空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

秋野不矩

2008-08-28 16:12:58 | 感動*好きなもの
《カミの泉 II 》 1976年 京都国立近代美術館

悠久の大地インドの風景と、そこに生きる人々を生き生きと描き出したことで知られる日本画家、秋野不矩。インドに1年間滞在したことにより、彼女の画業はよりスケールの大きなものに変貌を遂げます。厳しくも雄大なインドの大地を、やさしく生命力あふれるイメージで表現した作品の数々は、日本画の新境地を切り拓きました。
<2008.8.9~10.5 神奈川県立近代美術館 葉山にて
                 現在展覧会開催中>

このひとの絵はスケールがでかくておおらかで、品格がある。
人を描いても、なんというか女流画家でくくれない、
人間画家、という幅がある。
まっすぐまっさら。
インドに魅せられたというのは
きっと大いなるものに触れられたのでしょうか。
かろやかに日本画、なんていうジャンル超えをしていて
ついていくものに、「あら、そう?」なんておっしゃりそう。
あらゆるジャンル、国を超えても
このような絵はあまりないようにさえ思える。

たしか、秋野不矩さんだったと思うのだが
取材を終えた若い記者が帰るのをいつまでも見送っていたそうな。
記者が振り返ると、合掌をしていた不矩さんがそこにいた、
とか何かで読んだような気がする。

こんなおおらかな絵は、そんなひとから生まれるような気がする。

その建築も素晴らしい
浜松市立秋野不矩美術館。行ってみたい。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/050827.htm

オチビサン単行本!

2008-08-25 18:12:32 | 
 赤白のしま模様の服に身を包み、いつもちょっとしかめっ面のオチビサン。仲間たちとのほのぼのとした暮らしを描き、朝日新聞に連載中の漫画『オチビサン』が単行本にまとまった。朝日新聞出版から発売。全編カラーで、安野モヨコさんが独特の柔らかな色彩で描く季節の移ろいを楽しめる。
 
 オチビが暮らす豆粒町は、木造の家が立ち並ぶ緑豊かな街。本を片手にうんちくを語る「ナゼニ」(黒い犬)、食いしん坊の「パンくい」(うす茶の犬)たちと一緒に、お花見、水遊び、ドングリ拾い、豆まきなど、季節の遊びや行事に大忙しだ。
 においを頼りにキンモクセイを探したり、どこへ行くのかわからない電車を追いかけたり、遠くの町にいるお父さんの雪だるまを作ったり。オチビの姿に小さい頃の思い出を重ねる人も多いはず。軒先や道ばたに生える小さな緑までが丁寧に描かれ、どこか昔懐かしい風景が郷愁を誘う。
 英訳も掲載されていて、「打ち水」「おしくらまんじゅう」など、日本の風習には英語の解説がついている。B6判128ページ、税込み630円。

 ワーイ!ヾ(≧∇≦)ノ"

騎馬オペラ ジンガロ

2008-08-21 15:19:28 | 感動*好きなもの
(C)Antoine Poupel

これはスゴそー。
前から気にはなっていたんですが。

人馬一体の動きと斬新な構成で注目を集めるフランス発の騎馬スペクタクル「ジンガロ」。遊牧民をテーマに躍動感溢れるアクロバットと馬を操る高度なテクニックで彩られた最新作「バトゥータ」を携えた、2回目の来日公演。

以前の作品『ルンタ』はDVDになっているようです。
~チベットの響きと躍動。生と死の空間を駆ける人馬。恍惚たる闇と光。 詩的で野性的、エキゾティクでエロティック。人生で最も衝撃的で美しい体験がここにある。

ああ、ゾクゾク。

ジンガロ
http://www.zingaro.jp/

Ping-Pong

2008-08-18 15:54:10 | つれづれ
写真:時事通信

愛ちゃんによってアカルイスポーツに昇格した卓球。
わたしがやっていた頃はどこか日陰なスポーツでした。
実際、日陰だし。ユニフォームも地味だったし。
『第一希望テニス 第二希望卓球』と部活の希望を書いたら
卓球部の先生が勧誘にきました。
「テニス部は希望が多くてだめだ。卓球なら人数少ないから選手になれるゾ。」
そのくらい人気がなかったんです。
実際6人しかいなかったので試合に出れました。
先生は熱心で、試合に負けると一駅歩かされました。
でも思えば楽しかったなあ。
世界ランクの選手の講習会のようなのにも連れて行ってくれて
あの、テーブルを離れた離れ技を目前で目にしたのが今だ、忘れられません。

愛ちゃんは「サー!」ですが
わたしたちは「1本!」とかいってたかな。
カットマンでした。

でも、負けてくやしい、とか、勝ちたい、という想いが淡白で
どうも勝負事ってのは向いてないようで。

だけど、昨今のテーブルテニスは華やかになってきて
見てて楽しいです。

なんにせよ、中学時代に運動部にいたってのは
今だになにか残ってますね。

彼女は天才で、しかも天使だ。

2008-08-15 16:24:07 | 
とても気に入っている本があります。
『てのひら童話』
おーなり由子さんの童話のような漫画。短編集。

カラフルな色を使った美しい本。
自由な絵。

独特の世界。

懐かしいようで異次元的で
心が羽ばたく物語。

よしもとばななさんがいうのが、わかります。
「彼女は天才で、しかも天使だ。ふたつをかねそなえている場合、その人は地球にひっそりと息づきながら、愛をもって不思議な声で歌い続ける。あまりになにげないので聞きのがしそうになるが、その声はいちど胸の底に届いたらもう消えず、永遠に響き続ける。」

『てのひら童話』
泣きたくなる日の童話たち
心の中で、道草をするように、ゆっくりと読んでください。
じん、として、あたたかくなります。(本の帯より)
<おーなり由子 角川書店>

動物の不思議

2008-08-12 14:59:32 | 動物
(新潟日報 08.6.12『動物の診察室から』草村正人・獣医師)
 ~より抜粋 ※写真は診療に来た闘病中のシロちゃん

 動物の診療をしていると、不思議なことがあると感じることがあります。とても重症で、いつ死を迎えてもおかしくなかった犬のミルクちゃんは、海外赴任のお母さんが連絡を受け帰ってくる三日間をがんばって、お母さんが帰ってきたその日の夜に息を引き取りました。
 ある日の夕方、診療に来たワンちゃんは、高齢で重度の肺炎のため、酸素をかがせていないと生命の危険がありました。酸素をかがせていても、80%以上の確率で朝までもたないと思われました。飼い主さんは、助からないのなら家に連れて帰りたい、でも酸素を切って苦しむのはかわいそうと、悩みました。結局その夜は病院の酸素室で治療を受けることになりました。
 今思うと、その子は、私たちの会話を聞いていたのだと思います。翌朝、呼吸は楽になり酸素室から出ることができ、大好きな食パンを半分食べたのです。その時は、回復してきたのだと思いましたが、翌日は食欲はなく、面会にきた飼い主さんを帰り際にじーっと見ていました。その時私は、やっと気がつきました。「そうか、この子は家に帰りたいんだ」と。この子が少し回復したのは、病気が治ってきたのではなく、呼吸が楽になれば家に帰れると思ってがんばったからだと。飼い主さんとおうちに帰り、その夜中に、みんなに見守られ息を引き取りました。

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 以前一緒に暮らしていた21歳のアイという猫も、やっぱりそうでした。買い物に出ていた大好きな母が帰るのを待って、母の声を聞き、最後ににゃーんと細い声でそれに答えると、すーっとしっぽが倒れて、今魂が抜けて旅立ったとわかりました。母はギリギリ間に合った。「待ってたんだね」と素直に思えました。
 アイも、今一緒に暮らしているタオも、こちらが具合がわるいときは不思議とそばに寄り添ってきたり、物いいたげにじっと見つめていたり。こころが通じ合っていると感じさせられる存在です。

そんな話が山ほど出て来るこんな本もあります。
『火事を知らせる猫 贈り物をする犬 
 ~心をうつ動物たちのほんとうの話~』
クリスティン・フォン・クライスラー著 光文社

才能に障害はない

2008-08-08 14:29:06 | 面白記事*面白番組
 神奈川県平塚市にある「工房絵(かい)」。知的障害者のための授産施設で、40人ほどの利用者が、絵や織物などを思い思いに制作する。スタッフは手伝うが指導はしない。全国のギャラリーや雑貨店からの依頼で、毎月のように作品展が開かれる。
 開所は92年。施設長の関根幹司さん(53)が以前勤めていた作業所に、段ボールに木工用接着剤を塗り、紙や絵の具を重ねて楽しむ利用者がいた。バザーに出すと好評だった。「就労の選択肢は多い方がいい。遊びや得意なことを仕事に」とひらめいた。
 工房絵で描くようになり、デザイナーの紹介で東京・代官山の雑貨店にポストカードを置いた。雑誌で紹介され、評判になった。
 絵が売れたら2割が作者の収入になる。カードなどは総売り上げの2割を利用者で分ける。03年から専門の会社に著作権管理を依頼している。
 作者の一人、川村紀子さん(33)は、訪ねてくるファンとの交流を通し、言葉で気持ちを表現するようになった。給料袋も大事にしまうようになった。「認められ、お金になるのは喜びです」と関根さん。
 社会貢献として力を入れる企業もある。人材派遣会社パソナの特例子会社「パソナハートフル」(東京都千代田区)は、04年から「アーティスト社員」制度を始めた。いま17人いる。
 その一人、友永太さん(37)の作品は、コップやポストカードになった。養護学校を出て作業所に通いながら絵を描き、展覧会にも出品。05年にアーティスト社員になる。月6回、会社が開く講座で絵を描くのが仕事。それ以外は郵便物の封入作業をする。月給は税込み12万円ほどだ。プロの指導もある。カサブランカ2輪を描いた友永さんは、画家の相沢登喜恵さんにアドバイスされ、7輪に増やした。

 障害者のために、手続きを代行する団体もある。
 NPO「エイブルアートカンパニー」(東京都中野区)は身体障害者や知的障害のある人の絵を登録し、著作権使用料を取って貸し出す。昨年4月、3つのNPOが協力して発足、作家16人を指名した。
 公募で今春、新たに16人を登録。作品は2000点を超える。
 登録は無料。作品の使用料はカンパニーに払い、3割が作家に渡る。これまで、銀行の記念品やアパレルメーカーのTシャツ、化粧品会社のカタログの表紙など、約10社に採用された。使用料は、冊子の表紙で5万円からが目安だ。
 86年から同様の活動をする「アートビリティ」(中野区)は、社会福祉法人の一部門だ。約3500点を登録し、冊子のカラーの表紙だと使用料は5万円。6割を作家に払う。2ヶ月に1回、審査会がある。毎回100点ほど応募があり、採用は10点という厳しさだ。作家がスランプのときはスタッフが相談にのる。
 こうした背景には、06年に施行された障害者自立支援法もある。自己負担が増えて作業所などに通えず、創作活動が続けられなくなった障害者もいるという。エイブルアート・カンパニーの太田好泰さん(46)は「障害者の就労や工賃アップが進む中、お金にならないアート活動をやめる施設もある。生活できるほどの額ではないが、アートが収入になると示したい」と話す。
 神戸芸術工科大学の見寺貞子教授は「障害者のアートをビジネスとして生かすには、作品を判断し、コーディネートする人がかかせない。利用の際は著作権を明確にして契約書をかわし、トラブルを防ぐ必要がある」と指摘する。(朝日新聞 08.5.24)

※写真は工房絵での制作風景/神奈川県平塚市・高波淳撮影

工房絵
http://www.sfc-net.or.jp/kai/
パソナハートフル
http://www.art-mura.com
エイブルアートカンパニー
http://www.ableartcom.jp
アートビリティ
http://www.artbility.com

みかんのさんぽ

2008-08-04 14:47:32 | 動物
「小太郎、さくら!さん・・」
 散歩の「さ」が聞こえたとたん、それまでつまらなそうに寝そべっていたラブラドル犬の小太郎とミックスのさくらが、ガバッと起き上がった。そしてリードの置いてある土間に下りると、早く首輪をつけろと私を見上げて目で催促する。
 と、まあここまではよくある光景だろう。家の中の一番居心地の良いソファを占領してのさばっている彼らは、普段は首輪をつけていないので、散歩のときは首輪をしなければならないことをよく心得ている。
 しかし、小太郎たちが散歩の仕度を始めたのを横目で見て、そわそわしだしたのがもう一匹いた。長毛の三毛猫みかんだ。
 わが家では犬の散歩は早朝と夕方の二回。朝は出勤前の私が近くの海岸へ連れて行き、午後は女房が時間をかけて遠出するが、みかんはそれがうらやましくて仕方がなかったらしい。
 別に家の中に閉じ込めているわけではなく、みかん用の小窓からいつでも自由に出入りできるのだから、行こうと思えば好きな所へ行けるのだが、ご承知のようにネコの世界は縄張り社会。お隣のネコにジロリとにらまれると、すごすごと引き返さなければならない。
 そこで体格だけは立派な小太郎と、見かけによらず頼りになりそうなさくら、そしてその二匹を操る?私にくっついて行けば・・とみかんなりに考えたのだろう。
 かくしてリードでつながれた二匹の犬に、遅れまいと必死について来るネコ、という一人と三匹の朝の散歩はご近所の評判になった。
 もっとも、女房は頻繁に車が通る道を、つながれていないみかんが歩くのは危ないと渋い顔をする。けれども、みかんの本当にうれしそうな顔と、ぴょんぴょんとはずむような歩き方を見ていると、つい、「みかん!散歩だぞ。一緒に行くか?」と声をかけてしまうのだ。
(新潟日報 08.4.17/森 拓也:和歌山県すさみ町エビとカニの水族館館長/写真も)

こころとからだ

2008-08-02 10:29:05 | つれづれ
先週、気管支が炎症を起こし熱が出て寝込んだ。
そのとき、からだがつらい時のこころをひさしぶりに思い出した。
寝てもつらい。どこにも逃げ場がない。
はたから見れば瀕死の状態ではないが
自分のキブンはほぼそれに近い。

そんなときに
ホスピスに入居している人たちを思い出した。
これどころじゃない状態で、よく
施術を受けに4Fの部屋まで登ってこられたものだ。
いや、その施術を受けようと思う気持ちになるというのは
ほんとうにしんどいときにはとてもじゃない、ならないものだ。

自分などはこのくらいでなにもできない。
たとえ楽になろうとも施術すら受けにいく気力もない。
なのにあの人たちは会話を交わし
中には笑ってさえくれた人もいた。

世界でただひとり単独で8000m峰全山14座登頂した
登山家のラインホルト・メスナーという人が
ひとはスピリット(霊性)マインド(知性)ボディー(肉体)の
3つの要素でできているが
肉体をおろそかにすると
たとえどんなにスピリットやマインドが高くとも
にんげんはその肉体の弱さにとらわれてしまう。
自分が持っているいちばん弱い要素を基準に生きざるを得ない
というようなことを言っていた。

こころは簡単にからだに引っ張られる。
だからこそ
どんなにつらい状態でもかえって人を気づかい
笑みを浮かべることのできる人は驚くべき光をはなっている。
頭を垂れます。