馬頭琴日記

交通事故療養中に還暦を迎えた馬頭琴奏者が、馬頭琴に関する知識を書き遺します

竿とボディ 接触部の隙間 ガタツキを修正する

2019-02-24 12:16:31 | 馬頭琴工房のお仕事
高額品は吟味した素材で丁寧に、安いほど手が抜かれ、職人見習いが作ったりは、馬頭琴でも同様だ
馬頭琴は竿とボディが、抜き挿し出来る構造だ。ボディの上端・下端に、竿を通し、受ける穴がある

この穴の開け方が雑で、ガタガタと隙間のある楽器を、時折り目にする。安いグレードに多い傾向だ
上は2000年エグシグレン工房製、下は2010年頃の布和工房製、共に最安値のグレードである

ノイズが発生する可能性もあり、接触部が密着する方が、音の振動の伝達効率が上がるだろうと思う
で、竿の接触部に、薄板を貼る。そう頻繁に抜き挿しする訳でも無く、竿と同質の木でも良いだろう

注意点は、竿の左右の傾きだ。片側だけに薄板を貼ると、馬頭の部分では、左右に大きく傾くからだ
きつい場合は、無理に押し込んではいけない。最悪の場合、穴から上端・下端の側板に、ヒビが入る


最初は、下端部分から始める。下端が上手く収まったら、次は上端の部分の作業に、着手する手順だ
接着剤は、フランクリン社のタイトボンドを推奨。木と同等の硬さに硬化するので、切削加工が容易

薄い板を貼り付けて、当たる部分を板ヤスリで、少し削っては塩梅を確認する作業を、延々と続ける
黒檀材だと辛く、忍耐が必要だ。まあ、問題の無いグレードの楽器を、最初に選んだ方が得策である


薄白く雲が滲んだ晴れ空、風は強めで、気温は2〜14℃。正午の気温は11.4℃、湿度は34%
昨日の夕方から風が強めになり、春一番には少々冷たい。多少弱まったが、体感温度は低めである

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