そらいろの日々

育児とミステリ

熱氷

2005-05-16 | 読書記録
『熱氷』五條瑛

カナダで“氷山ハンター”の仕事をしている石澤恒星は、姉の自殺を機に10年ぶりに日本へ戻ることになった。同じ頃、新聞社に届けられた「ポセイドン」と名乗る人物からの怪文書。そして石澤は、ポセイドンの仕掛けるテロ計画に巻き込まれることになる。姉は本当に自殺なのか?ポセイドンの本当の目的は?捕らわれた甥を助けるため、ポセイドンの計画に手を貸さざるをえなくなった石澤の前に、やがて一つの残酷な真実が現れるが…。

石澤さんグループ、ポセイドン(本物)、偽ポセイドン、記者たち、政治家グループ、暴力団…と複雑に入り組んだ関係図が、ラストに向かうにつれてきれいに解きほぐされていく様は、毎度のことながらお見事!としか言いようがありません。ある種快感です。すごいや五條先生!もうなんか怪しい人だらけで、誰が真犯人か、最後の方までわからなかったです。(つうか、だいたいほとんどの人は疑ってた…)
ただ、どうも真犯人像の描かれ方が中途半端のような印象も受けました。「意外な真犯人・結末」効果を狙ってのことだと思うんですけど。「(真犯人は)そんなに切羽詰まってたの!?」みたいな。正体がばれるまで、その人の描写が淡々としてたからかなあ。
全部読み終わった後ふっとタイトル見て、すごい納得!そうだよね!石澤さんは、「氷山しか撃たない」んだよね!!
 

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