何とまあ、17年目なのだそうだ。
びわ湖で無人ソーラーボート大会を開催した年の数だ。
2平方メートルの太陽光電池を駆動源として、GPSとジャイロコンパスを使って無人ボートを走らす。
この競技会を思いついたのは、私がまだ琵琶湖研究所にいた頃だ。
ここ2年間は、立命館大学を中心とした遊湖の会が優勝している。
当然、今回も大本命だ。
学生たちも大いに盛り上がっている。
今日は、天気予報では雨だと言っていた。
しかし、秋雨前線の裏側となった知内浜は、時折薄日がさす天気となっていた。
「できる、できる」
遠くからの参加者を迎えて、私たちは大いにやる気になっていた。
なんと言っても東大チームには、今回、スウェーデン工科大学のメンバーが助っ人として参加していた。
負けるわけには行かない。
立命館大学チームも、過去最多の14名が参加している。
2番手の出艇だったが、トラブルが発生した。
ラダーサーボが壊れたのだ。
学生たちが大急ぎで交換する。
10時20分出発のはずが、すでに11時近くとなっていた。
でも、それからのチームワークがすごかった。
修理が終わった。
湖面に浮かべたクルーレスソーラーボートが音もなく滑走していく。
雨上がりの曇り空のせいで、速度は快晴時の4割くらいだろうか。
懸命に、先行するボートを追いかける。
結局、3時間の制限速度では完走することが出来なかった。
ただ東大のボートがリタイアしたおかげで、本日は暫定一位となった。
やったね。
明日は、ミスのないようにしたいものだ。
今回は、伴走船に魚探を取り付けた。
先月モンゴルに持参したものと同じ機械だ。
ほとんど魚がいない。
見た目の判断だが、魚の数はフブスグル湖の10の1もいないのではないだろうか。
びわ湖から魚が消える日が近づいているのかもしれない。
皆が他人のせいにすることが大好きな日本人に、本当にびわ湖を守ろうとする気持ちがあるのだろうか。
うれしい気持ちと、悲しい気持ちが混じりあった今日の競技会だった。
明日は、よい日でありますように。
思わず祈りたくなるような気分で宿へと向かった。