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歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

一日一訓(28日 この世で最も不幸な人は 感謝の心のない人である)

2011年11月28日 | 一日一訓
一日一訓(28日 この世で最も不幸な人は 感謝の心のない人である)

「この世で最も不幸な人は 感謝の心のない人である」

かの江戸城無血開城の功労者・勝海舟は、
すごい勉強家でも知られる。

長崎で外国軍艦に乗り組み、実地に研究して、
西洋の兵学の必要性を痛感し、江戸へ戻ってきた。

ある日、某書店に立寄ると、
新刊の兵学の洋書が目にとまった。
砂中に宝石を発見したように喜んだ彼は、
その代価を尋ねると五拾両という。

海舟には、驚異の大金である。

しかし、この書を逃しては、
航海者に灯台のないのと同じ、と思った海舟は、
八方工面した金を持って、書店へ駆けつけた。

ところがなんと、
〝昨日売れてしまった〟と店主がいう。

一度は落胆したが、その購求者は、
四ッ谷大番町の某であることが分かった。

早速訪ね、

〝ぜひ譲渡を〟と懇願したが、

〝ゆずる位なら買いはせぬ〟と、すげない返事。

一思案した彼は、ならば毎日参上するから、
拝見させて頂きたいと頼んだ。

うるさい奴と思ったが、余り懇望されるので主人は、
夜半十二時以後ならば、と答えた。

海舟は喜びの礼を述べ、
十二時以後の約束で帰宅した。

本庄の錦絲堀の彼の住所から、
大番町までは八キロもある。
余程の健脚でも大変なのに、
そのうえ、深夜の勉学だから容易なことではない。

彼はしかし、豪雨も暴風の夜も、
暑中も通い続け、八冊の大部を
写し了るのに二ヵ年余かかっている。

始めは、うるさいと思っていた主人も、
月日を重ねるにつれて、
倦まずたゆまぬ彼の不屈の精神に感服する。

手許にありながら、
未だに読み切れないこのような書籍を、
我々如き凡眼の許に置くのは勿体ないから、
貴下に贈呈したいとまで申しでた。

すでに写了させて頂いたのだからと、
その御芳志に深く感謝し、
彼は辞退したという。

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