昔むかし、
私が中学校3年生のとき、家庭科(女子だけ履修)の女性の先生が、
「男はみんなオオカミです。
放課後教室で男子と1対1にならないよう気をつけること。
万が一、そうなった時は必ず教室のドアを開けておきなさい。」
と真剣な表情で注意してくれました。
当時でも(1960年代後半だった)その「男=オオカミ」忠告は
手垢に塗れて古びた印象が強く、
私たちはプッと吹き出したり、
ニヤニヤしていたのを覚えています。
その先生はカサマ先生という名前で60歳の退職寸前で
男子は明治製菓の「バーバーバーバー、チョコバー」
https://www.youtube.com/watch?v=Rk7voUAXuZM
というコマーシャルをもじり、
「チョコバー」を「カサバー」と言い変えて歌っていました。
大学のとき、私自身知り合いの男性と1対1になったとき
暴力的に性行為に及ばれそうになった状況に遭遇し、
その日は何とか難を逃れられて
(フウ、やれやれ。危なかったわい)
と思うと同時に、中学の家庭科の先生の忠告が蘇りました。
(自分が何にも期待していないからと言って、
1対1になる場所に行くこと自体、軽率で間違っていた)
と自分を責めたものです。
(なんで私が間違っていたんや。悪いのは相手やんか)
と思い直したのは数日後、心が冷静になってからでした。
杉田水脈議員の「レイプに遭うのは女性に落ち度がある」は、
カサマ先生の「男=オオカミ」論と通底する発想だと思えます。
「自然=台風災害」と同じで、
「男=女性に性行為を強要する存在」は
どうひっくり返っても変えられない普遍的なものだという前提で、
その強要を避ける工夫・努力をするのが
女性の当然の義務であり、
災害に無防備であるということは愚かで、
落ち度・過失・あやまちであると、
非難対象は女性に向き、
性行為を強要する男の方は野放しです。
(オオカミなんだから仕方ないわ)ということでしょう。
しかし、ご周知の通り、
男はオオカミでも犬でも鶏でも、そして自然災害でもありません。
女が人間であるのと同様に男も人間です。
最近読んだある漫画に
「α・β・Ωに分類される人間3種があり、
Ωはαの子どもを産める存在だが、
社会的に下級の地位で極端に差別され、
社会の主要なポストを占める上級国民はαである」
という設定のものがありました。
その漫画の中で子を産むΩは卑屈でαは尊大です。
それを現代の日本社会の人間の女と男に当てはめるのは
あまりにもオカシイことですが、
杉田水脈の頭の中はこの漫画の世界と繋がっていませんかね。
杉田水脈の性暴力被害者への発言撤回、謝罪、辞職を求める
Change.orgのキャンペーンが始まりました。
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