初めにご理解していただきたいのは、
これは一生懸命専門性を発揮しようとしてくださったお医者さんたちの涙ぐましい物語で、
決して、無知や無責任の物語ではないということです。
それと、これはあくまでも私の症例なので、
これを読んで勝手にお薬や対応の判断をしてはいけないということです。
さらっとカムアウトですが、
妊娠しておるのに、
あんなことやってたり、
こんなの描いたり、
こんなことをやっちまったりとしておりました。
そう、手を酷使しておりました。
すると、思い出してください、私の持病の三叉神経痛…そして私の
アレルギー&今回妊娠で私は化け猫になりました。
今も仔猫くらいにはなっているので、
久しぶりにPCを開いたものの、左手で入力中。
タイプミスは許してください。
1日目夜
手を酷使して、
肩こり、頭痛があるなと思ったけど、
当然薬を飲んではいけないのが妊婦。
我慢していたら、
ある夜耐えられないくらい痛くなった。
どれくらい痛いかというと、
キリを耳から入れてグリグリ骨を掘るくらい痛い。
そして、どうなるかというと、
化け猫に取り憑かれてこんなんなる。
薬を飲みたい…妊婦サイトにはカロナールやバファリンは飲めるように書いてあるけど、
私はアレルギーでバファリンは飲めないし、
カロナールだって怖い。
朝まで待って、かかりつけ産婦人科のT先生に聞くのだ!耐えるのだ!
…一睡もできず。
2日目 朝
朝だ。
クリニックに電話したら来てよいとのこと。
よかった土曜日で。
T先生は不妊治療からなので、
もう4年のつきあいだ。
ひととなりはすてきだし、
技術もすばらしいし、
いざというときは夜間も対応してくれるし、頼りになるぞ!
内心、
だけど、
クリニックでは平静を保たなければ…
T先生に頭痛がひどいことを説明。
T先生「頭痛持ちなの( ̄0 ̄;)?」
私 「はい( ̄∇ ̄;) 」…痛いよう…
T先生「バファリンだめね」
私 「はい( ̄∇ ̄;) 」…痛いよう…
T先生「カロナールは3Tまでなら飲んでいいから」
私 「外科の主治医がカロナールは消炎効果がないからって、
いつもケンタンをくれるんですけど」
T先生、お薬事典で調べて「…ロキソニンだね、今は飲まない方がいいですよ」
私 「…カロナール飲むしかないと」
T先生「そうです」
私 「そうですね」
治るのは遅くなるかもしれないけど、
痛みが治まるだけで夢のよう!!!!
ありがとう!T先生!!ありがとう!カロナール!!!
2日目昼
おかしい…カロナールが効かない。
そういえば、主治医のH美先生も鎮痛剤は早く飲まなければ、
なかなか効かないと仰っていた…これがその状況なのか??
痛い、とにかく痛い。
とうとう、あらぬことを口走る。
一日に2回しか飲んではいけないカロナール。
耐えられずもう3錠。
でも…
たたたたた!助けてー!!
もう午後だからクリニックも終わり。
そのうち効くのだろうか…
2日目夜
午前0時すぎたのだ。
だからもう3錠飲んでいいのだ…と勝手に解釈。
でも効かない。
でもあと24時間以内に1回しか飲んだらいけないの?
怖いよ~・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。
なにかできることはないの?
こんな時は…神様!!
真夜中に近所の神社。
神社は24時間営業でよかった。
お賽銭は大盤振る舞いの100円。
助けて~神様~。
風呂にはいるとちょっと治まり、
ウトウトできたが、ほとんど眠れず、
一晩中
もうだめ…私はおかしくなる…
でも、婦人科のことでもないのに、
T先生を夜中にたたき起こすのは忍びない…
夫ならたたき起こせる…
私「救急病院に連れて行って(。´Д⊂) 」
3日目未明
うちから20分くらいの、脳外科のある大きな救急病院へ行く。
受付で事情を話すと脳外科の先生が起き出してくれる。
先生 「頭痛が?」
私 「はい(ノДT)」
看護師さん「この方、妊娠5ヶ月だそうです」
先生 「え!!??」
全然太れない私はまだ自発的に妊婦と思われたことはない。いつも自己申告なのだ。
私 「かかりつけの婦人科の先生がカロナールは飲んでいいって…」
先生 「あ、そうなの( ̄。 ̄;)」
私 「3錠までいいって」
先生 「そう?ふつうは2錠までだけど…ふんふん」
私 「3
回飲んで」
先生 「3
錠飲んで…ふんふん…効かないの?」
看護師さん「!!!……9錠飲んだってこと!?」
私 「はい」
先生 「
9錠!そんな飲んで??」
私 「だって…o(;△;)o」
看護師さん「…震えてますけど…寒いですか?」
私 「………痛くて(|||`□´|||;)」
先生&看護師さん「!!!!=( ̄□ ̄;)⇒」
一生懸命、薬事典で私にも処方できる薬がないかしらみつぶしに探す先生、
薬局に内線入れる看護師さん。
結論。
5ヶ月の妊婦に薬を処方するのは
怖い
私 「産院だから日曜でも先生いらっしゃると思うから夜が明けたら聞いてみます」
先生「うんうん、それが一番いい」
私 「お世話になりました(|||`□´|||;)」
…そうなんだ…「五ヶ月の妊婦に飲ませる薬はねぇ!」by次長課長 河本 なんだ。
どっかのサイトに、出産より薬飲めずに耐えた頭痛の方が痛かったと書いてあった。
3日目朝
クリニックに電話。
薬効かず、2日寝てないこと、救急病院に行ったことを助産師さんに伝える。
しばし待ってT先生からの伝言。
「1回だけならロキソニンを飲んでみては…」とのお言葉。
でも、あのときT先生はロキソニン(ケンタン)に難色を示した。
T先生の本意ではないはず。
飲めない!絶対に飲めない!!!
助産師さん「冷やしたら楽になりませんか?」
私 「痛いところが冷えていて、どっちかというとぬくめた方が…」
助産師さん「楽になるようにして、ゆっくりしてください」
アレルギーのせいで温湿布なども使えない私。
電子レンジで温める白元の
ゆたぽん、なんの薬効もない
めぐりズム、ペットボトルにお湯入れた即席湯たんぽで患部を温める。
めぐりズムは薬効がないところがよいところ。喘息もでないし、かぶれないのだ。(絆創膏の部分でかぶれたけど、化け猫に比べたらかわいいものなのだ)
一応、妊婦は医師に相談と書いてあるけど、もう温めるしかないのだ!!!!
温めると、ちょっと楽になって、1時間程度眠れる。
薬も3時間くらい効くようになってきた。
勝手な判断で、6時間おきにカロナール2錠(つまり、3時間だけ化け猫に耐え続ける)という飲み方をする。
…そう、明日は月曜日。T先生!!!!絶対行きます!
4日目 朝
朝一で予約を取りクリニックへ。
私 「先生、昨日は日曜なのにすみませんでした」
T先生「…S救急病院行ったんですか?」
私 「はい、もう、こんな感じ
だったんです。
土曜日来たときも、平静を保っていたけど、
だったんです」
T先生「∑( ̄[] ̄;)!」
私 「救急病院も、妊婦に薬出すのは怖いって…先生の判断を伺えって('-'*)」
T先生「Σ( ̄Д ̄;)」
私 「先生(。-人-。) 」
T先生「こんなのがあります」
私の頭痛が何から来ているのか?それが分からないと薬が分からない。
10年くらい前にCT撮ったことはあるものの、
ずっと対症療法でやってきた。
外科主治医のH美先生からは神経痛だと言われているが、
ケンタンでよくなるのであんまり深く考えてこなかった。
偏頭痛なら特効薬がある。
しかし、そのハンドブックの表紙には「偏頭痛を見誤ってはいけない」と書いてある。
見誤ってはいけないのだ!
そして、詳細な問診が始まる。
・予兆があるか? →ある。肩こるから。
・30歳前から発症しているか? →一番ふるい記憶は高校生
・体の片方だけ痛いか? →いつも右半分だけ
などなど…
…やはり偏頭痛なのか?
T先生「チョコレート食べます?」
私 「食べます。あ…楽になります」
T先生「普段お酒を飲んだら頭痛します?」
私 「まっったくしません。楽になります」
T先生「
偏頭痛じゃないです!」
私 「(|||ノ`□´)ノオオオォォォー!!なんですか!?」
T先生「偏頭痛の反対!」
私 「( ̄ー ̄?).....??」
先生によると、
偏頭痛とは、血管に血が流れすぎるため起きる頭痛。
だから、チョコレートやお酒で血行が良くなったりすると悪化し、
冷やしたり、患部を押さえたりすると治まる。
でも、私はお風呂に入ったり、チョコレート食べるなど、
血行が良くなることをすると少しよくなる。
つまり、「偏頭痛の反対」なのだ!!!
その後も、
・光がイヤだ
・じっとしていると楽になる
などにも当てはまらないことが判明。
そもそも、妊娠すると偏頭痛はふつう治まるらしい。
痛みの理由が分かってほっとするT先生、
光明が見える私!
私 「つまり!どうすればいいんでしょうか!!o(@^◇^@)oワクワク!!」
T先生「患部を温めて…カロナールです」
私 「Σ(|||▽||| )」 いっしょやん…
そう、「五ヶ月の妊婦に飲ませる薬はねぇ!」by次長課長 河本 なんだ。
だから、無理しないように、健康を保つしかないのだ。
めぐりズムは使用OKだった…
長い長い問診の後、
待合室はごったがえしていた。
私のせいでごめんなさい。
うちから車で5分のところに、
こんな素敵な先生がいらっしゃるのは、
本当に希有でありがたいことなのだ。
T先生みたいに、お産が関わると産科医が責任を一身に背負ってしまう。
なにかあったときに責任を負わされやすい。
だから今、産科医は減っているそうだ。
このクリニックの駐車場にはいろんな地区のナンバーの車が停まっている。
それだけよい産院が少ないのだ。
少子化大変とか言いながら、
産む環境は悪くなってきているみたいだ。
私も対人援助の専門家の端くれだからよくわかるけど、
期待されているのが分かっていても、専門外のことは実はよく分からない。
でも、絶対分かってるふりをしてはいけない。
それでも、分からないからって困っている人を放っておけない。
どの人が判断するのが一番適切なのか?を判断するのも専門家の仕事なのだ。
そして、それを任されてしまった人は責任重大で実は苦しい。
いろんな専門家が、「この人にとってどうするのが一番いいのか?」と考えられる環境を作ることが大事だ。
そして、利用する方も、その限界やありがたさを理解した方が幸せだ。
悪い専門家は知ったかぶりをする、自分だけでどうにかしようとする、他の専門家の意見を安易に否定する、門前払いする。
その人だけが正しいような言い方をする専門家に気をつけよう。
私もそんな専門家にならないように気をつけよう。
こんなことを考えさせてくれた、T先生はじめとする諸先生方、看護師さん、助産師さんに感謝、赤ちゃんに感謝!
いつになく真面目なのだ!