2年くらいになるのでしょうか?
こちらに月に1回通うようになって。
それでも山本施設長さんの書かれたこのご本を読んだのは
ごく最近でした。
色々と聞いていたお話よりもさらに想いが満載で、ご苦労も満載で
あらためて感じ入りました。
たしかにいろいろな方がいらっしゃいます。
脱腸した腸を「勉強になるだろ?」と見せてくださった方。
末期でひどい痛みを抱えながらも大声で昔話をしてくださった方。
たいへん上品で誇り高い紳士で
きぼうのいえや病院の世話をしてくださる方のことを
「ありがたい。ありがたい。」と言われた方。
往ってしまわれましたが、今も心に残ります。
山谷の街を歩けば
「ばかやろー!ボランティアなんてやめちまえ!」
というおじさんもいました。
でも、その心の底からわたしに向かって
ばかやろーと言っているのではないことに
ほんの小さな言葉の隙間からふと気づきました。
やりばのない「ばかやろー!」でした。
そして、おじさんなりのコミュニケーションでした。
それも心に残ることです。
山本さんご夫妻は特に余裕があるというような
特別な方ではありません。
心身疲れることだってある普通の方です。
ですがやむにやまれぬような突き動かされるものに導かれ
こんなまさに“きぼうの”いえを創ってしまわれました。
こんな、今の利益社会で言えばなんの利益にもならないことに
人生をかける人たちがいるということがまさに希望です。
こんな草の根のともしびに応えるくにが
ほんとうは“うつくしい”くになのではないでしょうか?
自分が死ぬ時、こんな最後を迎えられたら、という
まさに希望を追い続けていてくれていることが
今死に往く人だけでなく
すべての人々への応援歌を謳ってくれているようです。
だってすべての人にもれなく死は贈られるのですから。
どこにも逃げ場はありませんヨ。
まったく他人事ではないのですよね。
中には会社の社長だった人もいます。
人生は流転。
今、物的に豊かでも、家族があろうとも、一寸先はわかりません。
どんな人の中にも自分がいる。
死にゆく時はみな裸。
ぜひ読まれてみてください。
山本雅基さんの言葉
「ほんの小さなつまずきで人生を棒に振ってしまうような罠が、この社会にはいくつも張り巡らされている。(中略)自分の人生と折り合いをつけることができずに、ひとりぼっちで人生を終えるなんて悲しすぎる。」
―*―*―*―*―*―*―*―
本の帯より
「さて、モルヒネ飲んで、パチンコでも行くか」
(ある入居者のつぶやき)
「いいか、人間ってものは醜いものなんだ。やられたらやりかえさなきゃ殺されるんだ」(ある入居者のことば)
「無縁仏にしてください」(ある入居者の遺言)
「あれほど死にたがっていたひとが、いまは生きたがっているんだよ。よかったね!」(看護師の美恵さんのことば)
「お葬式っていうのはね、天国に誕生するお祝いの日なんだよ」
(下条司祭のことば)
余命わずかな身寄りのない人々、元日雇い労働者らのホスピスが、東京のドヤ街・山谷(さんや)にある。三十八歳の若さで、妻と二人三脚でこの場所をつくり、運営している著者が、立ち上げからこれまでの、疾風怒濤の日々を綴る。
【著者あとがきより】
「きぼうのいえができて三年半、これまで三十四人を看取った。ここでは毎日たくさんの信じられないようなできごとが次々におこり、日々がものすごい勢いで過ぎていく。(中略)なんといっても、普通の生活をしていたら一生に一度あるかないかのようなことが、一月に一度くらいの頻度でおきるのだ。題名の通り、これは素人同然なぼくのホスピス立ち上げ話であり、ぼくのような庶民が企てた、庶民のためのホスピス物語だ。ここには有名なホスピスにはない発達途上の未熟さがあり、そうであるがゆえのあらゆる発見や感動がある」
<山本雅基(やまもと・まさき)プロフィール>
1963年生まれ。東京・台東区の「山谷(さんや)」地区にあるホスピス、「きぼうのいえ」施設長。
1985年、日航機墜落事故のニュースに接したことをきっかけに聖職者を志し、1995年上智大学神学部を卒業。大学卒業後、「NPO法人ファミリーハウス」の事務局長を務める。
2001年、「ホームレスのためにホスピスを建てたい」と考え、看護師の妻とともに活動を開始。妻の貯金を元手に銀行から借金をし、全国のキリスト教会や、多数のボランティアの後援を得て、2002年4月、緊急一時保護施設「なかよしハウス」(全11室11床)を開設。
2002年10月、在宅ホスピスケア対応型集合住宅「きぼうのいえ」(全21質21床)を開設
★TBS系「ニュース23」の特集「マンデープラス」で取り上げられ、大反響を呼んだ「きぼうのいえ」の施設長が自ら綴った、話題の一冊です。
【本書に関するお問い合わせ】
実業之日本社 趣味・実用編集室 藤森文乃(ふじもり・あやの)
電話03-3535-3361 FAX03-3567-4386
fujimori@j-n.co.jp
http://www.j-n.co.jp/
『東京のドヤ街 山谷でホスピス始めました
「きぼうのいえ」の無謀な試み』
きぼうのいえ施設長 山本雅基著 実業之日本社刊
善意の寄付によって支えられています。
詳しくは
きぼうのいえ
http://www.kibounoie.info/
こちらに月に1回通うようになって。
それでも山本施設長さんの書かれたこのご本を読んだのは
ごく最近でした。
色々と聞いていたお話よりもさらに想いが満載で、ご苦労も満載で
あらためて感じ入りました。
たしかにいろいろな方がいらっしゃいます。
脱腸した腸を「勉強になるだろ?」と見せてくださった方。
末期でひどい痛みを抱えながらも大声で昔話をしてくださった方。
たいへん上品で誇り高い紳士で
きぼうのいえや病院の世話をしてくださる方のことを
「ありがたい。ありがたい。」と言われた方。
往ってしまわれましたが、今も心に残ります。
山谷の街を歩けば
「ばかやろー!ボランティアなんてやめちまえ!」
というおじさんもいました。
でも、その心の底からわたしに向かって
ばかやろーと言っているのではないことに
ほんの小さな言葉の隙間からふと気づきました。
やりばのない「ばかやろー!」でした。
そして、おじさんなりのコミュニケーションでした。
それも心に残ることです。
山本さんご夫妻は特に余裕があるというような
特別な方ではありません。
心身疲れることだってある普通の方です。
ですがやむにやまれぬような突き動かされるものに導かれ
こんなまさに“きぼうの”いえを創ってしまわれました。
こんな、今の利益社会で言えばなんの利益にもならないことに
人生をかける人たちがいるということがまさに希望です。
こんな草の根のともしびに応えるくにが
ほんとうは“うつくしい”くになのではないでしょうか?
自分が死ぬ時、こんな最後を迎えられたら、という
まさに希望を追い続けていてくれていることが
今死に往く人だけでなく
すべての人々への応援歌を謳ってくれているようです。
だってすべての人にもれなく死は贈られるのですから。
どこにも逃げ場はありませんヨ。
まったく他人事ではないのですよね。
中には会社の社長だった人もいます。
人生は流転。
今、物的に豊かでも、家族があろうとも、一寸先はわかりません。
どんな人の中にも自分がいる。
死にゆく時はみな裸。
ぜひ読まれてみてください。
山本雅基さんの言葉
「ほんの小さなつまずきで人生を棒に振ってしまうような罠が、この社会にはいくつも張り巡らされている。(中略)自分の人生と折り合いをつけることができずに、ひとりぼっちで人生を終えるなんて悲しすぎる。」
―*―*―*―*―*―*―*―
本の帯より
「さて、モルヒネ飲んで、パチンコでも行くか」
(ある入居者のつぶやき)
「いいか、人間ってものは醜いものなんだ。やられたらやりかえさなきゃ殺されるんだ」(ある入居者のことば)
「無縁仏にしてください」(ある入居者の遺言)
「あれほど死にたがっていたひとが、いまは生きたがっているんだよ。よかったね!」(看護師の美恵さんのことば)
「お葬式っていうのはね、天国に誕生するお祝いの日なんだよ」
(下条司祭のことば)
余命わずかな身寄りのない人々、元日雇い労働者らのホスピスが、東京のドヤ街・山谷(さんや)にある。三十八歳の若さで、妻と二人三脚でこの場所をつくり、運営している著者が、立ち上げからこれまでの、疾風怒濤の日々を綴る。
【著者あとがきより】
「きぼうのいえができて三年半、これまで三十四人を看取った。ここでは毎日たくさんの信じられないようなできごとが次々におこり、日々がものすごい勢いで過ぎていく。(中略)なんといっても、普通の生活をしていたら一生に一度あるかないかのようなことが、一月に一度くらいの頻度でおきるのだ。題名の通り、これは素人同然なぼくのホスピス立ち上げ話であり、ぼくのような庶民が企てた、庶民のためのホスピス物語だ。ここには有名なホスピスにはない発達途上の未熟さがあり、そうであるがゆえのあらゆる発見や感動がある」
<山本雅基(やまもと・まさき)プロフィール>
1963年生まれ。東京・台東区の「山谷(さんや)」地区にあるホスピス、「きぼうのいえ」施設長。
1985年、日航機墜落事故のニュースに接したことをきっかけに聖職者を志し、1995年上智大学神学部を卒業。大学卒業後、「NPO法人ファミリーハウス」の事務局長を務める。
2001年、「ホームレスのためにホスピスを建てたい」と考え、看護師の妻とともに活動を開始。妻の貯金を元手に銀行から借金をし、全国のキリスト教会や、多数のボランティアの後援を得て、2002年4月、緊急一時保護施設「なかよしハウス」(全11室11床)を開設。
2002年10月、在宅ホスピスケア対応型集合住宅「きぼうのいえ」(全21質21床)を開設
★TBS系「ニュース23」の特集「マンデープラス」で取り上げられ、大反響を呼んだ「きぼうのいえ」の施設長が自ら綴った、話題の一冊です。
【本書に関するお問い合わせ】
実業之日本社 趣味・実用編集室 藤森文乃(ふじもり・あやの)
電話03-3535-3361 FAX03-3567-4386
fujimori@j-n.co.jp
http://www.j-n.co.jp/
『東京のドヤ街 山谷でホスピス始めました
「きぼうのいえ」の無謀な試み』
きぼうのいえ施設長 山本雅基著 実業之日本社刊
善意の寄付によって支えられています。
詳しくは
きぼうのいえ
http://www.kibounoie.info/