時は2025年。スポーツ界は「プロテイン騒動」に揺れていた。
五輪の金メダリストA、超有名メジャーリーガーのBなどが、禁止栄養食品のプロテインサプリメントを過去に使用していた疑惑が浮上したのである。これが事実ならば、金メダル剥奪や、すべての記録が抹消される可能性もあり、「トップアスリートが子供たちの夢を裏切った。許せない」と世界中が大騒ぎだ。
プロテインサプリメントが禁止されたのは5年前の2020年。ドーピングに関する規制が年々厳しさを増し、ステロイドなどの薬物だけではなく、プロテインサプリメントのような「化学的に精製された栄養補助食品」も広い意味でドーピングにあたるとの判断が示されてからだった。
「プロテインはただのタンパク質。すぐに筋肉がつくわけではなく、長期的なトレーニングとの併用で効果が出るもの。筋肉増強剤と一緒にするべきではない」という意見も多く出されたが、
「自然界に存在しないものを体内に入れる行為は全部ドーピング」
「最近のプロテインはすごい。同じトレーニングをしても、良質のプロテインを摂取した人としなかった人では、効果に大きな差がある。お金の力でプロテインを手にした人だけが得をし、何の補助食品にも頼らず、まじめにコツコツと努力した人が損をするような不平等があってはならない」
「有名スポーツ選手がプロテインの常用を公言したことで、一般人にもプロテイン・ダイエットが広まり、誤った知識による健康被害が増えた。プロテインも使い方によっては健康被害を引き起こす」
などの意見が噴出。国際アンチドーピング連合によって禁止薬物に指定された。
常識的な見解では、禁止された2020年以降の使用はアウト、それ以前の使用はセーフとなるが、トップスポーツ選手に限っては禁止以前の使用も道義的に問題視され、糾弾されるという傾向が続いている。
これには21世紀初頭の「プロ野球メジャーリーガー薬物騒動」 が尾を引いている。当時も「ステロイドが禁止される以前の使用」と「禁止された以降の使用」が全部一緒に扱われ、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンスら、殿堂級プレイヤーが厳しい非難の対象となった。
「おいおい待てよ、オレがやったのは禁止されてない頃だぜ」という正当な弁明は、ヒステリックな批判の声にかき消され、スーパースターの名誉は深く傷つけられた。
今回のプロテイン騒動でも、金メダル選手のAは「ぼくが飲んでいた頃は、誰もプロテインが悪いとは言わなかったし、みんな飲んでました。今さらアウトと言われても……」ととまどいを隠せないが、それでは不公平になってしまう。
先日、覚醒剤の所持で逮捕されたタレントCは「覚醒剤なんて昔は薬局でも売ってたのに、何がいけないんだ」と開き直ったが、その言い訳が認められないのと同じことである。
アンチドーピングの急先鋒であるオッパッピー会長は、「我々は今後もドーピングを厳しく監視していく。次はビタミン剤を取り締まる予定だ」と豊富を口にした。
なお、今回の措置が決定すると、五輪金メダルの95%、世界記録の99%が取り消しになる模様だ。
五輪の金メダリストA、超有名メジャーリーガーのBなどが、禁止栄養食品のプロテインサプリメントを過去に使用していた疑惑が浮上したのである。これが事実ならば、金メダル剥奪や、すべての記録が抹消される可能性もあり、「トップアスリートが子供たちの夢を裏切った。許せない」と世界中が大騒ぎだ。
プロテインサプリメントが禁止されたのは5年前の2020年。ドーピングに関する規制が年々厳しさを増し、ステロイドなどの薬物だけではなく、プロテインサプリメントのような「化学的に精製された栄養補助食品」も広い意味でドーピングにあたるとの判断が示されてからだった。
「プロテインはただのタンパク質。すぐに筋肉がつくわけではなく、長期的なトレーニングとの併用で効果が出るもの。筋肉増強剤と一緒にするべきではない」という意見も多く出されたが、
「自然界に存在しないものを体内に入れる行為は全部ドーピング」
「最近のプロテインはすごい。同じトレーニングをしても、良質のプロテインを摂取した人としなかった人では、効果に大きな差がある。お金の力でプロテインを手にした人だけが得をし、何の補助食品にも頼らず、まじめにコツコツと努力した人が損をするような不平等があってはならない」
「有名スポーツ選手がプロテインの常用を公言したことで、一般人にもプロテイン・ダイエットが広まり、誤った知識による健康被害が増えた。プロテインも使い方によっては健康被害を引き起こす」
などの意見が噴出。国際アンチドーピング連合によって禁止薬物に指定された。
常識的な見解では、禁止された2020年以降の使用はアウト、それ以前の使用はセーフとなるが、トップスポーツ選手に限っては禁止以前の使用も道義的に問題視され、糾弾されるという傾向が続いている。
これには21世紀初頭の「プロ野球メジャーリーガー薬物騒動」 が尾を引いている。当時も「ステロイドが禁止される以前の使用」と「禁止された以降の使用」が全部一緒に扱われ、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンスら、殿堂級プレイヤーが厳しい非難の対象となった。
「おいおい待てよ、オレがやったのは禁止されてない頃だぜ」という正当な弁明は、ヒステリックな批判の声にかき消され、スーパースターの名誉は深く傷つけられた。
今回のプロテイン騒動でも、金メダル選手のAは「ぼくが飲んでいた頃は、誰もプロテインが悪いとは言わなかったし、みんな飲んでました。今さらアウトと言われても……」ととまどいを隠せないが、それでは不公平になってしまう。
先日、覚醒剤の所持で逮捕されたタレントCは「覚醒剤なんて昔は薬局でも売ってたのに、何がいけないんだ」と開き直ったが、その言い訳が認められないのと同じことである。
アンチドーピングの急先鋒であるオッパッピー会長は、「我々は今後もドーピングを厳しく監視していく。次はビタミン剤を取り締まる予定だ」と豊富を口にした。
なお、今回の措置が決定すると、五輪金メダルの95%、世界記録の99%が取り消しになる模様だ。