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坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

    インテリアのご相談は HP『 インテリアの教室 坂野民枝 』へ

有田・伊万里・唐津・・・2.伊万里

2016-06-28 | 美術館
伊万里駅:駅ビル2階に『伊万里・鍋島ギャラリー』があります。
360年前のものから展示があります。
ワンルームの展示室です。歴史順に展示され、わかりやすくなっています。
30分ぐらいですが見ごたえあります。
白い壁の展示室で蛍光灯の灯の元で見ますので、藍色も青磁も金襴も しっかり見えます。
淡い光の中の方が美しく見えるものですが、繊細な柄を見るには白い光は欲しいものです。

今は資料館になっている商館です。
ボランティアの方が説明してくださいました。

江戸時代 各地方各藩の方が陶器の買い付けに来ます。
来るといっても、注文を依頼し、作って焼いてなので、数か月逗留します。
主はこの方達が飽きないように、様々な芸事でもてなしたそうです。
様々な教養が必要だったとか・・・。


欄間も凝っています。

ビルトイン家具です。

ビルトインに興味を示した私に、ボランティアの方が、『開けてもいいですよ』
引出には使いこまれた段は取っ手の下の塗装の色が薄らいでいます。
開けやすい高さは、やはり日用品の場所ですね。
100年以上は経ているのに、狂わない引出。
たんすを作った人も、壁を作った人も技術力がすごい。
その一部、藩士なので刀を持ってきています。しまう引出、鍵付きです。


伊万里駅までの帰り道はゆっくり歩きながら 目で楽しみます。
ブロック塀:外部に磁器タイルは珍しいです。
微笑ましい水栓の花たち・・・濃紺部分は遠目に一瞬、柵のように見えます。


上部にはキャンドルを立てるタイプです。迫力あります。

壺に蓋と取っ手が付くと別物になりますね。

メインストリートの床には特産品などのさりげないお知らせ。
タイルの使い方・・・何かの折に参考にします。

唐津風の柄も使いようによっては洋風にも・・これいいかも・・
アイアンのデザインを思い出します。


伊万里からの直通バスで、博多のホテルへ。

このブログ[3:翌日の唐津行き]へ続きます。

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一般の方を対象に『インテリアのレッスン』セミナーを
7~12月第3土曜日2-4時 全6回名古屋 栄で開催いたします。
インテリアに興味のある方がいらっしゃいましたら、是非ご参加ください。
詳細は   http://iclesson.com へ

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有田・伊万里・唐津・・・1.有田

2016-06-26 | 美術館
1泊2日の一人旅,UPしようと思っていた頃・・・4月の地震災害で、控えることにしました。
観光地にも人が戻ることを望まれていることがありますので、UPします。

以前から一度行きたいと思っていた九州のやきものの街です。

中部圏もやきものの街で、瀬戸・美濃・常滑・四日市などの日々使う食器を手にしています。
食器メーカーもノリタケや鳴海があり、現在名古屋市内のそれぞれ、西区、緑区の工場跡地が偶然というか ハウジングセンタ―になっていて、セミナーなどでも行ったことがあり身近に感じます。

やはり 遠い地のものにはあこがれがあります。
かなりのスケジュールですが、一人なので急ぐも休むも勝手次第、たくさん見ます。

名古屋を7時-博多10時半、有田に12時半です。
佐賀県立 『九州陶磁文化館』

入口の取っ手部分が表と裏、扉の場所ごとに全部違うデザインです。


愛知県は陶器ですが、ここはやはり磁器です。
通路に見かけるスイッチプレートも磁器です。デザイン違いで並んでいます。

このデザインは、女性用トイレの中の手洗いボール,紙巻き器、便器、ゴミ入れまで柄が揃っています。
身障者用入口のスイッチプレートのデザインが違ったのでトイレの中を見てみました。一式おそろいです。
たぶん男性用もスイッチプレートが違うデザインなので揃っているのでしょう。

輸出されたものです。

フォルムに対する絵の配置、精巧さは『美しい』という意外に表現できないです。
ヨーロッパの人が、これを手にした時、日本をどんなふうに想像してもらえたのでしょうか。
聞いてみたいですね。
そして、この文化の元はお隣の国の方達から来たもの。
それぞれが尊敬できる文化を持っていることを理解し合えば 世の中もっとうまくいくと思いますが・・・
兎に角 圧巻です。
この文化館と駅の間、道路沿いに
古伊万里の複製です。
菊の花が上品なゴールドです。壺の裾の柄がヨーロッパの紋章風の描き方?
近代に造られたものとはいえ、しばらく見入っていました。

源右衛門窯・古伊万里資料館へ寄り、次に向かったのが酒井田柿右衛門窯です。

葉の色も色相の違うグリーンを使うと普通は 野暮ったくなるのですが、パープル系ブルーも葉に入れて、花が咲いている様子を立体的に見せています。黒い木板に賓の良い華やかさです。

母屋の改修工事 
工事現場で、法的な要件を満たす表示はいろいろ見ていますが、『木に墨で縦書き』を見る機会は経験していません。
歴史の重みを感じます。


タクシーで有田の観光案内所へ。
お雛様も作る人に依り表情が違います。

お二人の大きさから考えると1升瓶ぐらいの大きさかも?
なぜ両端に猫がいるのか?雪洞もアッパーライトの間接照明?

深川製磁外観

ステンドグラスで“漢字”は初めてです。

富士山のステンドの下に山型の3連、目隠しと採光を考えたデザインに感心。

2階の皇室納品も見せていただきました。撮影不可なので目に焼き付けて。

香蘭社
和風の門をくぐるとすぐに洋館です。
アンティークのインテリアショップのようです。

こちらは現在展示室になっています。天井は格天井の板張り、重厚感があります。

2階の 商談用の応接間。
天井の中央のモールディングが、花のようですがよく見るとアカンサスの葉の木彫りです。
大工さん作品でしょうか、工芸品のようです。

階段側面の手すりの下側は香蘭社のロゴマークの透かし彫りです。
以前、来客用のお湯のみが香蘭社のものでしたので、このロゴマークはなじみがあります。
この手摺子が出来た頃は、”ロゴマーク”とはまだ言わなかったかも?


もう少しゆっくりしていたかったけれど、JRの時間で、伊万里へ。

このブログ [2]伊万里 [3]唐津 と続きます。

黄金伝説展

2016-05-27 | 美術館
国立西洋美術館で開催されていました『THE GOLDEN LEGEND』愛知県美術館で H28. 5月29日まで開催です。


こちらのチラシは 愛知県美術館所有のクリムト(人生は戦いなり:黄金の騎士)です。

6000年前の 金の装飾品から始まり、2000年前が最近に感じるぐらい圧倒されます。

ブルガリアは普段の生活の中、ヨーグルトでなんとなく親しみを感じているけど、トルコのお向かいでギリシャの北隣。音声ガイドの音楽も中近東あたりのエキゾティックさがあります。

7ミリ粒ぐらいの大きさに、ライオン・猿・牛の顔と識別できる細工があるのは、どんな人が作ったのでしょうか。
リュトンの説明に『ワインを入れて飲む』とあります。ジョッキぐらいの大きさはあります。
上手に飲まないと顔に浴びそうなぐらいの大きさです。残念ながらケースの中ですが、ゴールドの重み、持ってみたい気がします。


やはり、地位の高い人、権力のある人が身に纏うのもゴールド。
おびただしい数(234点)の展示です。ヴァチカン美術館からもあります。かなりの博物館、美術館から到来。
今はそれぞれの場所で大切にされているのでしょう。
イヤリングも多く、エジプトへの影響もあることを考えれば解説に男女は書いてありませんが、大きさから推測し、男性が付けていたと思うものもあります。現代も、小振りのピアスを付ける男性はいますが、当時の人が見たらどう感じるのでしょうか。
身を飾ることが手軽になった今でも GOLDの価値は高い。


金の鉱脈を含んだ岩を見つけ、採掘し、純度を上げる・これは今風に言えば 工業。
塊を、平にしたり、粒にしたり、色石を付けたり、細工をする、これは工芸。
これをさせることが出来る人って、どれだけの財力?半端じゃないことは確かです。


★インテリア情報は 『インテリアの教室』http://iclesson.com に掲載しています。こちらも是非ご覧ください。

大山崎山荘美術館

2016-03-06 | 美術館
午前に桂の宮の別荘[桂離宮]を訪ね、午後はもう一つの別荘、ニッカウヰスキーの創業者の一人、加賀正太郎氏の100年前の別荘・・・現在、[大山崎山荘美術館]を訪ねました。


阪急の大山崎駅を降り、美術館に向かうと道標のようにアサヒのブルーの自販機があります。
それほど急ではないです。山荘という名の通り、行きは上り坂です。
ここから1本奥に入ったところに、日本のエコ住宅の始まりとされる【聴竹居】があります。現在はたぶん入れないので、雰囲気だけ・・・
このあたりからその先ずっと上ると、(天王山の戦い)秀吉が光秀と戦った合戦地になります。鎧を着た人も馬も上り坂大変だったと思います。私が通っているスポーツクラブのランニングマシン、勾配30度まで上げられる説明がありますが、専ら水平利用しています。これからは、『傾斜を付けよう』と考えているうちにトンネル状の門です。

反対側から見ると『天王山悠遊』となっています。下りは悠々です・・・

ゲート脇の照明器具が低い。本来車で入るところなので、この高さでしょうか。



建物内部の撮影は不可です。

パンフレットより

山荘風というより、チューダー、ゴシック様式のかっちりしたデザインを見ることが出来ます。
壁面に作り付けの飾り棚が、廻縁やケーシング使いで室内に一体になっています。
展示用に後から作られたと思える棚も空間に合わせられています。
それほど天井が高くないところに設えた暖炉が、威圧的でないのは、大理石の色が明るいのと、タイルが横ストライプに見えることでしょうか。
チューダーのデザインをお好みの方はいらっしゃいますので、参考になります。
特別展示は民芸運動・『三國荘』です。アサヒビール初代社長の山本為三郎氏の収蔵品が、展示されています。

テラスはアーチ状、そこから見る庭は和風。

ステンドグラスも元は何かデザインがあったと想像しています。

『地中の宝石箱:安藤忠雄さんの設計』との接点です。

出窓の支えにはアカンサスの葉のデザイン彫りがあります。

その脇に地中へ降りる階段があります。地下にモネの水連が3作品、セザンヌ、ルノワールの展示があります。
自然光はなく、湾曲面の展示で、モネに浸ることが出来ます。
確かに、地中の宝石箱です。

庭を歩き、一瞬トイレかと思う建物? よく見ると 【ログハウス+こけら葺き+障子+瓦・・・】

正面に戻って、『栃の木茶屋』パンフレットを広げると、(立礼式の茶室、非公開)。
なるほど、右に見えるのは外腰掛。遊び心のある茶室、始めてみる組み合わせです。中が見たい!


帰りは送迎バスの時間が合い、JR大山崎の駅前へ。

この駅前に 妙喜庵があります。事前の予約が必要で、今日は外からだけです。
ここに国宝の待庵と思うと、横の道にも廻って見ました。
元々はもっと広い敷地と思いますが、1畳半が納得できる狭さです。
大山崎町歴史資料館へより、復元されたものを見てきました。
限られた空間のほど良い緊張は、地中の宝石箱に通じるものを感じます。

かわら美術館:高浜:安土・桃山の城郭革命

2016-02-28 | 美術館

三州瓦・・・高浜に【かわら美術館】そのうち、・・が、昨日になりました。

お客様から戸建ての外観のご相談を受け、建築地が関東で大工さんからの指定は、高浜の会社の瓦です。ハウスメーカーにいた頃、標準品の中に高浜産はありましたので、全国で使われているのは理解しています。遠い地の屋根に載るのは 感慨深いです。

昨日、名鉄名古屋本線に乗ったので、知立で南西方向に乗り換えてちょっと寄り道です。
(三河線、知立から反対の北東に進むと、豊田・猿投に向かいます。頭の中で地図を描くと、その向こうは瀬戸。瓦も焼物、『やきものの土』が続くことを感じます。)

高浜港駅で降ります。
いきなり鬼瓦がお迎え。やきものの街でも、それぞれの産地で色が違います。ここは[いぶし]の色です。
そんなに大きな魔除けでなくてもと思いながら歩きます。

擁壁の水抜きも鬼瓦、歩きながらも思わず微笑んでしまいます。

美術館へ行くまでの10分、道すがらに表情の違う鬼さんたち。

美術館の前には 、地上にあるのが不思議なかんじですが、鯱鉾が一対。


瓦は高浜の港から、江戸へ船で運んでいた・・・一枚でも両手で持たないと持てないのに、こんなに重いものを積める船って?どんな大きさ?別の事にも感心します。




【安土・桃山の城郭革命】開館20周年記念特別展です。
各地のお城から出土した瓦、金箔の残っているものが展示されています。
復元された金で覆われた軒瓦の展示があります。
迫力あります。館内の蛍光灯の下で見ても輝くので、直射日光の下で見たら、遠くからでも威厳があることでしょう。
リアルタイムでこれを見た宣教師が、本国へ 『黄金の国』と報告したことが納得です。
たぶん私が、ヨーロッパの教会に行って、ステンドグラスの美しさを凄いと思うのと同じ?
お城とはいえ、軒先にゴールドって、盗られない? などと思いながら・・・


17世紀の世界地図に見入っていました。
オーストラリアの南や北欧やカナダの北は、合っているのかわかりませんが、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの大陸の形は把握できます。
写すときに日本中心に描いたのでしょう。
中心に書いてあると、点のような姿ゆえ、世界に手を広げ繋ぎたくなります。
戦争して手を伸ばしてはいけません。
楽しいことでつながりましょう。

シャガール展:愛知県美術館

2014-05-14 | 美術館
シャガールも日本で人気の画家なので 過去にも 展覧会が開かれています。

今回 見たかったのは ・・・・パリ・オペラ座の天井画に関するもの

以前 パリに行ったとき、オペラ座のエントランスまでは行ったのですが
中には入らず、 友人の買い物に付き合ったあとで時間が無くなりました。

同じツアーに参加して 中に入った人の話を聞いた時には 若干の後悔・・・そのうち又・・・

そんな記憶が蘇って 県美が近いこともあり 出かけました。



今回の展示は 天井画、壁画、協会のステンドグラスなど 大作が中心 見ごたえあります。


巨匠といえども、色の構成を考え 下絵を何枚も書き・・・試行錯誤したのでしょう。





下絵の完成 2点から 当時のドゴール大統領が 決定

実寸は直径15M この姿は オペラ座の床に寝てみないと見れません。



わかりやすいところで見れば エッフェル塔の色も変わっています。

下絵と完成の絵葉書2枚をアレンジして額に入れました。


熟考することの大切さを 忘れないために 飾ります。


[印象派を超えて] 愛知県美術館

2014-03-05 | 美術館
少し早めに仕事を切り上げて、帰り道に寄ってきました。


昨年 新国立美術館で開催されていたのが、名古屋にきました。
クレラー・ミュラー美術館から通算 半年に亘ってお借りするというのも
すごいことです。 日本でそれだけ印象派の人気が高いということでしょう。

印象派の絵画は 私にも 気持ちをやわらかくしてくれます。

今回は サブタイトルに「点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」とあります。
展示の構成が楽しみです。



Ⅰ. 印象派の筆触 {点描のルーツはどこに} モネ、シスレー、ピサロ …混色しない筆触分割

Ⅱ. 分割主義の誕生と展開{光と調和を追い求めて} スーラとシニャック…新印象派

Ⅲ. ゴッホと分割主義{ファン・ゴッホを魅了した点描}

Ⅳ. ベルギーとオランダの分割主義{地域を超えて広がる点描}

Ⅴ.究極の帰結{点描から抽象へ} モンドリアン

インテリアやデザインの本によく登場するモンドリアンのコンポジション
・・・ここに至る前のモンドリアンの風景画があります。
ここにたたずむと 今まで見てきた流れをもう一度振り返りたくなります。







ゴッホが混色を考えるのに毛糸を使って色の研究を下板話が有名ですが、
それぞれの画家が 色彩理論を研究していたと思うと
絵が上手なだけでは画家になれない。何事もプロの道は深い・・・


閉館まじかでしたが もう一度 歩きなおしました。

一度目とは違う見方ができます。
・〈 種まく人 〉よく見ると カラスさえも のどかです。
・ゴッホの〈 自画像 〉 どこかで見たような・・・家の図録を探したら1996年名古屋市美術館でした【名画は巡る】
・それぞれの絵と額との組み合わせ 参考になります。
・正面から見ると額にガラスが入っていないような・・・反射しません。
真横ぐらいから見ると反射して ガラスの存在がわかります。 ガラスの進歩にも感激。


上村松園展:名古屋市美術館

2013-06-01 | 美術館
友人から チケットを戴いたので 行ってきました。

以前から何かの折には 目にすることがあった 松園の描いた女性。

どの立場の女性であっても 意思を持って紙面の中にいます。

 今回 一堂に集められると描かれた人物よりも 
 それを描いた女性・・・松園に魅力を感じます。




-----日本の女性の凛とした美しさ-----

出る杭は打たれる中で、描き続けるのは明治、大正の時代、
半端な精神力ではなかったと想像します。
その気丈さが描かれているようにも思います。

掲示されています・・・[女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。]

・柔らかい着物の曲線を迷いの無い少ない線で描き切る
・着物や帯の柄は気が遠くなる程繊細に丁寧に描かれ、曲線なりの柄の色の変化

どこを取っても 隙の無い 完成品です。

見ている私も気持ちが、背筋が スッーとしてきます。

地下の展示室に 下絵と素描の展示があります。





下絵も墨で描いているので、描き直したところは紙が継いであります。
やはり 結んだ帯の曲線は 納得できなかったのでしょう 継いでありました。

構図の決め方、ポージング、着物のスケッチ あらゆる努力があって 一枚が出来上がる。

上手というだけではなく 研鑽を重ねて 一つに集約する。

何事にも通じるものを感じます。





藤田美術館:大阪市

2013-05-20 | 美術館
3月は毎年忙しくて、尚且つ 今年はゴールデンウィーク中も
ずっと仕事をしていて・・・

少し前の記憶になりますが、大阪に行った時の1時間ほどの寄り道です。

藤田美術館は春と秋のオープンなので、タイミングが合わないと
なかなか行けませんが、一度は行ってみたい美術館でした。


改装した蔵が美術館になっています。


大阪城の近くですが、都心の中の静寂な空間です。
ここだけ時間がゆっくり流れるような・・・

今回のテーマは“茶道具のいろは”です。

利休が所持した斗々屋(ととや)茶碗を見ることが出来ました。
桃山時代の人が 何を選び、何を創り、何を残したか
一通りの道具を通して 見ていくことが出来ます。

時間があれば茶室にも寄りたかったのですが、 
露地と外観です。

地下鉄の駅の反対側からは、藤田邸の屋敷跡が公園になっています。
大阪の街の一端を作った財界人だけあって、外門から内門までの距離だけでもすごい!
 
石庭が見えます・・


ここをゆっくり歩く時間は無かったのが残念ですが、
ずっと続くなだらかの起伏の道を木々に導かれます。

いつか ゆっくり歩いてみたいものです。


クリムト:愛知県美術館

2013-01-08 | 美術館
愛知芸術文化センターが造られて20年、県美術館が10F・・・・子供の頃 同じ場所に美術館単体で建っていた頃、催し物によって、友達と来たり、親と来たり、思い出します。

新しくなってオープン当初、トヨタ自動車の寄付で、
17億円以上の価格でクリムトのこの絵を購入!今、思ってもものすごい価格です。

これまでも時々 ついでのように見ていましたが
今回 気持ちも新たに 見る機会となりました。
芸術家クリムトが 絵をめぐり依頼した大学と精神的に戦った過程 
・・・サブタイトルに“黄金の騎士をめぐる物語”とあります。
兜で顔は見えませんが その横長の隙間から姿勢を正し、まっすぐ
前方を見ている様子は 強く目を開けている感覚が伝わります。

じっくり解説を読み、一枚の絵に向き合っていると クリムトもまた
上部背景が梨地の蒔絵からと、日本の芸術に影響されていることがわかります。

 
左下に蛇の頭だけが水平に描かれています。
はじめは下から垂直に伸びているのをを描き直した・・・修正前の写真を見ると存在がリアルです。  蛇の存在が薄らいだ、気持ちの変化でしょうか?

今回のパンフレット:正方形のキャンバスに描いたのもクリムト独特です。
展示は クリムトの絵に限らず 19世紀末~20世紀に掛かる時代の様式の家具
飛騨高山美術館のマッキントッシュの椅子、大阪市立近代美術館準備室のヨゼフホフマンの椅子などの出展もあります。
世紀末をウィーンで生きた人たちそれぞれの接点。
   

[依頼主と芸術家と建築家]
ダイニングルーム壁面4面 実物大の複写の展示です。正面左右のドア位置もそのままです。



22人掛けのダイニングテーブルがセンターにあった写真が展示されていますが、
同じ広さでも家具が無いと広く感じるのはいつも現場に行って思うことです。
大勢の人がここで携帯をかざしてい映している姿は 当時 同じ広さの空間で
食事をした人たちは想像もしなかったでしょう。


バラの花、葉が日本でいう 鱗模様の様です。


左端 小さな片隅ですが、尾形光琳の絵を思い出します。


どういう関係か私には良くわかりませんが キャッスルホテルとのコラボでのカレー
・・・買ってみました。

金沢21世紀美術館・鈴木大拙館・兼六園

2012-11-21 | 美術館
オープンから8年、一度は行って見たいと思っていた21世紀美術館。
NIC(名古屋インテリアコーディネーターズクラブ)の企画で 行ってきました。
写真で目にする『円形の上に立方体』は 地上を歩いていると、街中 わからない・・・
撮影OK部分     
 現代アートは見る作品だけでなく、 参加したい!
[音] マイクに向かい声を出し、その振動で送風機をまわし、
さらにその風力で盥の水の中のチュウブを振動させて水がはねる。なんだかリズム的
[光] 心拍センサーのバーを握ると脈拍が電気のパルスになり、電球を脈の周期で点滅させる。
次の人が参加すると順送りになる。 200人以上の生きている証。
[水] ジェームズ タレルの空間は 地中美術館でもありました。
   ここでは雨が降っていて 天井に切り取った空間の上の方に巨大なシャワー水栓があるよう・・・
   床面に張ってある水に溶け込んでいく。小雨もラッキーです。

 記事に良く載っている プールは メンテナンスのため、見れず。

水墨画、写真展、キッズコーナー、地元の方達にも溶け込んでいます。

以前 設立当初のことを書かれた、蓑 豊さんの『超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦』を読みましたが
古都 金沢の地、現代アート、市民が参加できる美術館、 成功です。
人を集めるには 情熱と仕掛けが必要 実感しました。


次に訪ねたのは 昨年完成した、鈴木大拙館 ・・・谷口吉生設計
一呼吸してから入るリンとした空気感はやはり豊田市美術館、佐川美術館に共通します。

 哲学にも共通する 建築 【○ △ □ の構成】


四角の手水鉢に三角の切り込み ・・・イサムノグチ作 四国から作庭の方達も
 


地元の方に道を聞き、裏道(高低差あり)を教えてもらい 中村記念美術館、伝統産業工芸館なども
効率よく回ることができました。6時を過ぎると 暗くて ライトアップも見えます。
センターが暗くて多色使いがはっきりせず少し残念です。


夕食もちょっと贅沢 その中の一つ 器も楽しみです 
どうしてもこういうところが気になります。  
九谷焼の街 襖の引き手が陶器です。

翌日 8時開園 兼六園に向かいます。
バスを待つ高校生を横目に 
 日本じゃ無いみたい! 落ち葉の絨毯の向こうにレンガの建築、増築部分がガラス張り・・・旧制四校

珍しい 1本の木の半分紅葉 

兼六園 早朝のため、見学者より、お手入れしている人のほうが多い
池に映る 紅葉の赤が美しい 
休憩所が舟形 
飛び石の横に南天 坪庭的 
赤松 見事さに圧倒されます 
金沢の街並みがここから見える・・・城下・・・やはり高低差 



美術展:エルミタージュ、シャガール、ボストン、エルンスト

2012-09-17 | 美術館
最近は遠出はしていないけど、仕事の合間に2時間の異空間へ

この2週間ぐらいの間に見に行きました。

・マックスエルンスト チケットを戴いていたので、気づくと開催期限間近
 

シュルレアリズム、わかりにくいところはあります。
この発想でこの作品と、なんとなく理解できるものですが、

このパンフレットの絵が 私には一番『謎』 
ユークリッド・・・幾何学・・・頭にバラ、手に魚、顔がたぶんアカンサスの葉
・・・背景は平面分割、具象の表現が加わる 何を表したかったのか

でも 胸に花を挿している・・・エルンスト御自身はきっと おしゃれな紳士だったと思います。

・マルク・シャガール展 松坂屋美術館

シャガールの絵は宗教的な絵も含め人に対する愛情が絵に表れていて好きです。
過去に大きな展覧会も開かれ見ていますが、お買い物の時間は短く切り上げ、行ってみました。。
シャガールの絵をイヴェットさんという方がタピスリーにしたものの展示もあります。
シャガール自身に認められ、微妙な色の表現も繊細に表しています。
25色の糸を色々組み合わせてあらゆる色を作り上げています。
原画の数倍の大きさを製作するには単に拡大するだけでなく、原画の絵の持つ強さも表現されています。
織物が壁にかかっているのを見ると、ベルサイユ宮殿を思い出します。
これもまた、フランスの文化です。
タペストリの出展は個人蔵が多いですが、一点 川島織物所有のものがあり、
川島織物の京都の工場で緞帳を織っているのを見せていただいたことを思い出しました。
これも日本の文化です。

・エルミタージュ美術館展


シモンズのショールームに商品の確認に出かけ、そこから5分の名古屋市美術館
9月末までを思い出し、寄ってみました。
子供のころはこの辺でよく遊んでいたので、科学館も新しくなり寄ってみたかったのですが
美術館へ入ったら2時間しっかり閉館の時間になりました。

サンクトペテルブルグのエルミタージュに一度は行って見たい!
海外の美術館は 行くと結構貸し出し中だったり、美術品は世界を巡る・・・

エカテリーナ”Ⅱ世から始まったコレクション 資金があるだけではできない事業です。
見る目と熱意がないと 収集できません。
『西欧絵画400年』とタイトルがついています。
レンブラント、ドラクロア、ピカソ・・・・ここではモネやセザンヌが普通に見えるくらいです。

その中で 印象深かったのは ルブランの自画像です。
ルブランはマリーアントワネットの肖像画家で、優美な絵を残していますが、
それ故に王妃が処刑されたときは彼女の命も危なかったでしょう。
でも、彼女の絵才は他国の貴族に迎えられて 描き続けたということです。
今回出された自画像は 描きながらちょっと振り向いたという表情で、
気さくで飾らない美しさがあります。
『何を描いているの?』と聞いたら答えてくれそうです。
栄華も死も目にし、それでいて やさしいまなざしを持つ・・・そうありたいものです。

・ボストン美術館:日本美術の至宝


名古屋の金山、電車と地下鉄の乗り換えで両手に仕事・・・美術館のロッカーは助かります。
後から知りましたがこの日15万人目の入場者・・・私の数時間違い、やっぱり混んでいました。

サブタイトルが、[まぼろしの国宝、ニッポンへ帰る]です。
どういうことかパンフレットには書いてありませんが、公に活字にはできない:
会場に行ってみてわかりました。明治の頃、廃仏毀釈の方針で、廃寺の仏像、所有品や、
身分制度の解体で売却せざるを得なかった名家伝来の物。
フェノロサや岡倉天心の尽力で収集されたものです。
ボストン美術館が収集したので 今に残すことができたとも言えます。
反面、海外に出てしまったので 国宝の指定ができない。

今を生きる日本にいて、少し複雑ですが、世界のどこかにあれば"善し"と、しましょう。

 奈良時代の曼荼羅図、日本人が見たら仏画とわかりますが、
アメリカの人が見たら 煤けた人物画・・・でしょうか。
技術が進んだら元の彩色をよみがえらせられるかも・・・

 平安時代の吉備大臣入唐絵巻、安倍仲麻呂が何故鬼として描かれているのか私には不明。
後醍醐天皇の命で絵巻は製作され、行ったきり帰ってこなかったからなのでしょうか。
三笠の山に帰してあげたかった。
美術品達も日本で見てもらえて嬉しく思っていると思います。

 曾我蕭白の『雲竜図』パンフレットの表紙になっている部分は8枚のうちの1枚。
 8枚全長10メートル以上展示は8枚が1列です。
襖2枚づつ、4方面ぐるっとこの龍に囲まれると3D効果でしょうか。
また別の迫力があったと思います。
近くでよく見ると 後から加えられた濃淡のある点・線のほかに
勢い良く筆を進めた時に飛び散った墨の斑点があります。
心の勢いを感じさせる描き方です。


それぞれの企画展・・・時代、人、物、切り口が変わると また 違った物が見えてきます。
私にとって 美術館は心のデザートです。 



HAWAII:休暇とワイキキ美術館

2012-07-27 | 美術館
出発の前日まで仕事、そしてセントレアの空港が便利すぎて・・・これから海外?
  着いて この景色を見たらやはりリゾート気分に
  

自然が創る造形美に感激
  

車窓から見た高級別荘地
    
  
それぞれの外観は個性がありますが、いずれもシャッター付きビルトインガレージ・・・やっぱり。
そう思って 街並みを見ていると 市街地に近づくにつれ 住宅はオープンスタイルのビルトインになってきます。

30ドルで2日間乗り降り自由のバスを教えてもらい、いくつか寄り道・


[ホノルル美術館]

左が正面玄関になります。バスのパスを見せたら無料で入れました!
いくつかの中庭で展示室が区切られています。

 セントラルコートヤード   

 地中海コートヤード   

 バニヤンコートヤード  

気軽に入ったら・・・・もっと時間がほしい・・・

17Cヨーロッパ、ルネサンス、印象派、モダニズム
ここに来るとモネ、セザンヌ、ウォーホールにも会えます。
絵の飾り方も参考に!










そして、李朝、中国、ベトナム、タイ、インドネシア・・・太平洋・・・
三角縁神獣鏡、唐三彩から埴輪、仏像、ガネーシャ、李朝の家具まで

中国陶器できれいなグリーンを見つけました。
ヘレンドのシノワズリシリーズのお手本でしょうか  

志野茶碗!と思ったら、北大路魯山人でした 
そしてここで日本の民芸運動に遭遇するとは・・・    
浜田庄司、河合寛治朗、バーナードリーチ

尾形乾山も銘々皿が300年後にハワイに来るとは京都の町で想像もできない。  

バスが40分おきで 時刻表も無く しかも遅れてくるので ゆっくり見れず
次の機会に心を残しました。  見ごたえあります。

日本人が記念写真をよく写しているカメハメハ大王像・・・ですが
私はその後ろの建物に興味があり 覗いたら、セキュリティは空港並ですが入場料FREEです。



[司法歴史センター:旧最高裁判所]

名古屋の市制資料館(旧高等裁判所)と同じ空気を感じます。
西洋の司法制度を取り入れたとき、建物の威厳を同じように取り入れたと思うと
建築の力を感じます。











トップライトのステンドグラスに 星条旗のデザイン 入っていました。
six panelのドアもオーク材ではないので ハワイに居る実感があります。 


[コンベンションセンター] 今迄見た中で一番大きな シーリングファンが回転しています。 

いつも次を期待させる世界共通のディスプレイ[ルイ ヴィトン]
シャツブラウスで、□、○、△ シンプルさが涼しげです。商品展示もワンポイント。
       

[DFS]でお買い物***エスカレーター前のさりげない展示です。


ラルフローレンの試着室内 壁紙と椅子の貼り地をコーディネート    
こういうテーストがお好きな方 私のお客様にいらっしゃいます。お見せしたい!

残念ながら 服は私には やはり海外ではサイズが合わず 断念です。 


 オアフ島の南側だけでしたが、4日間 満喫しました。










ヴェネツィア展:名古屋市博物館

2012-01-28 | 美術館
ヴェネツィアという響きは、現在のイタリアの1都市ということとは
少し違うニュアンスを感じます。
  

久々に名古屋市博物館を訪れました。

   
  
美術品というより、それぞれの時代を反映した為政者、富裕層の暮らしを伝える展示です。
美術館ではなく、博物館で開かれている理由がわかります。

このパンフレットは音声ガイドと一緒に渡されるものでタッチペンで
番号もしくは写真を押さえると解説が始まります。

   

・リアルト橋を美しい橋に架け変える時の案、コンペを開き、ダビンチも参加したとか…

・井戸の井筒の大理石を見ると、釣瓶のロープの跡でしょうか磨耗して抉れているのが
 よくわかります。日本は御影石なので、石の硬さの違いを感じます。

・仮面・・・狭い街の中でそれなりの階級の方達は皆 顔見知り・・・恋愛に限らず お忍びで出かけると
 それぞれの秘密がわかってしまう。終身制の職にある人はそれなりに大変そう・・・
 なので 仮面とマントの需要、後にマントは禁止されたということです。
 日本にも時代劇で[江戸時代]頭巾が女性にも男性にもあったことを思い出します。

展示会場の外に 建築模型がありました。 普段 住宅の模型や街並みの模型は目にしているので
興味を引きます。海中への杭の様子、雨水を貯める地中の井戸の様子まで書かれています。
住宅の中では、1階は船からの荷置き場、2階がオーナー屋根裏が使用人とわかるような
インテリアも見えます。

  

  

  

   

  


資生堂アートハウス(掛川市):秋野不矩美術館(浜松市)

2011-12-11 | 美術館
暦では冬なのに小春日和といえる暖かな日にNIC(名古屋インテリアコーディネーター倶楽部)の
研修で、静岡県へ出かけました。

最初は、資生堂アートハウス・・・[漆.麗し展]人間国宝の方達の作品の美しさ
 見ていて飽きません!
屋外のオブジェは撮影OK
  

敷地内を少し歩いて、資生堂企業資料館・・・元は薬局というのを知りました。
過去の化粧品の器のデザイン、ポスター、 
アンティークともいえる海外の香水瓶・・・
知っているもの、初めて見るもの 自分確認をしてしまいます。

気になるメッセージがありました。
福原信三の化粧品哲学
   ・商品をして全てを語らしめよ
   ・ものごとはすべてリッチでなければならない


美しい空間を目指す仕事をしている私達にも心したい言葉です。


ランチのお店の斜め向こうが掛川城の門でした。
そこから 川越しに お城が見えます。
  


秋野不矩美術館は4年前にも来ています。経年変化も味のある藤森建築です。







今年の大雨で木製の雨樋は朽ちています。でもまだ大丈夫。

サインも天然素材!和紙です。

来館者も多いので行きは玄関前で降ろしてもらいましたが、帰りは
道を下って駐車場まで歩きます。
この景色 ドイツっぽい気がします。自然素材に地元の材料を使っての洋風建築

山を削り、道を作って建てた公共の美術館・・・“心が和む建築”です。