れてみると、沼や小川があるためやぶ蚊の総攻撃がすぐに始まる。携帯用の虫除けスプレーを持参しているが、半袖短パンの無防備な姿ではとても防ぎきれない。ゆっくり植物観察することもできず、這う這うの体で逃げ出したが、出口付近で視界に入った小さな花が、この「ヒメヤブラン(姫藪蘭)」。ユリ科ヤブラン属の多年草で、ヤブランより小型で花がまばらに付く。
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ハマビシ・2~実

 ヒメハギ科ハマビシ属の「ハマビシ(浜菱)」。果実がヒシ科のヒシ(菱)の実に似て太いトゲが生えており、海岸の砂地などに生育することからその名がある。残念ながら当地ではヒシは見られないが、ここで “菱” についての余談を少し。
 子供の頃のヒーローと言えば、 『鉄腕アトム』 や 『鉄人28号』 などのSF物と、 『伊賀の影丸』 や 『忍者部隊月光』 などの忍者物。その忍者を真似して、首から風呂敷をなびかせ背中に剣を差し、ボール紙で作った手裏剣を投げてヒーロー気分を味わっていた。忍者物に出てくる “蒔き菱” は、釘を曲げて試作したことがあったが、これは子供の遊びには危険過ぎる武器で、実際に使用した記憶は無い。実は50年ほど前のことで、もう時効なので白状するが、小さな釘やネジを、家の近くを通っていた貨物線の線路の上に置いたことがある。そこに貨物列車が通過すると、釘がペチャンコでピカピカの手裏剣に変わり、それはそれは素晴らしい宝物になった。 “国鉄” に訴えられるとまずいので、このことは是非内緒にしておいて欲しい。
 さてヒシの実や葉を図案化したものが “菱紋” で、これは何と縄文土器に描かれているという。戦国武将では、甲斐武田氏の “武田菱” が有名。岩崎弥太郎が興した三菱グループのスリーダイヤは、岩崎家の “重ね三階菱” と、土佐山内家の “土佐柏” を合わせたものだという。 
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