こばなし

日々のよしなしごと

イノセント・ボイス ~12歳の戦場~

2006年02月08日 | 映画
内戦下の少年時代 無名俳優が放つ珠玉の脚本

ロサンゼルス在住の新人俳優オスカー・トレス。全く無名だった彼の手による1本の脚本が、ハリウッドとメキシコの映画人たちの心を揺さぶった。1980年代、激しい内戦に包まれていた中南米エルサルバドル。少年時代をこの内戦下で過ごしたトレスは、14歳でアメリカへ亡命するまでの記憶を脚本に書き上げた。そして、2002年、ハリウッドで活躍するメキシコ出身の著名な監督ルイス・マンドーキに自ら脚本を売り込む。かねてからメキシコに戻って映画を作りたいと思っていたマンドーキは、即座に脚本を気に入り映画化を快諾。こうしてトレスの体験記は、『イノセント・ボイス-12歳の戦場-』のかたちに結実した。12年間に及ぶ内戦は、7万5千人の犠牲者、8千人の政治的失踪者、100万人近い亡命者を生んだ。また、本作が描き出すように、この間、多くの少年たちが軍に徴兵されていった。子ども兵士の問題は今なお深刻だ。現在も30以上の紛争地で、およそ30万人の子どもたちが兵士として働かされている。

戦場に咲く少年の笑顔と母の愛

1980年代、エルサルバドルでは、政府軍と反政府ゲリラ組織FMLNが泥沼の内戦を繰り広げていた。11歳の少年チャバは、父親が家を出たため、母親と妹弟を守らなければならない。彼が恐れているのは、12歳の誕生日を迎えること。政府軍に徴収され、楽しい子ども時代が終わってしまうからだ。母親の愛情と、禁じられた反戦歌を流すラジオを頼りに強く生きるチャバ。だが、誕生日はすぐそこまで迫っていた……。
いつなんどき銃撃戦が始まるかわからない、内戦下での過酷な生活。けれど、少年チャバの目から見た日常は、辛いことばかりじゃない。家族との団欒に笑えば、家計を支える仕事もするし、恋もする。戦場に流れる幸福なひととき。ごく平凡な11歳という時間を、精一杯に生きるチャバの姿がまぶしい。そんなやんちゃなチャバをつねに見守っているのは、女手ひとつで子どもたちを育てる美しい母親。しっかりと大地を踏みしめ生きる女性だ。子どもたちに注ぐ母の絶対的な愛襲撃の中で、さらに強く結ばれる母子の絆に涙せずにはいられないだろう。


イノセント・ボイス 公式サイト


この映画がすごく観たいのだが、銀座でしか公開していないようで、
銀座まで行くべきか考えてしまう。交通費が…
でも銀座ついでに、Macの直営店にもまた行けるしな…
でもまだiPodは買えそうにないけど

ホームページのインタビューを読んでいたら、監督がこんなことを言っていた。

戦争は、人間の中にある最低の部分と最高の部分を引き出すものだと思います。

とても的確な意見だと思った。
人間は最低に醜くて、最高に美しい。