海鳴記

歴史一般

日本は母系社会である(33)

2017-04-01 09:32:33 | 歴史

 

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 アメリカのような母権・母系的な基盤(きばん)を失ってしまった社会では、日本のような母権・母系制の中にある父権など理解はできかった。ただただ未発達(みはったつ)社会―彼らの表現でいえば、中学生程度(ていど)の民主主義社会―にしか見えなかったのであるなるほど、明治以降の日本は異常(いじょう)だった。西洋的な父権制社会に対抗(たいこう)するため、天皇に過重(かじゅう)責務(せきむ)を負わせてしまったからだ。

 本来、天皇は父権制の象徴というより、むしろ母権・母系制の継承者(けいしょうしゃ)だった。ところが、明治政府によって強い父権性を付加(ふか)され、神聖にして(おか)すべからざる存在にさせられてしまった。いわば無理やり虚構(きょこう)の<父>を演じさせられてしまったのである。日本人は、こういう社会に(な)れていなかった。だから、本来的な秩序(ちつじょ)収拾(しゅうしゅう)がつかなくなり、無謀(むぼう)戦争突入(とつにゅう)結果未曾有(みぞう)敗北(はいぼく)(きっ)し、有史(ゆうし)以来初めて、国(米)の駐屯(ちゅうとん)(ゆる)してしまったのである。

 どうしてこのようなことになったのか?それを解明(かいめい)するためには、母権・母系制の起源(きげん)をたどるしかないように思われる。

 

 

 

               


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