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王様の「秘密の参謀本部」

田端到&ビンゴ本郷の実験創作プロジェクト

来年がんばれ広島カープ

2012-09-20 12:33:15 | 野球
 広島との直接対決に3連勝。ヤクルトスワローズのCS進出がほぼ決定いたしました。めでたいんだけど、何やってるんだかなあ、カープは。

 今年はわれらヤクルトファンの中にも「もう今年は広島3位でいいよ。こっちはケガ人だらけでどうにもならないし、広島がクライマックスシリーズに出たほうが前田健太と野村の二本柱で波乱の目になりそうだから面白い」という意見が少なくなかったのに……。自分から負けるほう、負けるほうへ転ぶんだもの。

 昨日もせっかく初登板の若い投手がいいピッチングして、どうぞ勝って下さいという流れだったのに、代えるべきところで投手を代えず、あげくに危険球1発退場で、そこから逆転負け。
 中崎は6回でヘロヘロだったのに、どうして7回に投げさせたかね。めったに予言の当たらない解説の達川さんでさえ、もう代えてやらないと良くないことが起こりますよって言ってたくらいなのに。

 根本的に、監督の能力というか、センスに問題があるとしか思えない。
 駒澤大学出身者は根性論でずっと野球をやってきているから監督に向かないって、誰か言ってたけど、なるほど頷ける。

 打つほうもひどいな。みんな全員ばらばらで、好き勝手に打っている。何も考えてない。
 堂林が何も考えてないのはキャラ的に仕方ないとしても(このまま大きく育ててあげてください)、ほかの打者もたぶん丸以外は何も考えてない。

 その点、ヤクルトは意思が統一されていて、今日のミコライオはまっすぐが甘いぞと見れば、徹底して全員右狙いで、ライト前、ライト前、ライト前の連打。広島打線にはそういうチームとしての意思がまるで感じられない。巨人じゃないんだから、全員ばらばらに打ってどうする。

 そもそも、なぜ3位のかかった直接対決3連戦にマエケンもノムラも出てこないのかという、そこから間違っていると思う。ローテーションをズラしてでもぶつけてこいよ。オレはどっちのファンなんだ。せっかくあんなにいい投手をたくさん持っているのに歯がゆくて仕方ない。今年CSに出ないで、いつ出るんだ。

 広島カープよ、勝つ気ないなら今村ちょうだい。違うか。マエケンがアメリカへ行ってしまう前にもっと頑張れ。
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小川ヤクルト優勝!?

2011-07-14 01:32:16 | 野球
 今日13日の中日戦はシビれたねえ。でも、今日の勝ち方を見て確信した。今季2011シーズンはヤクルトスワローズの優勝だ。
 眼下の敵ドラゴンズに延長戦でサヨナラ勝ち、しかも浅尾と岩瀬の二枚看板を攻略しての勝利。優勝する年というのは後で振り返ったときに、ああ、あの試合がペナントのカギだったんだと思える一戦が今頃にあるもので、たぶん今日がその試合だったんだと思う。

・9回表、イム・チャンヨンが森野に同点弾を打たれる。またしても館山先発時のチャンヨン陥落。
 解説の達川さんが「わしが広島におったときも、川口が先発した試合では大野がしょっちゅう抑えに失敗しとった。似たタイプの先発投手のときは抑え投手がよく打たれる」という話をしていて、なるほどとうなづく。

 しかし、あれは精神面の理由も大きいんじゃないだろうか。前回この投手の勝ち星を消しちゃったから今日こそは抑えねばと、意識過剰になっていつもより力が入り、また同じ失敗をしてしまうという。

・10回裏、畠山ブーの四球から、バレンティンが粘りに粘って浅尾の変化球をどうにかファールし続けた末のレフト前。バレンティンはすっかり穴を見抜かれ、打撃急降下だけど、あんな粘りができるならまた戻ってきそうだ。
 
 そして宮本のゴロで三本間にはさまれながら、狭殺プレーで粘り、走者を進めてからアウトになった代走・野口の頑張り。 
 さらに徹底した右狙いであわやの打球を飛ばし、岩瀬にストライクを入らなくさせた巨神兵・宮出の働き。 
 最後は、おいしいところを全部持っていった相川のひと振り。
 
 なに、この伏兵陣の全員野球。ひとりひとりがちょっとずつ確実に自分の役目をこなして、敵の要塞に小さな穴をあけて、次にバトンタッチ、また小さな穴をあけてバトンタッチみたいな、ミツバチ攻撃。これぞ小川スワローズを象徴する戦い方だろう。

 わしは宮出が大好きなので、本当は宮出が決めてくれれば一番良かったんだけど、こんな勝ち方しといてそこまでは望むまい。動画「宮出の塔」でも貼っておこう。まだ可愛かった頃の沢尻エリカも出てくるぞ。

●神宮戦隊・宮出の塔

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MRIとイム・チャンヨン

2009-06-30 13:06:02 | 野球
「スワローズ・新勝利の方程式」の愛称を募集!
石川・館山投手らの先発陣が試合をつくり、7回・8回・9回を松岡健一・五十嵐亮太・林昌勇の3投手が締めくくる「スワローズ・新勝利の方程式」。 そこで、「新・勝利の方程式」の松岡・五十嵐・林昌勇の3投手の愛称(キャッチフレーズ)をスワローズファンのみなさまから募集します!

……とあったので考えてみた。

●大東亜共栄圏トライアングル
●150キロ竹島トランジット

 日韓をうまく乗り継ぐエクスプレスな感じを、竹島トランジットという言葉で表現してみた。正直な話、スワローズ球団の公募企画はそのセンスに絶望しているから、まじめに考える気がしない。Fブラザースとか。
 
 無難に頭文字を取って「MRI」でどうだ。はい、ちょっと音がうるさいけど、じっとしてて下さい、ってMRI検査してどうする。念のため記しておくが、私はイム・チャンヨンが大好きだ。

 先日もNUMBERのwebにこんなコラムを書きました。
イチローと真っ向勝負した林昌勇。防御率0.00の、誇り高き野球。
http://number.bunshun.jp/npb/column/view/3883/
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センバツ決勝

2009-04-03 06:24:44 | 野球
 春の大会の決勝をじっくり観戦したのは久しぶりかも。
 清峰の今村猛、花巻東の菊池雄星、どっちの投手も、1、2回戦あたりで投げていた糸を引くようなストレートは影をひそめ、ふたりとも連投で疲れているんだろうなと思わせる内容だったが、それでも要所を締めてゼロ行進の投手戦にしたのはさすが評判通りでした。

 つねに沈着冷静でポーカーフェイスの今村と、感情や気合いを包み隠さず、どんどん表に出す菊池という対照的なキャラクターも、ハンカチ王子とマー君を思わせるところもあり、きっとふたりのライバル関係は今後も長く続いていくんだろうなと、期待を込めて思った。
 現実には甲子園の両雄がふたりともプロで大成する確率なんて高くないと、おじさんは知っているけど、この先も物語が続いて欲しいよね。

 決勝当日はストレートの伸びがなく、スライダーに頼りがちだった今村が、菊池を打席に迎えたときだけ、ムキになってストレートを投げ込む姿とかを見ると、おじさんは胸がキュンとするわけですよ。
 試合終了後、涙が止まらない菊池に、今村が駆け寄って何か言葉を交わしているその映像だけで、ジンとくるわけですよ。
 WINKのしょーこちゃんとさっちんの今を比べると、せつなくなるわけですよ。関係なし。関係あるけど。せめて清原と中山にしておけ。ダルビッシュと高井って手もあるな。
 
 それからあの、ものすごくちっちゃくて、ものすごく足の速い2番打者も、マンガのキャラみたいで気になった。

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清原らしさとは

2008-10-05 20:32:27 | 野球
 清原の引退試合およびセレモニーには、それなりに胸が熱くなったが、どうしても引っ掛かったのが「清原らしいフルスイング」というフレーズ。
 本人もめいっぱい振り回していたが、冷静なことを言えば、あんなの全然清原らしくないだろう。

 外角低めの難しい球でも、肩に力の入らない美しいスイングで、スコーンと右中間のスタンドまで運んでしまうのが「清原らしさ」であって、その器用さ・自在さがタイトル獲得歴なし、無冠の帝王の理由でもある。落合博満を信奉したゆえの、全方位型のバッティングだ。

 あれをもっと力強いプルヒットのフルスイングに徹していれば、二度や三度くらい本塁打王を獲れただろうし、それをやらなかったからこそ、西武ライオンズ黄金時代の4番を務め上げることが出来たとも言える。
 本当の「清原らしさ」を貫けば、もう1本くらいホームランを見られたかも知れないのになあ。

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パ・リーグがセ・リーグを逆転する日

2008-03-23 01:28:58 | 野球
 NHKの放送記念日特集の番組で、ラジオの創生期には「大相撲をラジオ中継なんかしたら誰も国技館に来なくなる」という意見があったというエピソードを紹介していた。これを聞き、プロ野球を思い浮かべた。

 かつてセ・リーグとパ・リーグはメディアの使い方で大きく道を分けた。
 読売や中日など、マスコミを親会社に持つ球団中心だったセ・リーグは、新聞やテレビを積極的に使い、メディアとの連動を重んじて発展した。

 一方、阪急や南海など、電鉄会社中心だったパ・リーグは、「テレビ中継なんかしたら誰も球場に来なくなる」「電車に乗って球場に来てもらったり、沿線に不動産を買ってもらわないと利益が出ない」と、マスメディアを利用しなかった。
 こうしてセ・リーグとパ・リーグの人気、認知度は大きく開いていった。長嶋や王だけがセとパの格差の原因ではない。

 そして今。パ・リーグにはソフトバンクや楽天など、新進のIT企業が参加し、積極的にネットを利用しようとしている。
 一方、セ・リーグは既存のメディアから離れられず、ネット利用の動きが少ない。あっても横浜ベイスターズのように頓挫してしまう。今年からようやくTBSがネットで横浜主催試合を無料中継するが、始動は遅れた。

 流れとは恐ろしいもので、有望なルーキーは近年、ことごとくパ・リーグの球団が引き当てている。セとパのスタンドで何が一番違うかと言えば、セの観客はおっさん比率がやけに高いことだ。

 このままいくと、セとパの観客動員が逆転するまで、あと3年くらいかな。

 まあ、ソフトバンクも楽天も「電鉄会社」の変化形なのかも知れない。土地に線路を引いて人を運ぶか、ネットに線路を引いて「脳の中身」を運ぶかの違いだから。
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改良GB 本文

2008-03-15 19:26:52 | 野球
 結局のところ、走者進塁分をいかにして計算するか。この類の指標はここにかかっている。
 打者の記録はいくらでも残っている。しかし、走者の進塁記録は残されない。打者が打ち、走者が走って点を取る以上、走者進塁分を無視して得点相関の高い指標は作れないわけで(作れるけど理屈に合う形では苦しい)、そこをなんとかするしかない。
 
 塁打に0.5を掛けるのは大雑把すぎた。スポーツ新聞の打撃成績表から暗算できるくらいの簡便さを優先したつもりだったが、データ好きはそこまでの簡便さを求めていないのもよくわかった。
 せめて、単打、二塁打、三塁打、本塁打、四死球くらいは分けて、走者進塁分を計算しないと、納得してもらえるレベルにはならない。
 そこで計算しました。各走者状況ごとに、それぞれのケースの走者進塁分の獲得ベース数を。

●走者状況割合の設定
走者なし55%
一塁  19%
二塁  8%
三塁  3%
一二塁 6%
一三塁 3%
二三塁 3%
満塁  3%

●進塁設定
単打で二塁走者が本塁へ還る率 50%
単打で一塁走者が三塁へ進む率 20%
二塁打で一塁走者が本塁へ還る率 40%

 上記の設定で走者の進塁ベースを計算すると、それぞれの平均走者獲得塁は以下の通り。

・単打  0.8塁
・二塁打 1.2塁
・三塁打 1.4塁
・本塁打 1.4塁
・四死球 0.4塁

 よって、打者の獲得分と合わせた各スタッツの獲得ベース数は以下の通り。

・単打  1.8塁
・二塁打 3.2塁
・三塁打 4.4塁
・本塁打 5.4塁
・四死球 1.4塁

 こうしてできた式がこれ。

改良GB=1.8*単打+3.2*二塁打+4.4*三塁打+5.4*本塁打+1.4*四死球+1.0*(盗塁-盗塁死)

 どうでしょう。簡単な式からはほど遠い場所へ行ってしまい、「中途半端なXR」感もありますが、そこは「XRより数字の意味がわかるぞ」という長所を拠り所にしたい。それにXRは結果からの逆算の式で、こっちは理屈から入った式だからベクトルが違う。

 盗塁をくっつけたのは、個人を評価するには盗塁も含めたいという私の好みによるもので、正直、盗塁死という入手しにくい項目は入れたくなかったが、これがないと理屈に合わないので入れてみた。でも、なくてもいいと思う(←こういういい加減さがマニアに怒られる)。

 改良GBと得点の相関(セ・パ12球団対象)は
・2001-2007 0.963
・1988-2007 0.954

 これなら胸を張れるレベルだろう。XRに勝っているかどうかは微妙なラインだと思うが、過去20年間で0.954なら十分だ。

そしてもうひとつの式。

推定得点=改良GB×0.16

 本当は係数0.157がちょうど良くて、0.16と0.157では年間のチーム記録に当てはめた場合、10点くらいの差が出てしまうが、そこは仕方ない。

 係数0.16とは、獲得したベースの16/25、つまり64%が得点につながることを意味する。これは残塁の記録などと照合しても、つじつまが合う。
 シーズン144試合制の場合、リーグ全体の年間の獲得ベース数はおよそ22000から23000。その64%が得点につながり、36%が無駄になると、およそ7900から8300が残塁分。年間のリーグ残塁が6000前後だから、「失塁ベース数」(二塁走者が残塁すれば2、三塁走者が残塁すれば3)はだいたいそのくらいになるだろう。

 以上です。こんなん出ました。

●GB=1.8*単打+3.2*二塁打+4.4*三塁打+5.4*本塁打+1.4*四死球+1.0*(盗塁-盗塁死)
●推定得点=GB×0.16
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改良GB 前置き

2008-03-15 19:20:49 | 野球
 GBゲットベースが複数の掲示板やブログで話題になってますよと教えてくれる人がいて、多少ビビりつつ、見に行ってきました。

 おお、すごい、これはありがたい。的確なツッコミと、厳しい批評の数々(笑)。こんな大雑把で不完全な指標を、きちんと議論してくれる人がいることは素直に感謝したい。

 さっそく意見を採り入れて改善してみた(以前のエントリーは混乱を避けるため、削除しました)。が、その前にGBを考え始めた経緯から書いてみよう。

 OPSにはどうしても不満があった。不満点は次の2つ。
・数字の中身が何を表しているかわからないこと。
・計算式で「安打」がダブって加算されていること。

 OPSの分子は 塁打+四死球+安打 である。なぜ安打をダブってカウントすると相関が高くなるのか、ここに疑問と興味を持った。
 野球は塁を獲得して得点をあげるゲームだ。打者が獲得する塁の数は 塁打+四死球 で表せる。このほかに、走者が獲得する塁の数がある。「塁打+四死球+走者進塁分」が、合計の獲得ベース数だ。これを正しく算出できれば、得点と相関の高い指標も作れる。

 OPSと見比べてみよう。
・獲得ベース数…塁打+四死球+走者進塁分
・OPSの分子…塁打+四死球+安打
 
 なんだ、OPSってのは「走者進塁分の塁の数」をたまたま「安打の数」で代用しちゃっただけじゃないか。偶然それでうまくいってしまったわけか、なるほど。
 と、これが私の解釈です。分母の微妙な違いもうまい具合に働くのだろう。

 しかし、どうしても納得がいかない。いくらうまくいくからって、安打の数を走者進塁分の代用に使って二重加算するのは大雑把すぎないか? 
 走者がいない場面の安打だってたくさんあるし、二塁打は単打より多く走者の塁を進める。本塁打はもっと多くの塁を進める。四死球だって、まったく走者を進めないわけじゃない。ってことは

走者進塁分=a×塁打+b×四死球

 こんな式で概算できるはずだ。ここはツッコミどころだけど、先へ進む。
 
 そこでまず試してみたのが、a=0.5 b=0 である。走者進塁分を(塁打×0.5)にした。
 とりあえず仮の数値であり、あとで調整するつもりだった。そしたら、高い相関が得られてしまった。おお、ラッキー。一応、走者のいる打席はおよそ全打席の半分という理屈にも合っているし、じゃあ、これでいいや。
 こうして生まれたのが、簡易GB=塁打×1.5+四死球 だった。

 さて、ようやくここから改善に入る。前置きが長いよ。

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レッドソックスの指標

2008-02-04 15:07:29 | 野球
 NHKスペシャル『松坂・岡島獲得の秘密/レッドソックス流大リーグ経営革命』で紹介されていた指標について、感想をざっと。

・第二の打率(セカンドアベレージ)
 (塁打-安打+四球+盗塁)÷打数

 レッドソックスが打者のスカウティングで重視しているとされた指標だ。この第二の打率によって獲得、成功した代表選手にオルティーズがあげられていた。
 最初に式を見たとき、私は「あ、やっちゃったよ、NHK。プラスとマイナス、間違ってるんじゃないか?」と瞬間的に反応してしまった。

(塁打+安打+四球+盗塁)÷打数

 安打の前はマイナスじゃなくてプラスだろ、と。これならOPSの分子に盗塁を足しただけなので、きわめて理解しやすく、私も同じ式を考えたことがある。得点相関も高い。

 でも、画面に映ったオルティーズのスタッツを確認すると、どうやら式は間違っていない。安打数を足すのではなく、引く計算で合っているらしい。
 ってことは各項目の価値は

本塁打 3ポイント
三塁打 2ポイント
二塁打 1ポイント
単打  0ポイント
四球  1ポイント
盗塁  1ポイント

 上記のようになる。なんと単打の価値ゼロ。四球と盗塁の価値が二塁打と同じ。どんだけ安打製造機を低く見る指標なんだ。イチローが聞いたら、怒って「FU*K!」とか言い出すぞ。毎日カレー食べちゃうぞ。

 なるほど、だからセカンドアベレージなのか。この指標は単独で使うものではなく、あくまでも打率とセットで見て評価するためのものなんだろう。
 ヒットを打つ能力は打率を見ればわかるから、打率には表れない部分を思いっきり強調して拡大した数字。

 ふたつ前のエントリーで、得点相関の高いあらゆる打撃指標は
●a×塁打+b×四死球+c×安打
 という式に集約されると書いたが、第二の打率もこの形に当てはまる。ただ、係数に「-1」を入れる発想は斬新で、私には思いつかない。その意味では参考になった。
 

 もうひとつ、岡島獲得の決め手になったという投手用の指標。

 三振÷四球

 こっちはデータ好きなら知っている指標だろうし、この指標の根底にある考え方にどうしても賛同できないから、あまり興味はない。
「投手個人の責任は、三振と四球と本塁打だけ。そのほかの安打や二塁打などフィールド内に飛んだ打球の結果は、運の要素を排除できないから見ないことにしよう」という考え方だ。

 フィールド内に飛んだ打球がアウトになるかヒットになるかは投手の能力に関係ないなんて、それはそれで考え方としてユニークだと思うが、とてもアメリカ的な発想である。
 日本野球には野手のいないところへ狙って打つという文化があり、イチローなどはまさにフィールド内に飛ばす打球をコントロールしてヒットにする代表選手と言えるが、おそらくアメリカにはそういう文化がない。

 バットとはボールを強く叩くための道具であり、ボールの行き先をコントロールする道具ではないと思っている。
 だから広島のブラウン監督も、一塁線と三塁線を大きく開けた守備シフトをとり、軽くそこを抜かれて二塁打を打たれちゃったりするわけだ。投手の能力が低ければヒットになりやすいゾーンに打球が飛び、高ければ飛ばない。

 投手の話だった。
 この指標で岡島を獲得し、成功したのならそれでいいんだけど、岡島の日本時代の奪三振率が高かったのは、おもにカーブによる。
 ところが岡島はメジャーへ行ってカーブを封印した。ボールが滑り、カーブがうまく投げられないためだという。獲得の決め手になった奪三振能力のメイン球種を使わなくなったのである。
 
 その分、増えたのがチェンジアップ。(岡島の投げ方はどう聞いてもフォークボールなのに、本人はチェンジアップと言い張っている)。この球種はメジャーのボールに合い、よく落ちる。
 
 つまり、岡島成功の一番の秘密はメジャーの使用球にあり、レッドソックスが重視した指標じゃないと言いたいわけだが、余計なお世話ですか。

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レンジファクターまとめ

2008-01-08 02:33:07 | 野球
 データ好きの野球ファンは、この時期、シーズン中とはまた別の楽しみがある。出揃った記録を肴に、あれやこれやと数字をいじくり回して遊べるからだ。

 いまだに私のところへ、レンジファクター(RF)に関する質問が来る。一度、野球雑誌に書いただけなのに、すごいな。あ、本にも書いたか。
 確かに私は1975年以降のNPBのほぼ全ポジションのRFを計算した人間だから、それなりに詳しいけど、最近はこの指標がネットでケンカのタネになっているらしく、そんなことで争うなよと思う。野球を楽しむための材料のひとつだろうに。
 このデータをさんざんいじっていた頃の私の結論をメモしておくので、参考になるようなら参考にしてください。

・レンジファクターは、遊撃手と中堅手に関してのみ、守備力の指標として使える。ほかのポジションではあんまりアテにならない。

・二塁手のレンジファクターは、各年度による個人の数値のブレが大きく、選手の年齢が上がってから突然、数値が高くなるなど不自然なことも起こる。
 理由はいろいろ考えられるが、そこを追求するより「あんまり使えない」で終わらせたほうが無難だ。

・レンジファクターはチームの奪三振数に左右され、これは否定派が最大の根拠として持ち出す点でもある。
 しかし、じつは奪三振数に左右されるのは「外野への飛球の数」であり、内野手がとるアウトの数はそれほど影響を受けない。奪三振数と相関があるのは外野フライの数だ。奪三振が増えると、外野フライは減る。

・むしろ内野手のレンジファクターは、奪三振数より球場の特性に左右される。きちんと検証してないのでおおまかなことしか言えないが、広島市民球場をホームにする広島の内野手はRFが毎年高くなりがちだ。
 これは土のグラウンドか人工芝かの違いが大きく、また、同じく土の甲子園球場と比べても内野ゴロが多いので、ほかにも理由があると思われるが、深く考えたことはない。

・ネットでは東出(広島)の守備力が議論の的になっているようだ。東出は以前から「失策は多いがRFは高い」という選手だったから、上手か下手かで激しく意見が分かれるのだろう。
 私はセカンド東出の守備はうまいと思うし、2007年セのゴールデングラブ二塁手部門の得票数はおかしいと感じたひとりだ。でも、昨年ちゃんと観た広島の試合は3試合くらい。って、オチをつけるな。

・一度定着した評価はなかなかくつがえらないもので、「荒木は守備上手」「東出は守備下手」というイメージができてしまうと、荒木がイップスに掛かっても、東出がセカンドで再生されても、よっぽどのことがないと評価は変わらない。

「落合野球はディフェンス重視の守り勝つ野球」というのも、そのひとつ。07年の中日はディフェンス重視じゃなかったし、外野の守備力は低かった。
 守備を二の次にして戦わざるを得なかったところに07年中日の苦悩があり、優勝を逸した原因でもあるはずだが、世間は相変わらず「オレ流」の一言で片づけ、落合野球は守りの野球ということになっている。それでいいなら別にいいけど。

・話を戻す。そもそも私がレンジファクターを記事にする場合、守備イニングを分母にした正規の数値ではなく、出場試合数を分母にした「簡易版」を使うので、信憑性は下がる。

 なぜそこに甘んじているかと言えば、刺殺と補殺の数を足すという、その時点で「おいおい、おおざっぱだな。送球を受けただけのアウトも守備力に入れちゃうのかよ」というツッコミが成立するためだ。
 分母を厳密にするなら、分子も厳密にしないと意味がないと思うから、じゃあ、どっちもだいたいで手を打とう、というのが私のスタンス。

 ただし著書「プロ野球 新勝利の方程式」では、この問題をクリアするべく、分子も分母も厳密にした上で数値を出している。分子を厳密にするとは、送球を受けただけの守備記録を除き、自分で獲ったアウトの数だけを計算すること。

・守備力をはかる数値というのは、調べ始めの頃はとても楽しいが、もっと正確にしてやろうと、球場やら、チーム事情やら、隣の選手の守備力やら、いろんな補正をかけ始めると、結局、数字遊びの迷路にはまりこみ、わけがわからなくなる。データ好きが陥りやすいワナだ。

 ならば、もっと現実のプレー、たとえば「おお、このチームは昨年までライトからの中継にセカンドが入っていたのに、今年はショートが入るようになったのか」といった違いに注目しながら、データを楽しんだほうがいい。この種のフォーメーションによってもRFは変化する。

・だってさ、ホームランの数とか、防御率というタイトルも、よく考えると不公平で、いいかげんじゃん。あれだけ球場が違うのに。
 レンジファクターの曖昧さも、それと同じくらいだと思うんだけど。

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