パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「自然法主義」と「実定法主義」(そうなのか、、)

2018年08月11日 07時20分58秒 | あれこれ考えること

窓を開け、扇風機をつけて、誰も見ていないのでランニング姿で
パソコンに向かっていても、じんわりと汗が滲んでくる
ということで、チャチャッと気になることの投稿を済まそうと思うが、、

なんだ、そういうことなのか、、と思うことがある
以前から「法に違反していません、、」の一言で、気持ちがすっきりしいまま
一応の解決をされるようなことが、市でも国でも頻発していた
「法には違反していないかもしれないが、、おかしいじゃないか」
自然に湧き上がるこの感情、法に違反していなくても倫理に照らし合わせると
なにかおかしい、、でも、、それ以上は物を言えない、、この状態のイライラ
希望的には倫理が法よりも優先されるような世界であれば、
そしてその捉え方が世間一般に共有されていれば良いのだが、、と思うしかないないと思っていた

ところが、つい最近読んだ「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」の中に
これに関するなかなか興味深い部分を見つけた
法の分野では「実定法主義」と「自然法主義」というのがあるらしい
実定法主義というのは明文化されたルールだけを判断の根拠として、判断の正当性までは踏み込まないというもの
一見、問題はなさそうと思えるが、社会変化が激しいこの世の中でルールが新たに明文化されるまでには
タイムラグが存在し、その間に「法に違反していないかもしれないが、なにか変」という状態が起きうる
一方自然法主義というのは、自然や人間の本姓に合致するかどうか、その決定が「真善美」に則るものかどうかを
重んじる考え方(多分倫理もこの中に含まれる)
そのどちらが優れているかとなるが、19世紀までは人為的に制定された実定法は、自然と人間の本姓から
アプリオリ(経験に先立って)に規定される自然法の下に位置づけられるというのが西欧における一般的な通念でしたとある
(日本では一般通念として認識されていたか?)

少し乱暴な言い方をすれば、入試で考えると自然法主義は一次試験、実定法主義は二次試験のようなもので
一次が通らなければ二次まで進めないということになるのだが、どうも最近のこの国に蔓延する雰囲気は
一次試験が通っていないのに二次試験がどうのこうの、、と言ってる雰囲気がある

ところで、この本には実定法主義として明文化される前の状態で、やり手の人物が起こしそうな出来事を取り上げている
1.シロ=合法的、クロ=違法の間に横たわるグレーゾーンで荒稼ぎするビジネスモデルを考案する
2.そのうち最初は限りなくシロに近い領域だったのが、利益を追求するうちに限りなくクロに近い領域にドリフトしていく
3.やがて、モラル上の問題をマスコミ・社会から指摘されると「叱られたので止めます」と謝罪して事業の修正を・厚生を図る

どこかでよく見かける出来事のように思えてしまう
多少ニュアンスが違うかもしれないがピケティも経済的に成功した人については
努力した人、運が良かった人にもう一つ、シロクロの境を歩いた人、、みたいなことを述べている

この真善美に由来する「自然法主義」が上位とか、これを用いることが必要とするのは
最終的にはその方が効率が良い、大局的に見て一本筋が通っているのは大きな意味で効率が良いからだとされる
これはゲームの理論での結論と似ているのかもしれない
つまりみんなが利益があるように考えるほうが、世の中にとって得になるということ
サピエンス全史でも、こうした考え方をするように脳が大きくなって進化して、今に至ってるというように、、

しかし、問題は現在の日本(大きく出たな)とか市で、この一種利他的な、自然発生的に生まれる素朴な倫理とか正義とか、、
そういう感情が、人為的に作られその分解釈に苦労するような法に違反していないからと開き直っている人たちに負けてしまっているという実態
だからこそ、イライラが募るばかりとなる

エリートがなぜ「美意識」を鍛えるか、、この問題に関してこの本は「それは犯罪を侵さないためだ」と端的に述べている
ここでのエリートとはオルテガの言うような自分の内部の声、基準に従って生きる人ではなく、一般社会通念上エリートとみなされる
人々のことで、彼らは重要な判断を下したり、影響を与えることになる人物のこと

つまりは、判断を間違えないためには「美意識」あるいは「真善美」の意識が必要ということ
でも、これは大げさに、また分析的に改めて言わなくても、一般人はなんとなく、、感じていること
一般人のなんとなく、、という感覚は、案外正しいぞ、、ということ
(もっとも、全然信用できない場合があるのも否定出来ないけど、、)

ということで、ここまで要した時間は約一時間ちかく、、結局いつものごとくよくまとまらなかったが
こうして表に出して多少スッキリした気分になれた(?)

それにしても、今年の夏は暑い
もう勘弁してくれ、、、頼むから、、

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする