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クリムト:愛知県美術館

2013-01-08 | 美術館
愛知芸術文化センターが造られて20年、県美術館が10F・・・・子供の頃 同じ場所に美術館単体で建っていた頃、催し物によって、友達と来たり、親と来たり、思い出します。

新しくなってオープン当初、トヨタ自動車の寄付で、
17億円以上の価格でクリムトのこの絵を購入!今、思ってもものすごい価格です。

これまでも時々 ついでのように見ていましたが
今回 気持ちも新たに 見る機会となりました。
芸術家クリムトが 絵をめぐり依頼した大学と精神的に戦った過程 
・・・サブタイトルに“黄金の騎士をめぐる物語”とあります。
兜で顔は見えませんが その横長の隙間から姿勢を正し、まっすぐ
前方を見ている様子は 強く目を開けている感覚が伝わります。

じっくり解説を読み、一枚の絵に向き合っていると クリムトもまた
上部背景が梨地の蒔絵からと、日本の芸術に影響されていることがわかります。

 
左下に蛇の頭だけが水平に描かれています。
はじめは下から垂直に伸びているのをを描き直した・・・修正前の写真を見ると存在がリアルです。  蛇の存在が薄らいだ、気持ちの変化でしょうか?

今回のパンフレット:正方形のキャンバスに描いたのもクリムト独特です。
展示は クリムトの絵に限らず 19世紀末~20世紀に掛かる時代の様式の家具
飛騨高山美術館のマッキントッシュの椅子、大阪市立近代美術館準備室のヨゼフホフマンの椅子などの出展もあります。
世紀末をウィーンで生きた人たちそれぞれの接点。
   

[依頼主と芸術家と建築家]
ダイニングルーム壁面4面 実物大の複写の展示です。正面左右のドア位置もそのままです。



22人掛けのダイニングテーブルがセンターにあった写真が展示されていますが、
同じ広さでも家具が無いと広く感じるのはいつも現場に行って思うことです。
大勢の人がここで携帯をかざしてい映している姿は 当時 同じ広さの空間で
食事をした人たちは想像もしなかったでしょう。


バラの花、葉が日本でいう 鱗模様の様です。


左端 小さな片隅ですが、尾形光琳の絵を思い出します。


どういう関係か私には良くわかりませんが キャッスルホテルとのコラボでのカレー
・・・買ってみました。