満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

200のハディースその5

2006-08-20 | ハディース&子どものための物語
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم

審判の日と天国の民、業火(地獄)の民について(その2)

 アブー・フライラ(رضى الله عنه)によるとみ使い(صلى الله عليه و سلم)は言われた。
「剣で自らの命を絶つ者は、その剣を手に持って自分の腹を突き刺し地獄の火の中に永住することになる。毒を飲んで自らの命を絶つ者は、地獄の火の中で永遠にそれを飲み続けることになる。山から身を投じて命を絶つ者は、地獄の火に身を投じて永遠にそこに永住することになる」
(ムスリムによる伝承)

 聖クルアーンに
「またあなたがた自身を、殺し(たり害し)たりしてはならない。誠にアッラーはあなたがたに慈悲深くあられる。」
(婦人章4章29節)
とあるように、アッラーの慈悲を裏切る行為は避けなければならない。
「アッラーの慈悲に絶望してはならない。」
(集団章39章53節)
のである。

 WHO(世界保健機構)の世界の自殺率統計によるとムスリム諸国での発生率は非常に少ないが、日本では自殺者が毎年三万人にも達し交通事故死の三倍を超えており、自殺率から見ると日本は世界のトップに入っている。日本は古くは万葉集に激務から自殺を図った部下の死を嘆いた歌があり、奈良時代から仕事や人間関係を苦に自殺を図ったことがわかるが、その行為に対し周りの人は嫌悪感を抱く様子はなく、人生を結末を自殺という形で見出す人がかなりいたこと、それも身の処し方、生き方の一つとして容認してきた日本的風土があったように思う。
 厚生労働省の自殺予防対策の報告書によると、自殺の原因・動機としては、うつ病をはじめとする精神疾患が最も多く、経済的・生活問題、家庭問題がこれに続いている。特に近年の自殺の増加の原因は、生きる意味・希望といった精神面での欲求が満たされ難くなっている面や職場や地域において人と人のつながりや絆が薄れ、仲間作りが困難な状況になっていることなどが挙げられている。
 専門家によると自殺防止の鍵は、悩み苦しむ人の話に耳を傾け心を寄り添う「共感」と「傾聴」にあるという。一人ぼっちと孤独を感じている人には、いつも誰かに見守られている安心感が必要になる。人がそばにいてくれて、話を聞いてくれるだけでいいという。
 これに関して、イスラームには仲間意識や連帯感を強める教えは多い。
「互いに憎みあったり、嫉妬し合ったり、敵対しあってはいけない。アッラーの僕たちよ、あなた方は互いの兄弟になりなさい。そしてムスリムは彼の兄弟と三日以上疎遠になってはならない。」
「隣人がかたわらで空腹を抱えている時に腹一杯食べる者は、信者ではない。」
「互いに行為を抱き合い、慈しみ合い、思いやる関係にいる信者は一つの体のようなものだ。もし体の一部が痛めば全体が不眠と熱で反応する」
(以上ムスリムによる伝承)
 このように人を孤立させず、人の苦痛を感じ取り、人間が孤独に陥り生きる力を失わないように支え助け合い、相手を思いやること(ビッル)をイスラームは勧めている。

アッラーのご加護と祝福がありますように
و السلام


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