毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「成績つけ」     2011年12月27日(火) No.250

2011-12-27 21:23:17 | 中国事情
 悲しくても仕事は次々やって来る。
テストの後は成績つけ。この大学はテスト80%、平常点20%の割合で成績をつける決まりになっている。テスト100点満点中60点未満、平常点20点満点中12点未満は不合格。

 3年の「日本文学」と「日本語作文」は合格ラインをクリアできるかどうか微妙な人たちが何人もいて、昨年度との違いがまたしても浮き彫りになった。
 だが、彼らにもプライドというものがある。入学以来、いつも
「君たちの1年先輩のクラスは優秀だ。見習いなさい。」
とか言われ続けてきたらしくて、クラスにはちょっぴりいじけムードが漂う。

 この気持ちは日本の子ども達と共通している。
私も幼少の頃、
「お姉ちゃんはよく気がつくし、明るいし、本当にいい子だよね~。」
とよく言われたものだ。近所で評判のお姉ちゃんを持つ私は、自ずと(どうせ私は気がつかないし、理屈こねだし、悪い子だよ~~だ。ふん、もっと悪くなってやる)などと一人拗ねたりした。ああ、なんていじらしくて可愛い私だったこと。

 ということで、私はこのいじけた3年生を部分的に応援してきたのだが、
「学力はやっぱ、自分の頑張りでしか身につきませんわ。」という結果が出たのだ。
努力していないというわけでもないが、覚えきるまで詰めない傾向が顕著だ。
テストの最中は真剣そのもので取り組んでいたが、答案を読むといつもの珍解答に笑わせられた。

 ・私は友人が寿司を食べたことがないと言うので、○○○○○。
の○○○部分に言葉を入れる問題で、圧倒的多数が
 ・私は友人が寿司を食べたことがないと言うので、食べてあげた
と答えた。(見せびらかして食べてどーする!)
 ・私は友人が寿司を食べたことがないと言うので、おごってあげた。
 ・私は友人が寿司を食べたことがないと言うので、食べさせてあげた。
などが正解なのだが、中には
 ・私は友人が寿司を食べたことがないと言うので、彼を怒った。
とかいうのもあり、(彼って誰?この人の執事かな?)とストーリーを考えずにはいられなかった。

 敬語も悲惨だった。日本の学校の先生もよく間違っているくらいなので無理もない。
謙譲語「お+動詞のマス形ます+する」を答える問題で、

 ・今から資料を配りいたす
とサムライみたいな解答に遭遇し、冷静になるまで数分かかった。

 短文作りも難しかったようだ。授業であれほど練習させたのに。
中国語母語話者の特徴的ミスの一つは「の」をどこにでも入れることだ。

 ・褒められてまんざらでもない気分だった。
 ・敢えて異論を唱える者はいなかった。
 

せっかく難しい言葉をほぼ使いこなせているのに、この「の」で台無しだ。
しかし、この「の」は、強力な浸透力と粘着力を持ち、今や日本語母語話者である私にまで影響を及ぼして、
「もう、テストが終わったの人は帰っていいですよ~。」
などと言わせるのだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「独り逝く人」    2011... | トップ | 「嫌な仕事」       ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中国事情」カテゴリの最新記事