日盛りの道の上で

日々の日記と家族のこと、仕事と趣味、雑感少々

もう一度の時間はない

2011-05-10 13:09:38 | インポート
今年春就職した次男の寮がある街に夫婦で行ってきた、次男の寮から職場までは歩いて15分ほどで、途中には小さな商店街があり、100円ショップや饅頭屋や郵便局や小さなスーパーなどがあり、踏切があった。

以前にも書いたが、次男は社交的な人間ではないので、知らぬ人ばかりのこの見知らぬ地で、自分の生活基盤を築くのにはまだずいぶん時間がかかるだろう、毎日朝夕、この小さな商店街を遠慮がちに猫背で歩く彼の姿と心の不安を思うと胸がいたくなった。

だけど、越えなければならない山はあるし、登らなければならない階段もあるのだよ、人間には。

踏切を渡りながら、好きなアニメ「秒速5センチメートル」の第3話の最後付近の場面が思い出された、大人になった主人公が思い続けていた初恋の女性と踏切ですれ違うシーン(物語の中で明確にはされていないが、私はそう思っています)主人公は振り返るが、女性は行き過ぎる・・・、第1話の中学生のころ雪の駅で互いに共有した思いは忘れてはいないが、過ぎてきた時間とそれぞれの心の成長が立ち止まることを避けさせる・・・バックに流れる山崎まさよし"の「One more time,One more chance」、だけどあの瞬間はもう戻らない。

時間は流れ、ひとは年を取り、一歩ずつ確実に死というゴールへ向かって歩いて行く、ならばせめて後悔というものをしないで先へ進むために、今自分が立っている時間を大切にしよう、もう一度の時間はないと本当は知っているのだから。

(写真はネットから借用したものです)