白熱電球工場を題材にした物語「中ノ嶋ライト」まであと少しとなった。
今、大変なTOSHIBA。
どれだけ周知されているか分からないけれど、白熱電球を日本に広めたのはTOSHIBAだ。
そのものの固有名詞はかえているけれどそんなセリフも「中ノ嶋ライト」には出てくる。
東芝の創設者 藤岡市助という人がアメリカまでエジソンに会いに行ったのだ。技術だけを学びに来た藤岡に、エジソンは製産器具を独自で作るように促した。でないと白熱電球は普及しない。そうして出来たのがTOSHIBAの元となる「白熱舎」だった。
……すっかり詳しくなってしまった。
ちなみに、寿命の長い炭素電球をエジソンが初めて作ったときに必要だった炭は、京都の八幡の竹から作った竹炭だった。他のどの竹でもなく、八幡の竹炭じゃないとダメだったらしい。私も京都出身、勝手に縁を感じている。
会社の礎となった白熱電球を止めた東芝。
HPにも書いたけど→☆、私はその苦渋の選択を表した広告写真を見たことをきっかけにこの「中ノ嶋ライト」を書いた。
LED電球に変わって行くことを、喜びではなく哀しみと敬意に満ちた写真。それを始めた東芝だからこそ撮影できた写真だと思う。その背中が語る物をなにか残したいと思った。
そうして更に調べてたどり着いた実際の白熱電球工場「細淵電球」さんを訪ねて…その時の事はまた書くけれど、その気持ちはさらに強くなった。
それも、最初のきっかけとなった東芝の広告のお陰だ。
その東芝さんが(急にさん付けになったけど)、いま大変らしい。
アメリカの原発事業に参入して……などとテレビでやっていた。
私は原発も嫌いだし、不正会計もダメだと思う。
でも、子供の頃からの豊かな生活を与えてくれた、日本のものづくりの先駆けとしてがんばってこられた会社であることは間違いない。日曜日のサザエさんのスポンサーと言えば東芝だ。
このタイミングで、東芝の原点である白熱電球とその工場を描いた今回の作品を上演することに、勝手にご縁を感じてしまっている。
テレビで東芝のニュースを見ているとキャスターが言っていた、「一つの時代が終わろうとしている」と。
それはまさに今回の芝居のテーマ。だけど私は毎日、それでも「中ノ嶋ライト」を盛り立てたいと、時代の波に呑まれまいと抗いながら稽古をしている。
だから、なんだか伝えたいんです。
影ながら応援していますと。
架空の工場と現実はあまりに差があるけれど、重ねてしまうのは事実で。日本に白熱電球を広めてくれた東芝さんに感謝をしているのです。
消費者としてはあまり貢献できなかったけれど、一市民として東芝さんを応援しています。
届くといいなあ。
B.LET‘S第17回公演・第27回下北沢演劇祭参加作品
「中ノ嶋ライト」
作・演出 滝本祥生
会場 下北沢「劇」小劇場
キャスト
永島広美
大田康太郎(以上B.LET‘S)
川口雅子
酒井孝宏
櫻井竜
永田涼香(TOKYOハンバーグ)
中西浩
山本麻貴
渡辺啓太(東京サムライガンズ)
音楽・演奏 Mahsa(マーサ)今尾昌子
前売り ¥3600 当日¥3900 前半☆・学生割¥3300
日時指定・自由席 (学生券は劇団のみ取扱い・要学生証提示)
日程
2月8日~12日
8 (水) /19:30☆
9 (木)14:00☆/19:30◎
10(金)14:00/19:30◎
11(土)14:00/19:00◎
12(日)13:00/17:00
◎アフターイベント有り