◎北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』書肆侃侃房 2019
「私は一年に百本くらい映画を映画館で見て、かつ百本くらい舞台も劇場で見ます。 その全部について簡単な批評を書いて自分のブログにアップしています。また、一年に二六〇冊くらい本を読みます。 おかしいですよね。いくらなんでも多すぎます。(中略)でも、これだけたくさん見たり読んだりするのは、仕事だからというだけでは無理です。楽しくないと続けられません。私が年間百本ずつ映画と舞台を見る生活を続けられるのは、楽しむ方法があるからです。私の場合、その楽しむ方法が「批評」、とくに「フエミニスト批評」を用いた批評です。」(p.8)
「ここでひとつ強調しておきたいのは比評をする時の解釈には正解はないが間遇いはある、ということです。よく解釈なんて自由だから間違いなんかない、と思っ ている人がいますが、これは大間違いです。間違った解釈というのはとくにフィクション内事実の認定に関するものを中心に、結構あります。」(pp.12-13)