坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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ヴォーリズ:近江八幡

2009-11-27 | Weblog
ヴォーリズはYMCAにより英語の教師として、明治38年近江八幡へ来日。
布教活動に熱心になりすぎて、解雇。近江商人の土地柄からか学生が急速に
キリスト教に感化されるのは、周りの大人には脅威でもあったのでしょう。
日本の土地に馴染んでいく建築:洋風建築に進んでいきます。
メンソレータム社の販売権を持ち、近江兄弟社の設立から、文化、教育まで関わり
現在もいくつかの建築が残っています。

大正2年建築、今も住まわれている家です。
室内も建築造作で収納棚類が作られ使われています。

その隣のウォーターハウス邸。空き家になって荒れていたのを直した後。
当初は、正面もレンガではなく吹付けだったそうです。
まるで新築のようです。


旧近江八幡郵便局
人の手による厚みがあり、大きい本当の吹付けです。ファサードは補修後。
現代の機械に拠る吹きつけのように細かく均一ではありませんが、
ぬくもりを感じます。

ドイツ下見張り:昭和6年ヴォーリーズ邸・教員寄宿舎
当初は切妻屋根、右部分は、増築。


八幡YMCA会館:明治40年、日本の建築と洋建築の融合です。


左がYMCA。
 駐車場の向こう側!
近江八幡は豊かな町を感じます。倉庫郡が見えます。
雨上がりなので、瓦の色がくっきり。
手前から江戸期、明治 向こうに昭和 それぞれ屋根の風情が年麗を重ねています。




佐川美術館:滋賀県

2009-11-25 | 美術館
美術館というと、展示品を見に行くことが、当然中心ですが、
ここは、建築とアプローチ そのものも一見の価値があります。

本降りの雨なので、エントランスからずっと濡れている様にみえますが、
違う!

水がデザインされています。雨がさらに波紋を造っています。
 

琵琶湖をイメージしているのでしょう、葦が設えてあります。
地下に展示室(楽吉左衛門美術館)があり、その採光を
このトップライトから採っています。
1枚目の写真、葦の裏側になります。


石の立ち上げで水をストップしています。
雨なので排水溝に流れています。グレーチングが内側にあります。


内部は撮影禁止です・・・
・平山郁夫さんの展示は、リトグラフではなく、本物なので、筆遣いの凹凸、
 色彩もリアルです。
 名古屋のデパートで見た記憶がある作品 シルクロードの夜景に使われている
 ブルーが、エキゾテッィク感を表します。 絵も全国を旅しているようです。
・楽吉左衛門さんの展示は、インドネシアの木の彫刻像とのコラボです。
 純粋なものの持つ強さがあります。
・佐藤忠良館、彫刻・・金属の硬さに人の柔らかい表情を与えられるのは、
 技術だけでなく、作り手の思いやり、やさしさを感じます。