歩き出してふと気づいた。
耳の底がしんとするくらいの町の静けさに。ごくごくそれはありふれた日暮れかけたひととき。
田端の町はまるで正月の朝のように平けく静まり返っていた。
肩にかけたカバンをしょい直しながらその『静かな音』に耳を澄ませた。
あ、
と、思った。
これが、”平和の音”なのだ。
この家に、あの家に夕餉の支度が整えられ郵便配達のバイクが通る。
猫がのっそりと筆を立てるようにしっぽを立て、なんの心配もないように道を渡っていく。
ふいにこみ上げる想いに襲われて自分でも驚いた。
これっていうのが・・・平和なんだ、と想った。
そうしたら世界のどこかで戦火におびえて明日を想えない人のことが逆に急に強く感じられた。
ものすごくせつないこと。それって。
ほんっとうに胸の底の方をきゅうんとしぼられるようなしーんとせつないこと。
深ーく透き通った黄緑色のレモン汁みたいにせつない。
平和の中にいると、まったくこの音に気づかないのです。
道端で不覚にも嗚咽がもれた。
この静けさがすべての人の上にあったなら・・。そうでなきゃいけない。ほんとはね。
耳の底がしんとするくらいの町の静けさに。ごくごくそれはありふれた日暮れかけたひととき。
田端の町はまるで正月の朝のように平けく静まり返っていた。
肩にかけたカバンをしょい直しながらその『静かな音』に耳を澄ませた。
あ、
と、思った。
これが、”平和の音”なのだ。
この家に、あの家に夕餉の支度が整えられ郵便配達のバイクが通る。
猫がのっそりと筆を立てるようにしっぽを立て、なんの心配もないように道を渡っていく。
ふいにこみ上げる想いに襲われて自分でも驚いた。
これっていうのが・・・平和なんだ、と想った。
そうしたら世界のどこかで戦火におびえて明日を想えない人のことが逆に急に強く感じられた。
ものすごくせつないこと。それって。
ほんっとうに胸の底の方をきゅうんとしぼられるようなしーんとせつないこと。
深ーく透き通った黄緑色のレモン汁みたいにせつない。
平和の中にいると、まったくこの音に気づかないのです。
道端で不覚にも嗚咽がもれた。
この静けさがすべての人の上にあったなら・・。そうでなきゃいけない。ほんとはね。
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