蓮如上人物語(8)(平座の精神)
蓮如上人のご布教の精神は
当時の仏教界を驚かせた。
親鸞聖人のみ教えを
無我に相承なされ、
そのご布教に、八十五年の
全生涯を捧げられた蓮如上人。
3頭の駿馬を買われ、
1頭の馬が疲れると
次の馬に乗り換えられて
全国を駆け回られた。
馬が疲れるということは
その馬に騎乗する人は
もっと疲れる。
その中を蓮如上人は布教の旅を
続けられたのである。
仏縁のある方がおれば、
1対1のご布教をなされる。
阿弥陀仏に救われた体験と
フルナの弁舌といわれるほど、
話が上手だった蓮如上人の
情熱あふれるご説法に
一人では勿体無いと
次のご縁には村中の人が
参詣されるようになる。
数年の内には村ごと、
他宗から浄土真宗に鞍替えすると
いうことになっていった。
蓮如上人が晩年、
子供さん達に足の指の間についたきらりと
黒光りした二本の線をみせられて
「蓮如上人、細々御兄弟衆等に
御足を御見せ候、
御草鞋の緒くい入り
きらりと御入り候。
斯様に京・田舎、
御自身は御辛労候て、
仏法を仰せひらかれ候由、
仰せられ候いし」
(御一代記聞書)
若い時には草鞋の緒が
食い込んで、黒光りするほど、
全国の人々に親鸞聖人のみ教え一つを
お伝えするために布教に
回られたことを話されておられる。
また、他宗の僧は説法の時、
高座で檀家の人を見下ろし、
見下したようにしていたのを
蓮如上人は平座で
聴衆の方と同じ目線で
説法なされていた。
「身をすてて平座にてみなみなと
同座するは、聖人の仰にも、
「四海の信心の人はみな兄弟」
と仰せられたれば、
我もその御言葉の如くなり。
また同座をもしてあれば、
不審なることをも問えかし、
信をよくとれかし」と願うばかりなり
と仰せられ候なり」
(御一代記聞書)
それは親鸞聖人が
「四海の信心の人は、みな兄弟なり」
と仰有ておられるように
阿弥陀仏の前ではみな兄弟であり、
友達なのだから、
「分からないところがあれば、
いつでも聞いてください」
との精神で生涯話をして
ゆかれたのである。
また、本願寺に参詣された御門徒に対しては
「御門徒衆上洛候えば、
前々住上人仰せられ候。
「寒天には御酒等の酣をよくさせて、
路次の寒さをも忘られ候様に」
と仰せられ候。
又炎天の時は「酒など冷せ」
と仰せられ候。
御詞を和げわれ候。
「又御門徒衆の上洛候を、
遅く申入り候事、曲事」
と仰せられ候。
「御門徒衆を待たせ、
遅く対面すること、曲事」
の由仰せられ候」
(御一代記聞書)
蓮如上人は門徒の道中の労をいやし、
少しでも真剣に聞法ができるようにと、
寒い季節には温かいお酒や雑煮を
暑い季節には冷酒で
もてなされている。
蓮如上人のご布教の精神は
当時の仏教界を驚かせた。
親鸞聖人のみ教えを
無我に相承なされ、
そのご布教に、八十五年の
全生涯を捧げられた蓮如上人。
3頭の駿馬を買われ、
1頭の馬が疲れると
次の馬に乗り換えられて
全国を駆け回られた。
馬が疲れるということは
その馬に騎乗する人は
もっと疲れる。
その中を蓮如上人は布教の旅を
続けられたのである。
仏縁のある方がおれば、
1対1のご布教をなされる。
阿弥陀仏に救われた体験と
フルナの弁舌といわれるほど、
話が上手だった蓮如上人の
情熱あふれるご説法に
一人では勿体無いと
次のご縁には村中の人が
参詣されるようになる。
数年の内には村ごと、
他宗から浄土真宗に鞍替えすると
いうことになっていった。
蓮如上人が晩年、
子供さん達に足の指の間についたきらりと
黒光りした二本の線をみせられて
「蓮如上人、細々御兄弟衆等に
御足を御見せ候、
御草鞋の緒くい入り
きらりと御入り候。
斯様に京・田舎、
御自身は御辛労候て、
仏法を仰せひらかれ候由、
仰せられ候いし」
(御一代記聞書)
若い時には草鞋の緒が
食い込んで、黒光りするほど、
全国の人々に親鸞聖人のみ教え一つを
お伝えするために布教に
回られたことを話されておられる。
また、他宗の僧は説法の時、
高座で檀家の人を見下ろし、
見下したようにしていたのを
蓮如上人は平座で
聴衆の方と同じ目線で
説法なされていた。
「身をすてて平座にてみなみなと
同座するは、聖人の仰にも、
「四海の信心の人はみな兄弟」
と仰せられたれば、
我もその御言葉の如くなり。
また同座をもしてあれば、
不審なることをも問えかし、
信をよくとれかし」と願うばかりなり
と仰せられ候なり」
(御一代記聞書)
それは親鸞聖人が
「四海の信心の人は、みな兄弟なり」
と仰有ておられるように
阿弥陀仏の前ではみな兄弟であり、
友達なのだから、
「分からないところがあれば、
いつでも聞いてください」
との精神で生涯話をして
ゆかれたのである。
また、本願寺に参詣された御門徒に対しては
「御門徒衆上洛候えば、
前々住上人仰せられ候。
「寒天には御酒等の酣をよくさせて、
路次の寒さをも忘られ候様に」
と仰せられ候。
又炎天の時は「酒など冷せ」
と仰せられ候。
御詞を和げわれ候。
「又御門徒衆の上洛候を、
遅く申入り候事、曲事」
と仰せられ候。
「御門徒衆を待たせ、
遅く対面すること、曲事」
の由仰せられ候」
(御一代記聞書)
蓮如上人は門徒の道中の労をいやし、
少しでも真剣に聞法ができるようにと、
寒い季節には温かいお酒や雑煮を
暑い季節には冷酒で
もてなされている。