信号待ちをしながら、行き交う車を眺めてみるが、美しいだとか欲しいなあという車に出会えない。私の
デザイン的な感性が、20世紀で止まった儘なのが原因なのか? 空力だの燃費だとかを優先し人の手を
排除したデザイン界の劣化が問題なのかは判らないが。車のデザイン全体がグロティスクになってしまい
シュッとしただとかエレガント等の言葉が消滅してしまった。 最たるものが「 S U V 」の様な気がする
上品とは無縁なフロントマスクのデザインを見ればメーカーは特定可能だが、サイド・リアのデザインは
相似形で、エンブレムが無いと出自不明。 中学の美術の副読本で見たトヨタ2000 G T は衝撃だった
慈恵医大の傍の駐車場で先日、マセラティ・グレカーレを見た。巨大な兄貴のレバンテより、ひとまわり
小型でセールスは好調とか。試乗記によれば、極めてマセラティ的で良いらしい。が、お世辞にも美しい
とは思えなかった。フロントサイドの3つのエアインテークも、全体の大きさから浮いてしまっているし
インパネの時計もデジタル化してしまった。 どのメーカーの「 S U V 」を眺めても、美しいとか欲しい
とかは・・・思えない。機能美という言葉も、軍用車メーカーの出自の車種以外・・・死滅した気がする
発売当初は、半開きの眠たそうな前照灯とフロントのカラーリングがチグハグで、受け入れ難かった新型
ディフェンダーのフロントマスクだったが。最近はチグハグさが・・・消えた。日本では不人気なマット
系の塗装もあるとか。なにしろ、V 8・5000cc +スーパーチャージャーが選択可能なのだ。なかなか
シックなデザインだと、思えるようになった。私が、20世紀を引き摺ってしまっているのか・・・否か
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