ここ数年、ずっと苦痛とともに見させられてきた許しがたいやり口が
またしても再現された入管法案衆議院通過。
「数が多ければやりたい放題さ」と言わんばかりのこの傲慢さは、
野党の追求が下手な所為だのと、
野党の責任にするのは全く外れた言い草です。
確かに、野党は少数であり、出来ることには限りがあります。
ですが、多数派をいいことに三権分立の原則を踏みにじり、
行政府が立法府を踏み潰して構わない訳はないのです。
法案の審議も端緒についたばかり、
しかも、過酷な労働に苦しむ外国人技能実習生の実態調査も
データに大きな誤りもあったというのにそれも省みず、
様々な指摘も無視して法案採決に突っ走るという
自民・公明(+維新)お得意の暴走=数による国会軽視です。
↓不当労働行為を涙をためて訴える外国人技能実習生。
↓入管法改定には様々な論点が指摘されています。
私が最も危惧するのは、多くの外国人が日本に来ても、
今の日本社会が外国人を共生の相手として
対等に、差別せず迎えられるかどうかということです。
現在、日本には250万人の外国人が生活し、
外国人労働者の数も130万人に上っています。
私は決して、外国人労働者が日本で働くこと自体に
反対しているのではありません。
しかし、現に今、
外国人技能実習生の80%以上が最低賃金を下回り、
労働基準もメチャクチャで、
長時間労働・社会保障なしの奴隷のような環境に耐え切れず
失踪者が激増しているという現実があります。
その技能実習制度の諸矛盾を放置し、
その延長線上で人権無視の外国人受け入れをするのは、
許されない国家犯罪だと言いたいのです。
戦時中の日本政府(安倍首相の祖父岸信介が商工大臣として担当)が
中国や朝鮮の民を徴用工として引っ張ってきた歴史的事実と
重なっているじゃないですか。
今の国会審議に望むことは、
日本の民が多くの国から移住してきた人々と共生しつつ暮らすために、
外国からの労働者を迎えるより良い体制を作ることです。
「来年の4月に間に合うように」
という選挙対策の愚かなご都合主義は将来に必ずや禍根を残すでしょう。
<ふろく>
さすがに、あまりの暴挙に多くの新聞(産経まで!)が批判しています。
朝日新聞 入管法案採決/暴挙に強く抗議する 2018/11/28
毎日新聞 就労外国人/法案が衆院通過/緒に就いたばかりなのに 2018/11/28
読売新聞 入管法改正案/技能実習制度との関係明確に 2018/11/23
読売新聞 外国人就労拡大/中長期的な戦略に位置付けよ 2018/11/18
日経新聞 技能実習、抜本見直しが急務だ 2018/11/27
産経新聞 「入管法」衆院通過/論点置き去りは許されぬ 2018/11/28
東京・中日 入管法が通過/国会は責任放棄するな 2018/11/28
北海道新聞 入管法衆院通過/国会の軽視も極まった 2018/11/28
東奥日報 拙速な成立は禍根残す/入管難民法改正案 2018/11/28
岩手日報 入管法改正案/ごり押しは禍根を残す 2018/11/28
河北新報 入管法案審議入り/首相は共生社会の理念示せ 2018/11/14
秋田魁新報 入管法改正案/外国人就労、徹底議論を 2018/11/17 http://www.sakigake.jp/news/article/20181117AK0013/
福島民報 外国人材と地域/共生の課題を確かめよ 2018/11/22
千葉日報 外国人労働者受け入れ/安心できる制度設計を/【論説】 2018/11/26
中部経済新聞 入管法の改正案=「労働力」を受け入れるだけではない 2018/11/26
信濃毎日 入管法改正案/なぜこれで採決できる 2018/11/28
新潟日報 外国人就労拡大 まず「実習制度」の検証を 11/23
新潟日報 入管法審議 「成立ありき」を懸念する 11/13
福井新聞 入管法改正案衆院通過/「国会軽視」も度が過ぎる 2018/11/28
京都新聞 入管法衆院通過/議論尽くさずなぜ急ぐ 2018/11/28
富山新聞 技能実習生の失踪/現行制度の不備改善が先 2018/11/25
神戸新聞 入管法衆院通過/国会議論はまだ入り口だ 2018/11/28
山陽新聞 入管法改正審議/日程ありきで禍根残すな 2018/11/24
山陽新聞 外国人労働者/不安拭えぬ拙速な拡大策 2018/11/4
中國新聞 入管法改正案審議/与党の強引さ目に余る 2018/11/28
徳島新聞 外国人労働者拡大/課題置き去りでは困る 2018/11/24
徳島新聞 外国人労働拡大/受け皿は整っているか 2018/11/9
高知新聞 入管法案の採決/「白紙委任」は乱暴過ぎる 2018/11/28
愛媛新聞 入管法改正案採決強行/拙速で乱暴な政治手法/禍根残す 2018/11/28
西日本新聞 入管法改正案/日程ありきで採決するな 2018/11/27
佐賀新聞 入管難民法改正案/拙速な成立は禍根残す 2018/11/28
熊本日日 外国人労働者拡大/拙速のそしりは免れない 2018/11/15
ふろくの資料はブログ「愛国者の邪論」さんからお借りしました。https://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/0d7629b0caa23f200db2d9ab10be7353
戦後の日本が経済成長をバネに衣食住の安定供給を実現してきたことは、自分と周囲の生活の向上の記録として人々の胸に刻印されています。
しかし、バブルの崩壊とその後の迷走、そして1%の人々による富の独占が私たちに問い掛けているのは、日本で「夢よもう一度」の経済成長が必要なのかということではないでしょうか。
現状は戦後すぐの有様ではありませんね。この現状を全ての生活者が安心・安全に暮らせるように富を満遍なく配分し直すことが、政治の為すべき事だと私は思うんですけどね。
いくら1%の人々が富を膨れ上がらせても、庶民にオコボレは一滴も滴り落ちてこないことは、「アベノミクス」が余すところ無く証明してくれましたよね。
今回も又と、頭に血が上っています。
何のことはない経済界が安い賃金で働く人を求め、ついでに日本人の賃金も上げないで済む!ことに手を貸しただけじゃないですか!!お金持ちにやさしい安倍さんです!!!