「エイヒレ」
お医者さんに「椎間板って、どんなものですか?」と聞いた。
自分が今味わっているこの痛みの正体を頭の中でイメージしたかったからだ。
「イカですね。」
「イカと言うより、エイヒレかな。」
「そうか、イカとかエイヒレが神経を刺激してるのか?」
いまいちイメージがわかなかった。
「先生、そのエイヒレ見てみたいんですけど。」
手術後、何時間が経って、「見えますか?」
「大きい椎間板しっかり取っておきましたからね。」
麻酔が覚めやらない中で見た自分の椎間板は、透明の容器の中の濁った水に浮遊していた。
薄い金色というか茶色というか、細かい繊維状のものが無数にパラパラと浮かんでいた。
「あぁ、これがエイヒレですね。」と言ってまた眠った。
退院したら絶対エイヒレが食べたいと思っていた。
珍味だった。
お医者さんに「椎間板って、どんなものですか?」と聞いた。
自分が今味わっているこの痛みの正体を頭の中でイメージしたかったからだ。
「イカですね。」
「イカと言うより、エイヒレかな。」
「そうか、イカとかエイヒレが神経を刺激してるのか?」
いまいちイメージがわかなかった。
「先生、そのエイヒレ見てみたいんですけど。」
手術後、何時間が経って、「見えますか?」
「大きい椎間板しっかり取っておきましたからね。」
麻酔が覚めやらない中で見た自分の椎間板は、透明の容器の中の濁った水に浮遊していた。
薄い金色というか茶色というか、細かい繊維状のものが無数にパラパラと浮かんでいた。
「あぁ、これがエイヒレですね。」と言ってまた眠った。
退院したら絶対エイヒレが食べたいと思っていた。
珍味だった。