言の葉収集

思ったこと、感じたこと、出逢ったこと
いろいろ気ままに書きたいと思っています。

こんな断髪式もある

2006-02-14 09:00:00 | 言の葉
今日の中日新聞から。
大相撲、両国国技館大広間で、松ヶ根部屋の力士の断髪式が行われた。松ヶ根部屋とは、元大関若嶋津(奥さんは高田みづえ)の松ヶ根親方の部屋である。引退する力士は元十両若東龍、最後は本名の野寺に戻し十両復帰を目指していた。同期のトップを切って2000年夏場所に関取に昇進し、将来を期待されていたがひざのケガに泣かされ、8度目の手術の際引退を決意した。最後は歩くだけでも転倒したらしい。

ひっそりと断髪式を迎えてもおかしくないが、全国から300人を超える後援者らが集まった。どんなに辛くても一切泣き言を言わなかったこの力士が、いかに愛されていたかが分かる。

珍しい光景があった。師匠自身が止めばさみ(最後のはさみ)を入れる前に泣き出した。それを見て弟子も涙。最後までケガを恨むことのなかったこの力士と師匠の絆は深かった。

「おれのひざを使えればなあ」
「おれの靭帯を移植できないのか」
現役時代、師匠がかけてくれた言葉が嬉しかった。