Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

知的信用(7)

2023年09月07日 06時30分00秒 | Weblog

 「豊かな家庭に育っても、知的な信用が入っていない」エリート大学生が大量に出現してしまうのは、中等教育に問題があるためと考えられる(知的信用)。
 こうした観点からすると、中高一貫校の中には、教育体制(校風?)に問題のあるところがチラホラあるようだ。
 問題というのは、要するに「集団思考」・「集団志向」である。
 しかも、この現象が、甲子園と霞が関・永田町とで同時に見られるというのは興味深い。
 ところで、歴史的に見て、集団への帰属原理として最も強力なのは「血と土」(血縁とテリトリー)だった。
 なので、かつての甲子園大会では、観客や視聴者の多くが「我が郷土の代表」を応援してきたわけである。
 ところが、今や「血と土」のパワーは、血縁・地縁共同体の崩壊によって、かつてないほどにまで弱まっている(と思う)。
 もちろん、これに代替するものとして、昭和30年代から「カイシャ」が台頭してきた(なので、「モーレツ社員」が激増した)。
 だが、近年では、「カイシャ」に帰属意識を持つ若者は減っている。
 それもそのはず、正社員になれるのは一部の人たちだけなのだ。
 そうした中で、エリート階層への参入を保証してくれる、(ごく一部の)学校は、かつての「血と土」に代わるものとしてのパワーを見せつけているようだ。
 もっとも、上で指摘したように、これが「知的信用」の欠乏を招いている可能性もあるわけだ。
 最も懸念すべきは、「多数を以てしても圧服できない個人の尊厳という考え方」(丸山先生の錯覚?)がおよそ理解出来ない思考に支配されてしまうことである。
 のみならず、この種のメンタリティが蔓延している状況では、(ある作家が至上の価値として掲げた)「われわれの愛する歴史と伝統の国、日本 」が現前化する可能性はゼロである。
 なぜなら、彼ら/彼女らにとって最も重要な帰属集団は、「日本」ではないからである。
コメント
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