そらいろの日々

育児とミステリ

7月・8月に読んだ本

2016-09-27 | 読書記録
『暗闇・キッス・それだけで』森博嗣
『カクテル・カルテット』小手鞠るい
『オルゴーリェンヌ』北山武邦
『迷路の花嫁』横溝正史
『人面瘡』横溝正史
『迷路荘の惨劇』横溝正史


もう9月も終わろうとしているけど、夏に読んだ本。
なんやかやあって、あまり読めなかった…

『オルゴーリェンヌ』
『少年検閲官』の続編。
とても残酷でとても美しい解でした。
最後の一文読んで泣いてしまった…
記述者たるクリスは彼にとっての悲しい真実もすべて見届けて、受け止めて、己の糧としていくんだろうな
探偵も尊いけど助手(語り手)も尊いのだ…



3月4月に読んだ本

2016-05-03 | 読書記録
『斜め屋敷の犯罪』島田荘司
『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』石持浅海
『ハサミ男』殊能将之
『十角館の殺人』綾辻行人(再読)
『三つの棺』ジョン・ディクスン・カー
『体育館の殺人』青崎有吾
『「瑠璃城」殺人事件』北山猛邦
『水車館の殺人』綾辻行人(再読)
『雪密室』法月綸太郎
『踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿』北山猛邦
『死神の座』高木彬光
『人形館の殺人』綾辻行人(再読)
『四季彩のサロメまたは背徳の省察』森晶麿
『悪魔の嘲笑』高木彬光
『迷路館の殺人』綾辻行人(再読)


『ハサミ男』、なんかグロそう…と思って手を出しづらかったんですが、読んでみたら本当に面白かった。
視点人物のハサミ男が殺人鬼ということで全然感情移入はできないんだけど、
読んでるうちにどんどんハサミ男に肩入れするようになってきちゃって、
でも時々あーそう言えばこの人殺人鬼だったー!って思い出してゾワッとして、
でもなんだかんだで頑張れ…!って思ってるうちに怒濤のどんでん返しそしてラスト、みたいな。


10数年前に一度読んだきりの館シリーズを久し振りに読み進めてるけど、私これほんとに読んだことあるのかな…
読んでも読んでも全く記憶にない…
いやでも昔つけてた読書記録のノートに書いてあるから、読んだのは確実なんだ…
ほんともう自分のトリ頭が嫌になるんだけど、めちゃくちゃ面白かったという記憶だけがあって、
ストーリーもトリックや犯人も忘れてもう一度まっさらな状態で楽しめるの最高では!?と思うことにしてます…
あ、でも人形館のオチがぼんやりとわかったので(覚えていたというわけではない)記憶の奥底には何かしら残ってるのかな…?





青いエチュード・怖い絵

2016-03-31 | 読書記録
『青いエチュード』鮎川哲也
短編集。
「白昼の悪魔」最後まで読んだときにタイトル見てぞくりとしました。本当の悪魔は誰かっていう。
「黄色い悪魔」の密室トリックも好き。
「青いエチュード」
この、犯人が犯した一つの過ちを、確実に突く感じがたまらなく好き…探偵…すてき…

有栖川先生の『英国庭園の謎』の後書きで「五つの時計」について言及されていて、ずっと読みたいと思っていたのですがようやく読めた。
とてもおもしろかった…
謎が解けてしまえばなんてことないのだけど、時計のからくりがひとつひとつ暴かれていく過程が、目からうろこがぼろぼろ落ちていく感じで楽しかったです。


『怖い絵』中野京子
「我が子を喰らうサトゥルヌス」とか「メデューズ号の筏」とか、見るからに怖い絵よりも、一見全く怖くない絵の方が解説は怖かった…
ドガやコレッジョとか。
いや「我が子を~」は小さい頃家にあった美術の本で見てトラウマになったほど怖い絵だけど…
絵の背景を知ることによって、画面からはわからない怖さがじわじわと伝わるのが面白かったです。
クノップフの「見捨てられた街」は、解説読まなくてもなんか見れば見るほど不気味だな…







1月2月に読んだ本

2016-02-29 | 読書記録
『黒死荘の殺人』カーター・ディクスン
『ジグβは神ですか』森博嗣
『緋色の研究』アーサー・コナン・ドイル
『朱色の研究』有栖川有栖(再読)
『スイス時計の謎』有栖川有栖
『街の灯』北村薫
『イナイ×イナイ』森博嗣
『満願』米澤穂信
『バスカヴィル家の犬』アーサー・コナン・ドイル
『霧越邸殺人事件』綾辻行人(再読)
『キウイγは時計仕掛け』森博嗣
『テニスコートの殺人』ジョン・ディクスン・カー
『ネジ式ザゼツキー』島田荘司
『シャーロック・ホームズの冒険』アーサー・コナン・ドイル

ミステリしか読んでないな!

ミステリ好きと自称していながら実はホームズを読んだことがなくて、今さらながら読み始めました。
ホームズ泥の種類にめちゃくちゃ詳しくて笑える…
ワトソン君がすごい優秀でびっくりした。


綾辻行人と島田荘司を久しぶりに読んだのですが、やっぱりめちゃくちゃおもしろい。
館シリーズ読み返していきたいな。どこまで読んだっけ…


『満願』短編集なのですが、どの話も最高に後味悪くて最高に面白かったです。
後味悪い話って苦手なんだけど、本当に面白くて面白くて。
これまで味わったことない読後感でした。


あと少しで有栖川ドラマ終わっちゃうの寂しいな~
この先オリジナル要素かなり入ってきそうなの、だいぶ不安ではあるけど…
ドラマはドラマですごく楽しんでいるのですが、見れば見るほどやっぱり原作至高!!!ってなります。
ダリの繭の切なさとか…朱色の研究の美しさとか…小説ならではの繊細な表現がやっぱり愛しいんだよ~
ドラマを見てはまってくれた人が、一人でもいいから原作も好きになってくれたらいいなあ。

今年読んだ本

2015-12-29 | 読書記録
その他、今年読んだ本タイトルだけ。

『妃は船を沈める』有栖川有栖
『金平糖の降るところ』江國香織
『アイルランドの薔薇』石持浅海(再読)
『自分の体を好きになりたい』銀色夏生
『ダリの繭』有栖川有栖(再読)
『海のある奈良に死す』有栖川有栖(再読)
『孤島パズル』有栖川有栖(再読)
『双頭の悪魔』有栖川有栖(再読)
『私的詩的ジャック』森博嗣(再読)
『緑金書房午睡譚』篠田真由美
『メロディ・フェア』宮下奈都
『運動の半年』銀色夏生
『鍵の掛かった男』有栖川有栖
『赤い鳥は館に帰る』有栖川有栖
『月と菓子パン』石田千
『和時計の館の殺人』芦辺拓
『神楽坂謎ばなし』愛川晶
『目薬αで殺菌します』森博嗣
『ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人』今野敏


『鍵の掛かった男』は、出戻ってから初めて出る本、しかも火村シリーズの長編書き下ろしは13年(12年?)ぶりということで、張り切って発売日当日に買いにいきました。
めちゃくちゃ期待してたんですけど、もうそんなの軽々と越えてっちゃった感じで、すごーく、すごーく、おもしろかったです…!
小説家であるアリスが活躍してるからこその面白さだなあ。
人一人の人生の謎。
アリスが、梨田氏の幻と対話するシーン好き…小説家の本領発揮…!
でもきちんとミステリらしい謎(=火村の活躍)もあって、本当にお腹いっぱいです。
影浦先生すごいおいしすぎて~~ぐあ~~!!
「あなた、人嫌いね?」と言われたことに対してアリスが匕首を胸許に突きつけられた気がした、って表現したのふああああ~~おいしい~~!!
人が良さそうで、でも実は人嫌いで、皮肉屋で、でも優しいアリスが大好きなんだよおおぅ…!


去年「すべてがFになる」のドラマにはまってミステリ熱再燃して、
今年の頭に『高原のフーダニット』読んで有栖川再燃して、
たくさんのミステリ読めてほんとに楽しい1年だったなあ。
出戻ってきたとたんに御手洗シリーズやVシリーズがドラマ化したり、
まさかの有栖川もドラマ化情報出たり、いろんな意味で忙しくもあったな。
とりあえず今は、不安もありつつドラマ全力で待機中です…!
ドラマ、楽しめますように~!
来年も楽しい本たくさん読めたらいいなあ!


女王国の城

2015-12-23 | 読書記録
『女王国の城』有栖川有栖
やややっと読めたー!
久しぶりの江神さんにドキドキしすぎて、もったいなくて読み進められなかったんですが…
今年中には読もうと決意して、ようやく読み終わりました。
良かった…ちょう面白かった…
EMCほんとかわいい~!大好き~!っていうキャラ萌えの点でも、犯人当ての点でもおもしろかったです。
純粋にロジックのみで導き出される犯人…はあ~美しい~探偵最高~(*´∀`)

事件後、協会が頑なに警察を呼ぶのを拒んだり城を脱出したマリア達をどんどん追い込んでいったりで、一体裏でどんな邪悪な企みが…と思わせといて、あーそっちかー!っていうの楽しかった。
得体の知れない薄気味悪さが、きちんと納得できるものに消化されたスッキリ感。
皆が城を脱出しようとするシーンは本当にドキドキワクワクしました。
私、小説でもドラマとかでも、手に汗握るような緊迫したシーンって苦手なんだけど、この作品ではもうひたすらワクワクしてた。
EMC最高すぎか~~~!
信長さんが正面突破するのもモチさんがちょっと小技を使うのもらしすぎて~~~!
信長さん決めゼリフかっこいい~~~!

アリス視点とマリア視点が交互なのいいなと思いました。
マリアがたまに鋭い考察見せるのたまらん…
江神さんが犯人を指摘した時に「我が身を切って犯人を射た」って表現したの、本当にその通りすぎて泣きそうになるし、マリアの江神さんへの優しさというか労りというか、辛い役割を果たした探偵に対して大丈夫だよ全部わかってるよって包み込むような慈愛が感じられる気がしてなあ…(涙)
江神さんが皆に愛されてるの最高…
そしてアリマリはかわいい…


次は『江神二郎の洞察』だな~~楽しみ~~!!
『月光ゲーム』まだ読み返せてないから、来年こそ読み返したいな。
あと学生編はほんとアレだな…これを作家アリスが書いてるのかと思うと、萌え死ぬな…




まんまこと

2015-12-15 | 読書記録
『まんまこと』畠中恵
名主って初めて知ったなあ…差配や岡っ引きは聞いたことあるけど。
名主の跡取り・麻之助が遭遇する様々な事件を裁定していく話。おもしろかった~
麻之助の采配がきちんときれいなところに着地してるのが気持ち良かったです。
いい後味。

主人公の麻之助が好みすぎて~~~
なんかこう、普段はのらりくらりしてるのに実は心に屈託があるところとか(この辺の好みは、作家アリスに通じるな…)実はケンカ強いところとか。
ラストのさああ!手に触れようとするシーンとかさあああ!
ドキドキしすぎてつらかった…あの幕切れすごい好き…




蝋人形館の殺人

2015-12-13 | 読書記録
『蝋人形館の殺人』ジョン・ディクスン・カー
蝋人形館という舞台が犯人にもたらす効果がなんとも怪奇的でぞわぞわ…
映像で見てみたい。
最初の死体発見のシーンなんてすごいゾクゾクするよな…音の効果すごい。

蝋人形に抱かれた死体は退廃的で耽美なイメージなのに、
死体をわざわざ蝋人形館に運んだ理由がわりと即物的というかやむにやまれぬ理由だったのがおもしろいなあ。
最後、バンコランが何をやらかすのかと思いました。そんなキャラなの…?


夜歩く・明治妖モダン

2015-11-30 | 読書記録
『夜歩く』横溝正史
美しいヒロインに怪しい一族に凄惨な死体に…これぞ!という感じで楽しかったです。
最後の真相にしてやられた感。
その手があったかー!みたいな。



『明治・妖モダン』畠中恵
ガス燈ともる明治の世に、江戸の時代から密かに息づいてきた妖しい者たちのお話。
『しゃばけ』シリーズみたいなほのぼの?系なのかな~と思っていたけど、なかなか闇が深かった。
「妖新聞」とか切なすぎてな…
事件後原田さんがどんな気持ちで家族と接するのか、とか滝さんの気持ちとか考えると泣いちゃう…
あと「花乃が死ぬまで」の滝さんはかっこ良すぎてこれまた泣ける。
この間本屋に行ったら続きが出てたんで、また読みたいなあ。


著者 : 横溝正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 1973-03-01


著者 : 畠中恵
朝日新聞出版
発売日 : 2013-09-06

八月の魔法使い・リラ荘殺人事件・鏡の中は日曜日

2015-11-30 | 読書記録
『八月の魔法使い』石持浅海
とある会議で間違って映し出された存在しないはずの事故報告書の表紙…を発端に会議室と総務部で起こる諸々を描いた話。
もーすごいおもしろくて、ほぼ一気に読みました。
仮説を一つ一つ検証して潰していって、最終的に導き出される結論はこれしかない、って詰めていくの、石持さんっぽいな~と思います。
本当、会議室のシーンも総務部のシーンも緊迫感があってドキドキしっぱなしでした。
小林主任、あんなその場その場で仮説出して検証して、社内での立場も考えて…ってすごいな…

あと、私は石持さんの『アイルランドの薔薇』が大っっ好きなんですが、松本係長の飄々としてるけど実は切れ者、っていう感じがちょっとフジっぽいな~と思って嬉しかったです。
フジ大好き…!



『リラ荘殺人事件』鮎川哲也
犯行現場に置かれたトランプとか、どうやって被害者に毒を飲ませたのかとか、謎の数字とか、様々な謎が最後で一気に解かれるの楽しい~!
しかし犯人は殺しすぎだな…
犯人に関しては、ああ~ここ!ここで引っかけられたなあ~という箇所があって…
もっと疑ってかかれば良かった~!とちょっと悔しかったです。



『鏡の中は日曜日』殊能将之
じょ…じょじゅつトリック楽しい…!
全部読んでからまた最初から読むと、なんとも切ないというかなんというか…
ああ~この手のかけ方というか愛情のかけ方は○○じゃなくて××だよなあ~(ネタバレ)としみじみ思って切ない。