馬頭琴日記

交通事故療養中に還暦を迎えた馬頭琴奏者が、馬頭琴に関する知識を書き遺します

ボディ裏板の形態 モンゴル国

2019-02-06 12:13:42 | 馬頭琴の基礎知識
弦楽器の表板も裏板も、板の厚みが薄いほど、音量は大きくなる。ただし音色の、良し悪しは別だけど
薄くすれば、強度が落ちる。で、強度を保つための工夫がされる。車のボディの、ラインの様なものだ

平面な板を使用するギターでは、ブレイシングという、様々な形状の裏打ちをして、強度を保っている
西洋弦楽器では、アーチトップと呼ばれる、膨らみを持たせた削り出しによって、強度を補強するのだ

左はアルゴサン工房主ウランバヤル氏が、1988年にジャミヤン先生の為に作った、楽器のレプリカ
既に、削り出されている。真ん中・右は、バイガルジャブ工房の、2000年製・2001年製である

真ん中は平面で、廉価版だからだろう。右側は高級品なので、それなりに手間暇・材料費が投入される
アーチトップ形状なら、ボディ内容量が増え、音量に貢献すると思う。が、基本は価格に反映するのだ


今世紀当初辺りの馬頭琴は、音量への要求に対し、過度に薄くし過ぎた楽器があるので、注意が必要だ
これを表板でしていると、弦の圧力に負けて、表板が凹み、F字穴にヒビが入り、バスバーが剥がれる

左は2001年製の、馬頭琴復興プロジェクト「アジナイホール」の、エンフジャルガル工房製である
彼は製作を辞めてしまい、遺作になったが、削り出されている。当時の廉価版でも、削り出されていた

真ん中は、アルゴサン工房の2007年製の、私がメインで使用する楽器だ。やはり、削り出してある
加えて、側板に目を向けると、裏板全体を膨らませる様に、凸形状をしている。この試みはユニークだ

右は、ペガサス工房の2007年製。バヤルサイハン氏が、ロンドンの弦楽器工房での修行中の作品だ
当然の如く、削り出されている。最近の彼の作る楽器の裏板・側板には、レリーフが彫り込まれている


未明から冷たいが、恵みの雨が降り続いている。気温は4〜10℃、正午の気温5.3℃、湿度97%
明日の予報は2〜17℃だが、金曜は3〜9℃。土曜日の予報はなんと、氷点下2〜4℃の乱高下だ

雨だからなのか、工程の都合なのか、外壁の清掃作業がお休みで、久々に静まり返った、我が家周辺
12日火曜日に、外壁の洗浄をするという、お知らせが入っていたので、しばし平穏な日々が続く?

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