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長電話

~自費出版のススメ~

白鵬礼讃

2009-05-23 | スポーツ
ときどき、勝っていながらその取り口に「イケね」って表情をして舌を出すチャーミングな白鵬は、まだ24歳。昨日の全勝対決は1コ上の日馬富士との長くいい勝負をしたように見えましたが、実は慎重にコトを運んだに過ぎず、並の力士なら食らう日馬富士の練られた技を余裕で返し、最後は派手にすそ払いで始末。あらためて、彼がモンゴル相撲出身力士だと思いしらされ、寄り切り中心の、保守的横綱相撲の美意識の中だけに生きているのではないこと、才能が露骨に開花している状態を思いしらさせれました。。

かたや朝青龍28歳も、主役は譲らんと、前半での1敗にもめげずモチベーションをキープ、下手投げを乱暴に決め、今場所の高いテンションを維持し続けており、千秋楽本割で負ければ自身の持つ35連勝の記録を破られることもあってなのか、立ち会いの悪さは彼のただの個性ではないかと思われるほどの充実した土俵で、場所を盛り上げています。

スター、そしてライバルがあってこそが、業界繁栄の基本。あと2日、日馬富士が残りを連勝し、取りこぼしがなければ白鵬の優勝。明日朝青龍が日馬富士に勝つと、千秋楽が盛り上がります。ただ、結果はどうあれ今の白鵬は優勝にも連勝新記録にも相応しい横綱です。

中日優勝説

2009-05-22 | スポーツ
先発のコマが揃ってきたし、交流戦でローテーションが楽になるということで、手薄だった浅尾が中継ぎに回り、中日本来の姿が戻ってきました。我慢を重ねて使い続けたブランコにも当たりがでてきて、このチームの今後が楽しみです。

ブランコは打率が上がらなくても、相手投手には十分脅威であり、和田の調子の良さも、森野、ブランコと続く打線による投手の神経の負担の重さに負うところがあると思います。打順は若干いじりましたが、王道のごとくスタメンを変えない落合監督の落ち着き払った采配は、調子が悪いとすぐにちゃちなアイデアを試したがる巨人・原監督に比べると、シーズンを長い目で見、選手の将来を考えると、働きやすい環境を提示しているといえるでしょう。

落合監督は3年の再契約の1年目、オーナーには「3年目で華を咲かす」と野村監督のヤクルト時代の発言のようなことを伝えたと言われています。しかし、安定した選手起用をみていると、その狙いは、先発投手のいい広島、抑えの林昌勇が安定しているヤクルトとともに争う、2・3位からの日本シリーズ出場権ではなく、5割を切っている勝率をみればまだ失笑の対象ではありますが、今季の優勝も視野に入れているのではないでしょうか。

白鵬vs朝青龍

2009-05-19 | スポーツ
朝青龍は相手が相手だけに間抜けな黒星といえる脱力感を味わいながらもめげず、腰の低い取り口でベストをつくす相撲を採り続け、かたや、白鵬はゆとりのある「見切り」で苦笑いしながらも初場所11日目、日馬富士に破れて以来の連勝を29に伸ばしています。

両横綱の勝負は、初場所の本割、優勝決定戦は1勝1敗と五分でしたが、力対力のガチンコ勝負というより、立ち会いの甘さをお互いつけこまれたという印象で、雌雄を決するという程の相撲内容ではありませんでした。

東の正横綱という地位にありながらいまだ豊かな伸びしろをもつ白鵬、何をもって円熟か、あるいはピークなのかが分からない朝青龍。そして横綱候補として落ち着きを取り戻し、参戦する日馬富士。

期待の若手の成長、ベテラン大関の健闘。いつになく充実した土俵が続いています。

美貌の都

2009-05-16 | スポーツ
プロ野球というと、藤井寺球場でのデーゲームで顔の下に炭をぬったパンチパーマのおっさんばかりだった近鉄の選手のように、豪放磊落な人ばかりだったのも今は昔。大リーグの筋肉のお化けみたいな連中とも違う、日本独特の美しい選手があらわれてきました。

ダルヴィッシュをはじめ、西武の中島、楽天の岩隈と、WBCでは韓国の選手に美しさにおいて既に完勝していましたので、決勝でも負けるはずがないとタカをくくって見ていたものです。韓国選手も随分やりづらかったと思います。

WBCに出場してもおかしくない実力をもったソフトバンクの和田、ローテーションに入ってきた阪神の能見、勝ちゲームの後半に登板するようになったソフトバンクの久米勇紀と、演技力があれば俳優になってもおかしくない逸材です。特に歌舞伎役者のように上品な能見、ロックバンドのフロントマンのようにポップなセンスの久米は、そのユニホームの着こなしとともに評価をされ、人気がでてしかるべきでしょう。

WBCを見てはじめて岩隈を知ったなんて人も多い中、やりすぎるとコアな野球ファンは反発するでしょうが、人気商売でもあるので、球団ももう少し「美形選手」を「美形選手」としてプッシュしてはいかがでしょうか。

安美錦 大金星

2009-05-13 | スポーツ
民主党の次期党首候補の岡田さんは「男前」ですが、主婦層に人気があるわけではありません。酔っぱらい会見の中川昭一も同じように「男前」ですが、やはり顔によって得をする政治家とも思えないところです。

顔がよく黄色いかけ声があったといえば、故橋本元首相、小泉元首相。どうやら昭和生まれの日本人はすっきりした醤油顔の「歌舞伎系」が好きで、ソース顔の「日活系」はあまり受けないようです。

美形といえば、ギリシャ彫刻のような顔(本田恭章、H・バーガー、ダルヴィッシュ)を連想するのですが、そういった「美しい形の顔」は哀愁をまとって悲劇と男色のイメージがあり近寄りがたく、むしろ人気にはマイナスに働いてしまいます。

そこへいくと安美錦の顔はバランスはいいし、もちろん「日活系」じゃないし、どこか北斎漫画にでてくるような、いなせなおっさん的な明るい風貌。もっと「顔」において人気がでてもよいと思います。

マスコミは安美錦が勝ったことではなく、朝昇龍が負けたことのみを強調します。金星を随分重ねているのに、安美錦にスポットがあたらない。もっともそんな存在感が彼らしさではありますが・・・。

大相撲五月場所

2009-05-09 | スポーツ
朝青龍の軽いスキャンダルが報じられ始め、そろそろ本場所かなと思っていたら、もう明日が初日とのこと。

関脇に昇格した豪栄道や小結の栃煌山、前頭筆頭の豊真将、日本人関取はどこか真面目な大学生、好青年の書生の佇まい、相撲もストロングスタイルで親方の長い目で見、ゆっくり育てる姿勢が感じられますから、ポンコツ大関たちを引退に追い込むことができません。

そこへいくと、前頭筆頭の安美錦。毎場所番付上位を下して、インタビューを受けているけれど、圧倒的強さもないし、かといって技が豊富でもない。派手なパフォーマンスもないので、人気も大してないから話題にもならない。横綱や大関のような責任もないから、引き技や立ち会いの変化を繰り返しても責められない。その上将来を嘱望されていない。

そんな安美錦の立場の軽い大人っぷりが、私には魅力です。

ヤンキースの4番 松井秀喜

2009-05-07 | スポーツ
松井秀喜が好調です。1割にも満たずあえいでいた4月初旬に比べ、表情も明るく、打率もようやく3割にのせました。

イチローの異常に華やかな活躍や、松井の日本での成績に比べても、特にタイトル・新記録もなく、また岩村のようにチームが優勝するのでもなく、WBCにも出られなかったので、最近ではスポーツ紙の1面を飾ることもなく、野球ファンの間でもあまり話題に上りません。

田淵や江藤のように、放物線を描くのではなく、彼のライナーで飛び込む鋭いホームランが好きだったので、アメリカにいってホームラン打者からアベレージヒッターへとスタイルを変えてしまい、日本の長距離打者がどこまで通用するのかというテーマもなくなり、ひどく残念でした。

ヤンキースという規制の多いチームなんて、さっさとクビになって田舎球団に移籍し、打率にこだわらずのびのびとホームランを量産する松井が見たかったのですが、チャンスに強い打棒は今シーズンも球団の評価は高く、A・ロッド、ポサーダがいないとはいえ、4番で先発を続けています。

容貌やパワーの印象と違い、デリケートでスクエアなタイプの松井は都会の洗練された環境の方が過ごしやすいのかもしれません。野球選手としてさらに飛躍する可能性を秘めた松井の、地味ながら球団に貢献する姿勢は、それはそれで頼もしいのですが・・・

田母神ホリエモン説

2009-04-28 | スポーツ
先日の朝生は外交や安全保障などがテーマでした。いつものように最後まで認識や立場の違いが際立つだけで、新鮮な情報や見識の披露はありません。

司会の田原氏が今回の「売り」であるパネラーのひとり(迂闊な発言で自衛隊空将を解任された)田母神氏から過激な発言をひきだそうとするのですが、自己満足な言説に終始、なによりも田母神氏自身に奥行きも魅力もなく、不発に終わりました。

彼の主張(陰謀論や核保有論)はもともとネット右翼や営業右翼の間で広く語られていたもので、政治や歴史にたいした造詣もない私ですら見聞きしたことのある範囲のものです。その正誤はさておき、目新しいものではなく、自らの発言の検証もなおざりで「言ってみただけ」、それはまるで安易な「正論」を吐くかつてのホリエモンのようです。

ただ現在は、博士でもなけりゃ政治家でもない、立場がなけりゃ責任もない、ときどきテレビに出てくるただの物書きさんなんですから、もう少し明解に、そして気丈に振る舞ってほしいものです。

セリーグの灯

2009-04-23 | スポーツ
巨人が強い。以前は金にあかした補強が非難された割に結果が出ず、「あそこは育成がダメ、選手をつぶす」「トップが決めちゃうのでスカウトが育たない」などと揶揄され、アンチ巨人の溜飲をさげる話のタネを提供し続けてきました。

しかし今や、阪神の4番と5番は元広島の金本と新井、投手の軸は下柳(元ダイエー等)だったり、去年の中日の軸はウッズ(元横浜)和田(元西武)中村(元近鉄他)と、決して巨人を責められない他球団からの引き抜き、FAによる移籍による陣容です。

海外サッカーでは、プレミアリーグやリーガや、セリエAでも、選手を育てる球団、できあがった選手を引き抜き優勝を狙う球団に色分けされ、それが常識となり誰も不自然に思わなくなってもう随分経ちます。

今年の巨人は大技小技があり、中継ぎ抑えが充実。若手とベテランの融合が実現し、前半に少々点を取られていても最後まで試合を諦めない理想的なチームです。原監督には采配の力はなくとも差配の力はあるのでしょう。

狭い日本の国土が高速道路や新幹線で網羅され、一極集中で地方が疲弊したように、セリーグのプロ野球も悪い意味で洗練され、「ペナントの優勝争いを楽しむ」ことに限ってはもうなくなってしまうのかもしれません。

助っ人外国人

2009-04-17 | スポーツ
先日、楽天のラズナーがとてもいいピッチングをしました。彼は去年NYヤンキースで20試合に先発し5勝を挙げた、いわばバリバリのメジャーリーガーです。世が世なら大騒ぎされそうなキャリアですが、さっぱり話題になりません。スカウトの採用理由は「アメリカじゃざらにいる150キロを投げる投手も日本では通用する」でした。
近年の日本のプロ野球での外国人打者への期待は、器用さではなく、打率は低くても長打力があり、1試合に1本大きいのを打ってくれればいい、というものです。WBCやオリンピック代表で「あれ、日本人で4番らしい4番って誰だっけ?」と考えてしまうのもそのせいでしょう。
同じようにラズナーへの期待はスピードだったことを考えると、細かい野球は日本、おおざっぱだけど豪快なのは外国人と、アメリカの野球に対して「必要」なところだけ引き出そうとするしたたかさをもって「利用」しています。
WBCの連覇といい、昔日のボブ・ホーナーヤクルト入団時のような狂騒は見られなくなったことといい、すでに大リーグに遜色もコンプレックスのない日本のプロ野球になっていることの証しでしょう。

松坂DL入り、松井先発落ち

2009-04-16 | スポーツ
過去記事を振り返ると、特に昨日のものなど何を言いたいのか、さっぱり分からないものも多く、こそこそと細部をいじったりします。プロ野球選手と400文字程度のブログの更新を比較するほど阿呆ではありませんが、ことほど左様にクオリティの維持とその継続は大変なものです。
昨年までのプロ野球で5年連続ふた桁勝利を上げている投手の数を調べてみると、最近では、井川(阪神)、石川(ヤクルト)、清水(ロッテ)、和田(ソフトバンク)などごく僅か。あの松坂大輔や斉藤(ソフトバンク)、岩隈ですら達成できていない記録です。継続して安定した実績を残すことがどれだけ大変かを示す数字ですね(イチローの8年連続200本安打の例外性も分かるってもの)。
春先は実績のある選手の出来に一喜一憂します。松坂がDL入りし、王健民も炎上し、松井秀喜も先発落ちしていますが、勝負はまだ先。大リーグでは一度も野茂のような「俺が松坂だぁ」っていう力強いピッチングを見ていない気がするので、出だしでつまづいた今シーズンこそ「ノーヒットノーラン」を、松井にはホームランの量産を実現してほしいものです。

イチロー始動

2009-04-14 | スポーツ
交通事故にあうと、その瞬間が「スロービデオ」のように記憶に細かく定着されるといいます。神経を総動員して身体を守ろうとするのでしょうか。「火事場の馬鹿力」という言葉がありますが、人間、いざって時はぼんやりとした平時では眠っている能力が本人の意思にかかわらず目覚めます。
かつて「打撃の神様」といわれた川上哲治は好調時、「ボールが止まって見える」と豪語しました。この発言は今では比喩的に捉えられていますが、本当に止まって見えたのでないでしょうか。つまり自由に、意思をもって「火事場の馬鹿力」を出すことのできる能力。「神」の領域に達した人間ならではの発言かもしれません。実際川上は「打撃の神様」の称号をイチローに引き渡すような発言もしています。
イチローはWBCの決勝戦での決勝打のあと「神が降りて来た」と冗談めかして説明しましたが、それは訓練された潜在能力を「引き出す」力を指しているのでしょう。基礎とそれを応用する技術は別物、やみくもに「努力」しても無駄です。
記録と記憶を同時に実現する希有な才能、イチローの今シーズンが始まります。

野球とサッカーの違い2

2009-04-11 | スポーツ
野球はすべてが、サッカーでいうセットプレーであり、試合の断面を数値化できます。例えば「0-0、五回の裏、ツーアウト、バッター5番、ツーストライクツーボール、フォアボールのランナー三塁、先発投手の球数62、被安打1、失点1、打者の打率・・・」と、野球に詳しい方ならどういう試合でどういう局面なのかを、あらかた理解できるでしょう。

目で見なくてもある程度分かり、途中からでも試合に入っていけるというのは、ラジオ向き。シーズン中はトラックドライバーによって情報は日本をかけめぐります。

対してサッカー、守備も攻撃も野球のように固定されておらず、複数の選手が複雑に絶えず動き回り、例えば「4-4-2」のフォーメーションであってもいろんなスタイルがあります。スーパープレーがあってもラジオのアナウンサーは文学的に解説することしかできず、なかばリスナーの想像力に委ねることしかできません。

ルールらしいものはオフサイドくらいで、その自由度に耐えることができる者のみが観戦を許されるサッカーはあくまで視覚のスポーツです。

野球とサッカーの違い1

2009-04-10 | スポーツ
私の生まれたド田舎にも少年野球があり、チャンネル数は4つだったにせよテレビがあり、プロ野球や高校野球を見てきたので、野球ほどの複雑なルールをもつスポーツにも親しむことができました。その点サッカーは見る機会も少なく、やったとしても広大なフィールドをどう扱っていいのか分からず、随分途方に暮れたものです。

ほっとけば無いも同然の町にも、なんらかの少年野球組織が存在するのは、人材吸収装置としてものすごく大きいし、他にそんなスポーツはないから、力のある子供はおおかた野球を嗜むことになります。

細かく複雑なルールを教えること、覚えることは、子供の情操教育にも有効でしょうし、学校以外のコミュニティに属することによって、学校だけでないオルタナティブな逃げ口を提供することにもなります。

中日を悪くいうな

2009-04-09 | スポーツ
前回のWBCでは、松井秀喜の出場辞退が、少々バッシングされましたが、今回は好調なだけに中日のWBCに対する姿勢が問われ、なかには「中日だけは優勝させたくない」「優勝しても価値を認めない」などと、激しく責める方もいらっしゃいます。開幕戦がケガをして帰ってきた主砲村田のいる横浜だったので、そのコントラストが余計に際立ってみえたのでしょう。
専門職のいなかったレフトの候補として和田、抑えの岩瀬など、出場してもおかしくない選手はいますし、山田コーチは開幕投手だった浅尾を中継ぎとしてつれていきたかったといいます(浅尾は肩をつくるのがものすごく早いとか)。
多くの選手を供給した北京五輪では、終了後、ペナントレースは、阪神、中日が落ち、出場のなかった広島、オリックスが成績を伸ばしたのですから、代表チームに人を出すリスクは相当なものなのだし、選手層を考えるとチームによって影響もそれぞれです。
ただ、中日はエースと4番の抜けた球団なのです。そういった悪条件で開幕に照準をあわせてチームを作ってきた落合さんの手腕、選手の危機感をそういった中傷で貶めてよいものでしょうか。