酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

川内・驚異の粘り(福岡国際マラソン)

2011年12月04日 | 陸上
何とも凄まじいレースだった。

誤解を招くといけないので、早めに結果を明かしておくと、優勝したのは

招待選手ではなく国内実業団所属で一般参加のダビリ

(ケニア出身⇒小森コーポレーション所属)で2時間07分36秒。

今回が初マラソンだそうだが、世界陸上では1万mで5位の実績がある。

2位もムワンギ(ケニア出身⇒NTN所属)。


終わって見れば、ケニア勢にスパートされて置いて行かれるというのは、

世界陸上の女子マラソンで見せ付けられたシーンを思い起こさせる。


こういう風景が今後の日本のマラソン選手の常態になってしまうのだろうか。

時間は掛かるだろうが、何か抜本的な対策を施さないといけないことは

誰の目にも明らかだと思う。

そういう意味では、ケニア勢には大差をつけられたとはいえ、逆転して

日本勢トップに立った川内のあの頑張りと、彼の独自の練習法にも

気を配るべきではないかと素人ながら私は思うのである。

川内の潜在能力は結構高いのではないか・・・。

解説の瀬古も言っていた。

「川内君は不思議な選手ですね。この苦しそうな顔で40kmまで続くのが

信じられない」


途中経過を極めて簡単に振り返ってみる。


11km付近:給水所で川内が水を飲む映像が流れた直後に、

瀬古が「給水所で水を取れないこともある」と話し、実況アナが「川内は

どうでしたか」と聞くと瀬古は「ちょっと見えなかった」と答える。

二人ともテレビ画面は見ていないのか。

これも驚くべき反応と言うべきだろう。


15km付近:一般参加のダビリとムワンギが1位・2位を争っているのにも

かかわらず、実況アナは一切そのことに触れないし、「第一グループ」という

字幕テロップの中にも二人の名前はない。

この中継は一体何を報道しているのだろうか。


20km付近:初めてテロップに先頭二人の名前が出た。

川内が遅れ出す。


26km付近:給水所を過ぎてからダビリがスパート、ムワンギも

追いかける。


今井は終始表情が変わらない。不気味である。


折り返し地点:実況アナが川内を「川井」と間違って連呼して白ける。


32km付近:川内が苦しそうな表情も、岡本を抜く。

(ロシアのサフロノフにずっと着いている)


テレビはこの頃から(?)先頭を一切映さなくなり、日本勢の3位争いのみ

を流している。

いくらなんでも極端な報道姿勢だ。


35km付近:川内がスパート。

今井・前田との差を詰める。

ストライドの勢いが前の二人とは明らかに違うように見える。

ついに抜くも、今井が迫る。

しばらく並走する。


38km付近:給水所で川内がスパート。

一気に離そうとするも、今井が追い上げる。

今井が抜く。

二人は抜きつ抜かれつ状態。

今井は苦しそうな表情を見せる。

マラソンではあまり見たことがないようなデッド・ヒートを繰り広げる。


私を含めて日本人のメンタリティーには「川内応援」があるのだと思われる。


結果。

優勝は、ダビリ(ケニア出身、小森コーポレーション所属)2.07.36

2位は、ムワンギ(ケニア出身、NTN所属)2.08.38

3位は川内(埼玉県庁所属) 2.09.57


川内は日本人最高の3位に入ったものの、タイムがイマイチでこれでは

胸を張って五輪代表とは行かないだろう。

川内には更なる積み上げを図ってもらう他ない。

頑張れ、川内!!













































中日回顧・2011 ①

2011年12月03日 | 野球
まさかこんなことになるとは予想だにしなかった。


中日の優勝パレードも終わり、公式行事は終わっただろうから、ここで

中日の激動の一年を私なりに簡単に振り返ってみる。


最大の激震は何と言っても9.22である。

夏恒例のオーナーへの半期報告の席で、続投要請(落合監督は今年が3年契約

の3年目)の話がなかった時点で黄信号が点ってはいたものの、

それが赤信号(落合監督退任=解任)だったことが発表されたのが、

首位を走っていたヤクルトとの直接対決・4連戦の初日の午後3時という

時期だったことには世間も驚かされた。

私を含め、中日ファンの怒りは頂点に達していた。

(当時の私のブログ

あまりにひどい中日球団の体質には、それを今回の騒動で初めて知ることに

なった私も、さすがに怒りが収まらなかった。


しかし、今の私はもはや球団には殆ど何も期待していない。

私もそれだけ学んだというか、見切りを付けたというか・・・。

既得権益を重視する旧態依然の、極めて日本的な組織の最悪の球団だという

認識を抱くに到ったのである。


(今年の回顧の話はもう少しあるので、後は後日とさせて頂く)










脅迫で瓦礫処理を中止

2011年12月02日 | 原発事故
何とも憂鬱な話である。

佐賀県の武雄市が、東北地方の被災地の瓦礫処理を受け入れる方針を示したこと

に対して、反対の声が多く寄せられ、中には市民や職員に危害を加えるという

脅迫まであったために、撤回したというのである。(朝日新聞

やり切れなさを感じるのは、「絶対に許し難い脅迫があった」と語る市長自身が

撤回を決めたことである。

これでは脅しに屈するだけである。

立派な脅迫罪である。


しかも抗議の中には「内容が似ていて、組織的な抗議と見受けられるものも

あった」というから、いわゆる”プロ”(政治的な反対派)の可能性も

考えられるだろう。

何しろ抗議の多くは県外からのものというから、大いに疑わしい。


こんな対処の仕方では悪しき前例を残すだけだ。

瓦礫処理を撤回させるためには、彼らは今後も同様の行為を繰り返す

だろうことは誰の目にも明らかだ。

脅迫されたのなら、警察に届け出ればいいではないか。


ここは石原都知事のように、反対派には「黙れ」と言えばいいのだ。

私はこれまで、石原都知事の発言には反対することが多かったが、

受け入れることが出来る地域で処理することには賛成である。

不勉強で詳しいことは分らないが、膨大な量を処理するには役割分担をする

しかないのではないかと思うのだ。


誤解を恐れず敢えて言わせてもらう。

ほんのわずかでも汚染されているものはノーと言う立場の人もいるが、

既に日本の多くの地域は、そんなことを言える場所ではなくなってしまった

のではないだろうか。

(また自然界から浴びている放射線の存在も考慮すべきである)


この程度の瓦礫処理も進まないのなら、被災地の復興など一体いつになる

というのだろう。

私だって東京で処理した焼却灰を東京湾に埋め立てると聞いた時は、

正直言っていい気分はしなかった。

だがこの程度の負担は、さほど目くじらを立てることではないと考え直したのだ。

















ベンチ裏の落合監督

2011年12月01日 | 野球
一昨日のテレビ朝日系列・「報道ステーション」の落合監督へのインタビュー

は、想像以上に面白い内容だった。

インタビュアーが長嶋一茂だったので、当初あまり期待していなかったのだが、

これが実に内容の濃いものだった。

先日のTBS「S-1」のノムさんと落合監督の対談よりもはるかに良い

出来だった。(あの番組は見掛け倒しのことが多く、また時間が短すぎることも

不満だ)


中でも一番驚かされたのは、落合監督が試合の途中(イニングの間)に

頻りに席を外すことについての話だった。

今年は特に頻繁だったので、私はずっと気になっていたのだ。

トイレにしては回数が多すぎるし、薬を飲むにしても頻繁すぎる。


話を聞いて驚いた。

監督はイニング交代の度に頻りに席を立って、監督室に行って気分転換・

ストレス解消を図っていたというのである。

監督室で「あの野郎、あんなボールを打ちやがって・・・」とか独り言を

言って、気分転換をしてまたベンチに戻って、例の無表情な顔で采配を

振るっていたそうだ。

あの冷徹なほどの表情の裏にはそんな努力が隠されていたのか。


そして落合監督がそこまでして冷静を装うのには、訳があった。

それは監督がベンチで感情を剥き出しにしていると、それは当然選手に伝わり

その結果選手は萎縮してしまい、実力を発揮できなくなってしまう。

彼はそのことを怖れたのである。

「過去の中日にそういう政権があった」と落合は言う。

言うまでもなく星野元監督のことである。

現に、星野監督の下で4番打者を務めていた当時の落合が、監督の怒声

を結構気に病んでいたという話は、当時のテレビ中継で聞いたことがあった。


元々落合は大学の野球部を「鉄拳制裁」を嫌って中退した人である。

中日の監督になってからも、コーチに「鉄拳制裁」は絶対禁止にさせたのだ。


ところで星野仙一・現・楽天監督は、鉄拳制裁で知られた人である。

昔流の体育会系体質の持ち主と思われる。

かつて西武のコーチを務めた大久保博元は、選手に対する暴力問題等で

コーチを解任されている人物である。

そして彼は来年から、星野監督の下、楽天のコーチに就任することが決まって

いる。


2008年の北京五輪、野球の日本代表監督を務めた星野は当初「金メダル以外

要らない」と言っていたが、メダルなしに終わった。

帰国後、星野はメディアから散々叩かれて、翌年開催のWBCの監督も

原監督に替わった。

あの五輪では信じられないようなエラーを繰り返す選手も出て、私には選手が

萎縮しているように感じられた。

(北京五輪当時の日本代表チームの内情については、過去に当ブログで

書いたことがあるので、興味のある方はこちらをどうぞ)

厳しい言い方になるが、星野の流儀が破綻していたのは北京五輪で明確に

なったのではないのかと思われる。

結局私には、星野の手法が過去の遺物にしか見えないのだ。




















白鵬の焦りを招いた把瑠都の強烈な突き押し

2011年11月30日 | スポーツ
三日前の話だが、白鵬が把瑠都に敗れて全勝優勝を逃したということは、

まさかのことと思われた。

NHKのテレビ中継を見ていた私はかなり驚いた。

なぜなら、相手が把瑠都だったからだ。

今場所あれだけ弱い把瑠都に白鵬が負けるなんて理解できない!!


白鵬はこれまでにも結構あっさり負けることはあった。

しかし把瑠都戦でのあの負け方は、少し質が違うような感じが私にはした。

結局足を滑らせてバッタリ倒れたのだが、そこには白鵬の焦りがあったように

思われた。

では白鵬は一体何故そんなに焦ったのか。


テレビ解説の舞の海さんが指摘していた。

把瑠都の強烈な突き押しに白鵬の体が一瞬のけぞる。

白鵬はこれで焦ったのではないだろうか。

確かにスローモーションで見ると、把瑠都の突き押しによって白鵬は

かなり後退させられている。

少し大袈裟な表現をすれば「吹っ飛んだ」感すらあった。

白鵬が慌てただろうことは想像に難くない。

そこで前に出て、体勢を挽回しようとして足を滑らせた。

あれは殆ど自滅のようなものだ。


何だよ、把瑠都。君は「やれば出来る子」なんじゃないか。

膝を痛めているようだが、あの迫力には凄まじいものがあった。

大相撲が格闘技であることを改めて見せてもらった。










サッカー・シリア戦・雑感

2011年11月28日 | スポーツ
普段、国際Aマッチも試合によっては見ないこともある私としては、

今日のロンドン五輪アジア最終予選のシリア戦は、見ていて大変スリリングで

実に面白い試合だった。

男子の代表戦でこんなに興奮したのは、昨年のW杯以来だろう。


見ていて退屈な場面が全くない。

常にスリリングだったのは、いわゆる「バイタルエリア」(極めて大雑把に

言うと、相手ゴール近辺のこと)でのプレイが多かったことが

挙げられるだろう。

ボールが中盤で行ったり来たりしていることの多い試合は、私のような

素人には退屈だ。


日本は前半に先制したものの、シリアもなかなか鋭くて手ごわい。

日本はチャンスが度々あったにもかかわらず、得点には到らず。

ついに後半30分に一瞬の隙を衝かれて失点をしてしまう。

でもその後、後半41分に日本が再びゴールを決める。


結局この得点が決勝点になったのだが、今日のレフェリーには

大いに不満があった。

シリア側のファールを取らないシーンが結構目立ったのだ。

それはNHKの解説を務めていた日本代表・前監督の岡田武史氏が、

度々「これはファールだなぁ」と言っていたことにも現れていると思われる。


サッカーでは未だに、こんなに主観に左右される判定を許容しているのだと

思うと、少々嫌気が差す。

そもそも審判がたかが3人(4人目は通常、判定の実務に関わらないで、

選手交代の管理に専念しているようだ)であることに、無理があるように

思われる。

特にオフサイドの判定は試合に重大な影響を及ぼすものだから、厳密な判定が

望まれる。

常識的に考えても、野球の審判に比してサッカーの審判は、常に走り回って

いることから考えても明らかに重労働である。


サッカー界は本気で「ルール遵守」を望むならば、ぜひとも審判員の増員を

図るべきではないのか。

サッカー界にこういう意見はないのだろうか。








東電には放射線飛散の責任はない?

2011年11月27日 | 原発事故
久々に東電の話である。


さすがに驚いた。

「原発から飛び散った放射性物質は、東電の所有物ではない。したがって

東電は除染に責をもたない」

これは福島県内のゴルフ場が、東電に汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に

申し立てた裁判で、東電側が行った主張である。

(朝日新聞 11・11・24 3面「無主物の責任 ①」。記事上でクリックすると拡大表示されます)

「原発から飛び散った放射性物質」が「東電の所有物」かどうかは一旦置く

として、飛散させた責任は一体誰にあるのかと言いたいところだが、

これについても東電は恐らく、「予想不可能な天変地異によるもの」

ということにして、「不可抗力」を主張するのだろう。

要するに人知を超えた災害だったと・・・。


しかし既に明らかにされているように、一部の専門家は大震災の発生する

以前から、その危険性を指摘していた。


話を戻す。

東電はさらにこう主張している。

「所有権を観念し得るとしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に

附合しているはずである。つまり、債務者(東電)が放射性物質を所有して

いるわけではない」

要するに、「飛散した先のことなど知らない」ということなのだろう。

法的にこの理屈をどこまで敷衍できるかは分らないが、極端なことを言えば

賠償には一切応じる必要もなくなってくるのではないか。


ところでこの裁判は10/31に、原告のゴルフ場の訴えが棄却されたそうだ。

しかし(少なくとも私の知る限り)この件はニュースでは取り上げられて

いないように思う。

(仮に小さく報道されたにせよ)本来もっと大きく取り上げられるべき問題

であろう。


この種の問題は一般的に、東京電力という「一法人」のこととして

考えられる傾向があるが、例え法人にしても中で働いているのは

一人一人の個人である。

一人一人の個人が法人という衣を纏うととたんにモラルを失い、無責任になる

というウンザリするような構図。


溜め息が出るばかりである。









浅田真央再び

2011年11月26日 | スポーツ
フィギュアスケートをテレビ中継で見るのは久しぶりな気がする。

技術的なことは私には全く分らないのだが、これまで浅田真央が果敢にも

挑戦して来たトリプルアクセルについて、無理に挑むことはしなくなったという

話は聞いていた。

そのためか、表情にもゆとりが感じられるように思われた。

何よりも演技に優美な感じが漂うようになった。

もうこれで、ひと頃のスランプからは脱却できたと言ってもいいのだろうか。


浅田も今日はミスが多かったが、他の選手も随分ミスが目立った。

この大会自体に緊張感が欠けているように感じられたのはなぜだろう。

やはりキム・ヨナも安藤美姫もいないとそうなってしまうのか。

見ていてもドキドキ感が全くないのだ。

それでも以前のように、不調のどん底で演じる悲痛感漂う演技よりは

はるかにいいけど・・・。


それにしても、いつも思うことだが浅田真央はどうしてこうも人気がある

のだろうか。

特に女性の支持がすごいように感じる。

まぁ、同性の反発を買うタイプでないのは分るが・・・。

さらに性格も素直そうだし言うことなしか。

またスキャンダルも今のところ想像も付かないから、これなら企業も安心して

CMに起用できるというものだ。















解説者・高橋尚子の眼力

2011年11月24日 | 陸上
11/20に行われた横浜国際女子マラソンの録画を見てみた。

見たのは、激しく順位の入れ替えがあった終盤部分のみなのだが、

改めて気付いたこともあってなかなか面白かった。


レース当日の当ブログでは、高橋尚子及び

増田明美の解説に対して「鬱陶しい」「耳障り」と失礼な書き方をしてしまった

が、少なくとも高橋尚子は鋭い指摘をしていたことが初めて分った。


40km付近で尾崎がスパートして木崎が離された場面で、

増田明美が「木崎さんのペースは落ちていない」と言うのに合わせて、

高橋は「木崎さんのフォームは崩れていない」と言っていた。

また、尾崎のスパートについては「尾崎さんは、脚の動きがいつものスパートの

動きではない。キレがない」と尾崎が本調子にないことを看破していたのだ。

そう言われて改めて見ると、確かにそう思われる。

弾むような躍動感に欠けるのを感じる。


さらに、20日ほど前に尾崎の所属する第一生命の山下監督から高橋に電話が

あり、尾崎が貧血状態でレースを回避するかもしれないと言っていたという

貴重な話もしていた。

しかしこれらの大事な話を全て聞き逃していた私とは、一体何なのだろうか。

早い話がただの馬鹿なのだが・・・。














国際千葉駅伝・雑感

2011年11月23日 | 陸上
今日の国際千葉駅伝はなかなか面白いレースだった。


優勝したケニアは男子は圧倒的に強かったが、女子は特に2区、4区が弱かっ

た。


そんなことから、私などはついつい穿った見方をしてしまった。

前半から大差が付いてしまうと興味が薄れるので、テレビ局側が戦力の均衡化を

図るべく、ケニアにはある程度低レベルの選手を入れるようにケニア側に依頼した

のではないかという私の勝手な想像による疑惑。


元々この駅伝は「日本対ケニア」というのが売りの駅伝だったはずだ。

あのキャサリン・ヌデレバ(39歳。五輪で銀2回、世界陸上で金2回・

銀1回獲得した選手。後方から追い上げてくる姿はいかにも不気味だった)が

2度程(?)出た駅伝なのだ。


しかし3区(17歳)と5区(18歳)の男子の若手が異常に速かった。

極端な言い方をすれば、次元の違うスピードだった。

あんな走りをされたら、日本勢では到底追いつけない。


以前、福士加代子がケニアに行き現地で練習参加した時に、

当時専門にしていた5000m、1万mではケニアの選手層が厚すぎて

到底ケニア勢には勝てないと悟って、マラソンへの転向を考えたと

言われている。


なにしろケニアでは、五輪でのレースそのものよりも、国内で五輪代表に

選ばれることの方が難関と言われるほどハイレベルの世界らしい。

(要するに、五輪出場枠を拡大すればケニア勢が独占する可能性がある

ということ。卓球の中国勢のようなもの)


話が逸れてしまった。

レースのことに戻す。

<1区>(5km・男子)

途中から上野が遅れる。

学生選抜の大迫が2番手につけるが、最終的には上野にも抜かれて5位。

1位のケニアの選手はフォームが力強い。


<2区>(5km・女子)

話題の西原加純(ヤマダ電機)の出番だ。

4位で引き継いだ西原は快調に飛ばしトップに躍り出る。

(ケニアの選手が弱かったこともあるがケニアは4位に落ちる)

<3区>(10km・男子)

ケニアの17歳の選手が4位から1位に上がり2位と37秒差をつける。

<4区>(5km・女子)

8秒差の2位でタスキを受けた小林祐梨子は、トップに出て2位に29秒差

をつけて5区に渡す。

<5区>(10km・男子)

ケニアの18歳の選手がハイペースで飛ばして先頭に出る。

解説の高橋尚子、金哲彦ともにオーバーペースを指摘する。

しかし結局、区間新を出して1位に。

<6区・アンカー>(7.195km・女子)

日本は35秒差の2位で引き継ぐ。

5000mの持ちタイムは新谷がケニアの選手を43秒ほど上回っている

らしい。

その点では期待してもいいのかもしれない。

だが新谷は追い上げるも結局19秒差で届かず2位。


結局、区間賞は男子は全てケニア、女子は全て日本代表という

何とも言いようのない結果になった。

結果的には5区でつけられた35秒差が痛かった。


新谷がゴール後に、メンバーに手を合わせて謝っていたのが印象的だった。

また新谷は、報道によるとマラソンへの挑戦は現時点で考えていないようだ。

日刊スポーツ

まぁ、まだ若いのだから焦ることもないだろう。














































誤用される「方法論」という言葉

2011年11月22日 | 言葉
以前からずっと気になっていたことだが、「方法論」という言葉がなぜか

「方法」の代用と化している。

単に「方法」と言えば済むはずなのに、多くの人が「方法論」と言う。

これは一種の”流行語”だからと、半ば諦めては来たが、それでも納得は

いかない。

なぜなら、「方法論」とは「方法」そのものではなく、

「方法を(について)論じること」のはずだからだ。

青臭い言い方になってしまうが、「A」そのものと「A論」とは別個のものだろう。


例えばこういう文章がある。

  「どういう方法論に則って努力すれば・・・」

これは明らかに、

  「どういう方法に則って努力すれば・・・」

という意味で使っている。


ではここで試しに「方法(論)」を「作戦(論)」に変えてみよう。

 ①:「どういう作戦を立てるか」

 ②:「どういう作戦論を立てるか」

「作戦論を立てる」などという言葉は、言うまでもなくありえない。


要するに「方法論」という言葉は、「方法」という言葉の代用となっている

のである。

単に「方法」と言うより「方法論」と言う方が、どこかカッコイイのだろう。

カッコイイ言葉だからからこそ”流行”するのだと思われる。


参考までに書くと、こういうことを気にする人はいないのかとネットで調べた

ところ、お一人いた。(こちら

この方は、「美」と「美学」についても同様の言及をしている。

確かに「美」と「美学」も混用されているが、私はこれについては、

不覚にも明確に意識したことはなかった。

(但し、「美学」という言葉にはある種のいかがわしさを感じてはいた)


またこれは、意味合いが違うことではあるが、「生き様(ざま)」という言葉

も、嫌いな言葉だった。

これも単に「生き方」という言葉で済むはずなのに、

なぜか「生き様(ざま)」という人が中高年を中心に結構いた。

彼らは「生き様(ざま)」と言うことによって、何らかの”存在感”を

込めようとしていたように感じられて、かなり嫌悪感を抱いたものだ。

その当時の辞書には「『死に様(ざま)』からの転用」という説明があった

ものだ。


何をグダグダ言っているのかと思われるだろうが、言葉というのは所詮

「多勢に無勢」の世界だから、(一時的な流行は別として)多数勢力が

優位性を持つことは認めざるを得ない。

始めは例え誤用であっても、圧倒的に多くの人が長く使い続ければ、

それは正規の言葉となるのである。









































女子マラソン・五輪代表を巡って

2011年11月21日 | 陸上
今日は、昨日の横浜国際女子マラソンに関する報道を見て感じたことなどを

書いてみたい。


尾崎好美については、昨日ゴール後の表情をテレビで少し見て、意気消沈して

いるのは見て取れたが、その後泣き続けていたらしい。

毎日新聞によると、

「世界選手権後は思うように走れず、10月下旬には貧血が判明。山下監督から

来年の選考会への変更も提案されたが、自分で選んだ横浜への出場を貫いた。

万全の体調でなく中盤から苦しんだものの、『粘らなかったら走る意味はない』

と、執念で優勝争いを演じた」とのことだ。

今後3月の名古屋の代表選考会には出ないような報道も一部にはあった。

09年の世界陸上の銀メダリストがこんなにも簡単に、五輪代表争いから

脱落してしまうのかと思うと、何やら少々怖い気もする。


その代表争いをするであろう野口みずきは昨日、オランダで15km走に出場

するも、「9キロ付近で左膝が『かくかくし始めた』という。痛みはないもの

のフォームが乱れ、11キロすぎで『止まりかけた』」

サンスポ)というから、こちらも心配だ。


昨日優勝した木崎良子は、一旦尾崎に離された時に今年2月の前回大会で

(昨年11月から今年2月に移行した為、今年は年2回の変則開催)

ダイハツの後輩・中里麗美が尾崎に一気に引き離されたことを思い出して、

絶対について行こうと思ったようだ。


そしてその後追いついた際に、尾崎の息遣いを見て結構苦しそうだと判断

して、一気に突き放しに掛かったらしい。

この辺の駆け引きもなかなか面白いものがある。


11/3の東日本実業団女子駅伝、11/13の東北女子駅伝とラストのデッドヒート

を堪能させてもらったが、昨日の横浜女子マラソンも実にスリリングな

ものだった。


ところで私が密かに応援する中里麗美は、昨日の木崎の優勝により、

さらにモチベーションが高まったことだろう。

二人には、ダイハツの選手らしく「TNP」で行ってもらいたい。

 「T」= 互いに

 「N」= 仲良く

オリン「P」=ピック








終戦(日本シリーズ⑦)

2011年11月20日 | 野球
日本シリーズが終わった。

今日は完敗である。

とにかく打てないのは今日も変わらず。

その上ミスも出たから勝つのはむつかしい。


<4回裏>

2死1・2塁の場面で打者・山崎がライト前に浅いヒット。

2塁走者が足の状態の良くない松中だけに何とかなると思われたが、

ライト・藤井の返球は3塁側に逸れて1点追加されて0-2。

あれくらいはアウトに出来ないようでは、弱肩と言われてもしかたないだろう。


<5回表>

先頭の平田がラッキーな内野安打で塁に出る。

打者・藤井の時に平田がなぜか塁を飛び出してしまいアウトになる。

エンドランのサインミスと思われたが、追加点を取られたすぐあとの攻撃で

ラッキーなヒットで出塁して流れを引き寄せるチャンスだっただけに

痛いミスだった。


<9回表>

先頭の井端の打球が投手・ファルケンボーグの右ひじを直撃して、

投手は森福に交代。

2死後、打者・和田のところで投手は摂津に交代。

和田が三振で今シーズン終了。


今シーズンを象徴するような貧打による負けだった。

でも冷静に考えれば、シリーズ前には0勝4敗か1勝4敗だと思っていた

のだから、よくやったほうだと思う。

何しろ12球団で最低の打率のチームなのだから、日本シリーズに出て

3勝したことのほうが不思議と言うべきだろう。


とにかく異色のチームであったことは間違いない。

そして中日ファンは、異色ゆえの面白さを十分味わわせてもらったのだから、

今日で退任となる落合監督には感謝すべきだ。

あと1勝で胴上げが出来たはずなのに、その点が悔やまれる。










木崎良子悲願の優勝(横浜国際女子マラソン)

2011年11月20日 | 陸上
今日行われた横浜国際女子マラソンで、木崎良子(ダイハツ)がまさかの優勝を

成し遂げた。

私は佛教大学時代から彼女を応援して来たので、いささか感慨深いものがある。

ケガなどに悩まされて一時は引退も考えたこともあったという。

昨年の大阪国際女子マラソン以降、殆ど見なくなったので心配していた。

だが、7月の士別ハーフマラソンの10kmの部で1位になったようなので、

復調して来たのかなとも思っていた。

実際、直前の記者会見でも好調なようだった(「寺田的陸上競技WEB 」の11月19日の最上部の項目)

またダイハツの後輩にあたる中里麗美が、夏の世界陸上のマラソンに出場した

ことが大きな刺激を彼女に与えたようだ。

レース後のインタビューで「両親をロンドンに連れて行ってやりたい」と

語っていたが、こういう発言を聞くのは珍しいことだ。

彼女のお父さんは学生時代に4年連続箱根駅伝のランナーだったそうで、

スランプの時にもアドバイスをもらっていたようだ。

そういう意味では家族ぐるみで勝ち取った勝利なのかもしれない。

また実業団駅伝が行われたこの時期に、駅伝を回避してマラソンに専念させて

もらったダイハツの同僚への感謝の言葉も、聞いていて清々しいものがあった。



レースについて簡単に触れておく。

第一折り返し地点でペースメーカーがなんとコースを間違えそうになり、

尾崎も少しコースから逸れてしまう。

(テレビでは解説の増田明美と高橋尚子が、尾崎がコースから逸れて

沿道に近づいたことについて、近くに第一生命の山下監督がいてその指示を

聞こうとしたのか、何かを受け取ろうとしたのではないか、と言っていたが、

そんなことが果たしてあるのだろうか。)

結局このアクシデントをきっかけに、木崎が先頭に出る。


<19km付近>

当初3人いたペースメーカーだが、残っていた1人も離脱してついに無し

になってしまう。(本来なら25kmまで)

<20km付近>

これまで姿が見えなかったマーラ・ヤマウチ(英国)が先頭集団にじわじわ

迫って来る。

<22~23km付近>

尾崎が先頭に出る。

マーラが先頭集団に追い付く。

マーラは、以前の前後にあおる様な独特のフォームを随分変えて"普通”に

なっていて驚いた。

<25km付近>

2番手に付けている永尾が、当初から表情を変えずに走っていて

何となく不気味な感じがした。

<31km付近>

永尾がサングラスを外してペースを上げて先頭に立つ。

<32km手前>

マーラが先頭に出る。

永尾は遅れ始める。

沿道でユニバーサルの小出監督が永尾に声を掛ける。

<39km付近>

尾崎は口を大きく開けて苦しそう。

マーラが大きく遅れ始める。

<40km付近>

尾崎が俄然スパートする。

木崎を一気に離す。

(インタビューで木崎は、「一時は諦めかかったが、ラスト100mまでは

絶対に諦めないと気持ちを切り替えた」と言っていた)

そしてまもなくその差は縮まり始める。

<41.6km地点>

木崎が尾崎を抜きに掛かり、一気に引き離す。

そしてゴール。

2時間26分32秒。

この時期にしては気温が24℃と高かったこと、さらに19km付近での

ペースメーカーの完全離脱などで条件は良くなかったと思われる。

尾崎との差は17秒。

尾崎には、世界陸上の惨敗に続く辛い結果となってしまった。

解説の増田明美によると、尾崎は山下監督から「あなたを指導するのは

横浜までだから」と言われて泣いたそうだ。

これはもちろん、尾崎に発破を掛けたのだが、40kmでスパートした時点で

一気に引き離せなかったのは、世界陸上の疲れがまだ残っていた可能性も

あるのかもしれない。


これでロンドン五輪の女子マラソン代表争いは益々混沌として来た。

何しろまだ福士と野口が控えているのだ。


最後に、今日のテレビ解説について一言。

増田明美と高橋尚子の二人解説は、さすがに鬱陶しく感じることがあった。

増田がなにかしゃべると、高橋が負けじと語り出すのは少々耳障りだ。

また増田明美に関しては、選手の個人情報を話すのは程々にしないと、

今日のように「恋人が・・・」と言うのは週刊誌並みの暴露に等しいもので

聞いていて耳を疑ったものだ。





























快勝(日本シリーズ⑥)

2011年11月19日 | 野球
これで3勝3敗のタイに持ち込んだ。

吉見は第2戦の時とは別人のような素晴らしい出来だった。

8奪三振。


今日は1回表の先制攻撃が何と言っても効果的だった。

王手を掛けられている状態で、もし相手に先制されたらソフトバンクに

優勝ムードが一気に高まってしまうはずだった。

それを回避できたことが勝因だと思う。


また8回裏に先頭の多村にヒットを打たれた場面は最大のピンチだったが、

長谷川が送りバントに失敗して小フライになり、ダブルプレーが取れたことは

非常に大きかった。

この後代打・カブレラにヒットを打たれたところで、吉見から岩瀬に

投手交替。

代走・福田が盗塁を試みるがアウトでチェンジ。

9回裏は川崎・本多と左が続くので岩瀬が続投。

簡単に2アウトを取って、右の内川の場面で浅尾を投入。

難なくファールフライに討ち取って試合終了。


いよいよ明日の第7戦を残すのみ。

そう言えば第2戦が終わった時点で、江川がテレビで「第7戦まである」

と「大予言」していたなぁ。


ところで明日は山井の先発だろうから、彼の勝負魂に賭けるしかない。

最初から飛ばせるだけ飛ばして行って、後は総動員体制で勝ちに行くべきだ。

今から考えただけでも明日は大変だな。