坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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揚輝荘:名古屋市千種区

2014-04-28 | Weblog
昨年、改修工事が終わり 10年ぶりぐらいに 訪れました。

NIC(名古屋インテリアコーディネーターズクラブ)の総会兼ねて見学会です。

日泰寺の山門前を右に・・・北園からです。


…北園って?・・・広大な敷地の間に住友不動産のマンションが建てられ、
たぶんそれで 改修工事の費用にあてられたのでは と、思います。
名古屋市に寄付され、神様のお堂の場所以外は 市の管理になっています。

今、私の仕事で普通にプランしている洋室の設え、
あらためて考えると 大正から昭和にかけての先達が
日本の生活に洋式を溶け込ませた工夫 過渡期を見ます。

【伴華楼】


暖炉に埋め込んであるのはお寺の瓦(廃仏毀釈の後、こういうものが市中に)をデザインとして埋め込んでありあます。


アールを取った下がり壁は左官屋さんの腕の見せ所・・・月見の場所ということで ウサギのレリーフがあります。


今の照明プランで言えば ペンダントのチェーン吊・・・室内に釣灯籠です。


廊下と洋間の間の欄間に ステンドグラスです。


二間続きの和室の欄間・・・片側が縦目、反対側が横目の板です。12支が彫り込まれています。
   

4畳半の茶室です。


伴華楼・・・バンガロー 粋な名前です。
煙突部分のタイル貼り ・・・ この建物の内外に見える、和にも洋にもあるデザイン 市松です。


敷地の中の川に掛かる橋 屋根瓦の載る橋って すごい贅沢 流石です。
  

こちらの橋の手前 水面に日泰寺の五重塔が写っています。作庭士の腕を見せていただきました。


北園から南園に向かう通路です。テニスコートなどがあったところにマンション
以前来た時には もちろん見渡せたのですが・・・・
マンションを作ったから 揚輝荘が維持保存ができる。
どんな形であれ、作った:創った 人達の思いが残れば と考えさせられました。


【聴松閣】



室中もハーフティンバーに 漆喰です
  



この和室は 来客(要人、宮様・・)がお泊りになった時のお着替え用です。
塗り壁が ピンク系 優しい気持ちになる色です。
クローゼットでしょうか 引き戸にミラーあり。


2階から小屋裏さらにトップライト


書斎の天井が 船底型です


ニッチに丸窓


床の貼方 手斧削り、モザイクパーケット風・・・大工さん大変だったことでしょう。


地下:舞台とホール ダンスも踊られた社交の華の場です。
東洋のデザインが多用されています。


瞑想のスペースに沐浴する女神

ここからは立ち入り禁止です。地下室からさらに地下道
一説には防空壕へ・・・大通りへ・・・

ミステリーなお話も聞けました。

30年ほど前に 現職で松坂屋の常務で亡くなった叔父が 
この地に足を運んでいたのは 間違いなく、
私はほとんどお話をしたことが無かったのですが
親類の結婚式や法事で 叔母と仲良く並んで話ていたことを思い出しています。
暖かい春の日が 一瞬、昔を連れて来てくれました。

総会の後は ビストロ ルバーブ で懇親会

フランス料理をいただきながら 皆さんから 元気もいただきました。