そらいろの日々

育児とミステリ

流れ星が消えないうちに

2007-03-18 | 読書記録
『流れ星が消えないうちに』橋本紡

高校時代から付き合っていた恋人・加地君が自分の知らない女の子と旅先の事故で死んでから、1年半。奈緒子は、加地の親友だった巧と新しい恋をし、ようやく「日常」を取り戻しつつあった。ただひとつ、玄関でしか眠れなくなってしまったことを除いては――。深い悲しみの後に訪れる静かな愛と赦しの物語。

「恋人が死んだ」とかそういう話には、絶対泣くもんかー!感動なんかしてやるもんかー!と頑なな態度で臨むのですが、やっぱり泣いてしまいました。単純だからね!私!



奈緒子も巧君も、お互いがお互いのことを大切に思っているのに、素直に幸せになることができないのね。じれったい。そんだけ加地君が大きすぎて深すぎたんだね(なにあのロマンチックな告白!わたしもそんなのされたい!)
そんないったい何歳なの!と思わずつっこみたくなるほど悟りきっちゃった加地君が、巧と仲良くなったきっかけのエピソードで、飾りを仕上げて得意げに笑ったり女の子の胸はAカップがいいかBカップがいいか熱く語ったりしてる、そのギャップにすごいキュンときます。この作者さんは、胸キュンポイントをちゃんとわかっていらっしゃる!(拳)
そう…私、この橋本紡さんの本初めて読んでみて、名前からして男性かな~と思っていたのですが、なんか文の感じとか登場人物の描き方とか、なんとなく女性っぽい感じがします。どっちなんだろ?

あと、このお話は、家族の物語でもあると思います。
「家族だから」…この一言は、どうしようもなく時に残酷で、時に優しい。
奈緒子の家族。巧君の家族。巧君と、奈緒子の家族。
何でも言い合えて、ぶつかっていけて、分かり合える彼らがうらやましい。


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