立命館大学の構内外で見かけた多くの注意・禁止事項についての文を
写真付でブログに書いたところ、
今年1月から3月まで南昌の「高松日中会館」で日本語教師のボランティアをされ、
江西財経大学にもお話に来てくださった豊田先生が写真を送ってくださった。
その1から3までは南昌大学構内の看板だそうだが、
立命館大学の注意事項とだいぶ違いがある。
その1「水深し、池に近寄るべからず」
その2「よじ登り禁止」
3「“徳に従いマナーを守る”注意…赤信号では渡らない」
その1・その3は命に直結する注意事項で、
特にその3は南昌市に信号機が設置されだして
そんなに何年も経っていないという事情が背景にあるからだろう。
江西財経大学の本部正門前に信号機が設置されたのは私が着任してから2年後だった。
やはり車や歩行者が信号を守るのにしばらくかかった。
バイクに至っては未だに全く守っていない(少なくとも7月初めまではそうだった)。
信号は車と人間用でバイクは関係ないと信じているようだ。
その2については、フェンスをよじ登る学生たちの気持ちが分かる気がする。
中国の多くの建築は、それを利用する者にとって使い勝手がいいとか悪いとかを
全く考慮していないと言っても過言ではない。
見栄えばかりに留意しているのである。
大学はその最たるもので、
雨や雪の日は大理石の床がツルツル滑って何人もが転び、
バス停から遠く遠く離れた門を目指して、
キャンパスのフェンスを横目に睨みながら歩かなければならない。
よじ登りたくなるのも無理はないのである。
江財大は幸運にもフェンス柵の鉄棒が細く、容易に捻じ曲げられるので、
あちこちにフェンスを歪曲して人間が通れるように工夫していた。
私も利用したいのは山々だったが、
教員であるということを鑑み、辛くも思いとどまった次第である。
(中国人の先生の中には、
学生同様そのフェンスの人工的隙間を通り抜けている人が時折いた)
先日の立命館大学の注意事項を振り返ると、
「一台でも多く駐輪できるように自転車は整然と停めてください」
「地域住民の迷惑にならないように夜間は静かにしましょう」
「小松原児童公園は球技が禁止。地域児童のための公園なので、ルールを守りましょう」
「犬の散歩はご遠慮ください」
「構内では自転車を降りて押してください」
など、
中国の「命や学校のセキュリティーに関わるもの」に比べて、
非常に具体的で細かく、圧倒的に周囲への気配りを要求するものが多い。
これは日本社会の特徴の一つと言えないだろうか。
こんな一々の動作を制限する言葉に四方を囲まれて暮らしていたら、
閉塞感のあまり窒息しそうな気になってくるのは私だけだろうか。
立命館大学も周囲に配慮していることを示すため、アリバイ的に書いているのだろうが……。
さて、豊田先生は南昌市内の標識写真も送ってくださったので、
ここに掲げさせていただく。
市内1「乗るなら飲むな、飲んだら乗るな」(おお!日本と全く同じ)
市内2「ゴミを散らかすな、気ままに地面に痰を吐くな」
(私は「階段に唾を吐かないようにしましょう」という注意書きを尼崎市の
県立尼崎工業高校校内〈確かダウンタウンの松ちゃんの出身校〉で見たことがある)