坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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聚楽園(しゅうらくえん):RC造の大仏様

2016-08-16 | Weblog

遠い昔に両親に連れられて見た記憶は、グレーのコンクリートそのものの色だったような・・・。近くで見た記憶も残っていないし・・・(親には申し訳ない)
その後、特急の窓からは一瞬なので見たり見なかったり。
鉄筋コンクリート製をしっかり見てみたいと、あらためて思うのは、かすかな記憶の追憶でしょうか。


山門も何もないけれど階段を上った両脇の2体もコンクリート製


よく見ると、灯籠も石ではない! 
透かし柄の部分はどういう方法でささえているのかどなたかわかりますか?


グレイシュピンクの色合いで、人間味を帯びた色になっています。

階段を上りつつ見上げた時は、 温和なお顔です。
近くで見ると 半眼の効果でしょう、威厳があります。
 公園を歩き

後姿、横顔




鉄筋コンクリート造・・・型枠ではなく、鏝仕上げのような襞の曲線を感じます。
こんなことを言っては 申し訳ないにですが、
築90年(昭和2年開眼供養とあります) コンクリートの建造物の耐用年数は超えている?

造ではなく、『像』だから・・・大丈夫と思っておきます。


家の菩提寺,西方寺が東海市にあり、毎年、平日にお墓参りをしています。
今年は休日に行ったところ 帰りのタクシーを呼ぼうにも2社とも1時間待ち。
タクシーの往復は特急の止まる太田川ですが、歩くのはきつい。
新日鉄の駅まで20分を歩くことに。
途中で道を聞いたところ 『聚楽園の駅は準急が止まるということでアピタを通る
道なら距離的には変わらない』と 教えてもらいました。アピタのタリーズで休憩。
暑いけれど風が気持ちよく せっかくなので 大仏様にお会いしました。

スマホの地図だけでなく 詳しい人に聞くことも大切ですね。
情報源の基本は『人の発信』あらためて感じます。



ルノワールの時代 名古屋ボストン美術館 ③

2016-08-09 | 美術館
リアルな立体の『静』



美術館のホールにドレスの展示があります。

平面の中の『動』


リアルドレスよりも絵画の中の描かれたドレスの方が活き活きとして見える。
踊っている女性は 相手の男性よりも他の事に気をとらわれているようです。
周りの人の興味を引く カップルでもなさそう・・・

でも、動いているので ドレスは軽やかに・・・

誰でも描けるものではないですね。
『ルノワール』の 描く女性が魅力的。
対照的だから、『モネ』の睡蓮には引き込まれる魅力があります。
<(_ _)>

ルノワールの時代 名古屋ボストン美術館 ②

2016-08-08 | 美術館

パンフレットの表紙にもなっているルノワールの『ブージヴァルのダンス』

見たかった作品の一つです。
流行のドレスの女性と農夫の絵 
3部作のうちの一点、これがボストン美術館にあるとは知りませんでした。

二点はオルセー美術館で見ています。
絵の大きさと踊っている一瞬を切り取ったような表情と服の揺らぎに感動しました。
その時の図録が手元にあります。


今回 踊る後ろでビールを飲み、地面にはタバコの吸い殻も落ちている様子に のどかさを感じます。
オルセー美術館の二点『田舎のダンス』『都会のダンス』には タバコのポイ捨て はありません。
床面がスッキリすると空間全体がスッキリします。

この日お会いしたこの女性、・・・左下、床に落ちたミニブーケのようなブローチでしょうか、ダンスよりもこちらに目線があります。近づいて視線の先をよく見ました。踊る相手より気になっているのはこちらのようです。

そして私が気になることは・・・それにしても 何故この絵だけが アメリカへ渡った?

*私のセミナーでも、『床面に物が無いと スッキリ見えます』と、お話をしています。この絵で再確認です。

ルノワールの時代 名古屋ボストン美術館 ①

2016-08-07 | 美術館


2016 3/19~8/21   6か月間の開催も・・・

そのうち・・・が、いつの間にかあと少し。

活け花親子教室で金山へ出かけた日、2時間 ボストン美術館へ寄りました。

サブタイトル 『近代ヨーロッパの光と影』


展示タイトル順序

1.レアリスムと都会の芸術家
2.ドーミエと都会のレアリスム
3.ブルジョアジーと地方のたび
4.ミューズとしての都市
5.都市の生活―観ることと観られること
6.モダニズム、都会への幻滅、避難先としての田園

私流解釈です。
絵画を志す人が、あこがれと希望を持ちパリという街に。
やがて、その町で暮らすうち、都市化した街から郊外に題材をもとめた。
展示作品もさることながら、今回注目したのは展示の壁面の色です。
ホワイトベースの部分もありますが、時代と呼応しているように感じました。
並んでいる数点の背景色としてふさわしい色を選ぶのはむつかしいけど楽しそう。

初めは[赤]   ・・・・・・・・・・・・元気さ
3は[グリーン]   ・・・・・・・・・明るさ
4は[ブルーグレー]   ・・・・・発展
5は[グレイッシュパープル]・・成熟
6は[ダークブルー]   ・・・・・廃頽

協賛企業にサンゲツが入っています。クロスかな?と、思いつつ、作品に触れてはいけませんが、壁に触らないようにとは なっていないので、触れてみました。
クロスではなく、紙? 

作品を見ながら、全体のバランスを見ながら 楽しみました。
絵を飾る壁面は 住宅でも 重要です。
 
お客様からお持ちの作品を見せて戴くこともありますし、掛けかえる楽しみも持っていただきたいのでアートについての会話もインテリアの仕事には、外せません。


映画『ミケランジェロ・プロジェクト』 

2016-08-06 | 映画
 
もちろんミケランジェロ も誘因ですが・・・

この二人が出ているのなら・・・
なぜか、ジョージクルーニーやマットデイモンの窃盗犯・素敵なパパ・クールなエリート?DVD 率が高い。

『戦争』の実体験はありませんが、『戦争の後』は様々な機会で目にし、胸が痛みます。
NHKの朝ドラさえも、戦争のもたらしたものの一端を感じます。
特に8月のこの時期・・・

第二次世界大戦中、芸術家、歴史学者、建築家、キュレーターなどで結成された特殊部隊、『THE MONUMENTS MAN 』
[人の命と、後世に残すべく芸術作品]題材としては、内容はとても重いものがあります。
ジョージクルーニーが映像にし、人々に伝えたかった気持ちわかる部分もあります。
1943年、実話。
ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』『モナ・リザ』、 ファン・エイクの『ヘントの祭壇画』、ゴッホの『ひまわり』、 レンブラント、ルノワール、ロダン、ピカソ・・・ ミケランジェロの『聖母子像』などの名作。500万点。
ナチスが、美術品を略奪し集めた。戦況が悪化し、隠す、焼却する方針になる。そしてアメリカ軍自身も破壊する恐れ。それをモニュメントマンたちが 阻止し、戻した。ストーリーは言ってしまえばこれだけです。

が・・・ 世の中の動きに逆らえない状況が、なぜできてしまうのか?

焼け残った額縁の銘板から そこにピカソの作品があったこと。
隠し場所になった 荒れて廃墟のような ノイシュバンシュタイン城。
撮影用とは わかっていても胸が痛くなります。

京都の街は焼かなかったアメリカ、でも広島と長崎にしたこと、日本でしたこと。
軍需産業のある街、名古屋城も燃えなければ国宝になっていたでしょう。
お城が万が一の燃えることを想定して、襖や障壁画を外した人たちの想い。
外したものが残っているので今、復元されて創建当時の華やかさを目にすることが出来ます。

戦争というもの直接目にはしていないのですが、理解する努力はしていかないと・・・
いつの時代も どこかで 繰り返し。
どの国がというより、『世界で何が起こったか』 を考えて、命も芸術品も大切に思える時を過ごしたいですね。