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《読書》吉川潮『千秋楽(らくび)の酒』講談社

2005-06-12 07:03:49 | 読書
●〔40〕吉川潮『千秋楽(らくび)の酒』講談社 1992 (2005.06.04読了)
 「本牧亭暮色」、「梅田恋時雨」、「大須望郷唄」、「池袋二人酒」、「末広番外地」、「浅草祭囃子」等、寄席を舞台にした作品を集めた連作小説集です。作者と川柳川柳が自殺した春風亭一柳について、酒を飲みながら語り合う「池袋二人酒」が目的で買いました。その他の作品も味わい深い佳品でした。
 (池袋演芸場は三階にあるが)エレベーターがないので、芸人たちは階段を上がって楽屋まで行かねばならない。年配の芸人は息が切れて、途中で休みたくなるらしい。怪談噺を得意とした林家彦六が亡くなる数年前、薄暗い階段の途中で休んでいたら、死んでいると前座が勘違いしたという話が伝わっている。これが本当のカイダン噺だそうだ。(「池袋二人酒」 p.95)