鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

洞吹ノ滝

2023年01月25日 | 鳥海山

 冗談で付けた名前がいつの間にか地図に、以前その名前を付けたグループの方から直接聞いたことがありますが「洞吹ノ滝」の由来。ホラフキノ滝と名付けたと河原宿の小屋での夜話に聞いたのですが、ドウスイノ滝と読む方もいつのまにかいらっしゃるようで。

 上の図は池田昭二「山と高原地図 鳥海山 1976版」ですが現行の山と高原地図にはこの滝は載っていません。

 その命名の由来を本に書いてあるのがありました。高山 登著 「続・山靴の詩」昭和58年。なんだか著者名が出来過ぎた名前ですが某病院のボイラー技士をしていた方です。

 この「続・山靴の詩」に次の記載があります。


 滝の小屋道の車道からよく見える無名の滝があった。この滝は、車で登ると「のぞき」附近から、特によく見える。当時、このような無名の沢や滝など、既成の地図に記載されていないところを探し当て、新らたに書き加えたり、命名したりしていだ、池田昭二氏が、三人組の山友達に
 何か、いい名前はないか?」と、尋ねると「ホラ吹き滝、というのはどうだ。」
 と、提言されたという。実は、この了一人組、どう云う訳か、自他称「ホラ吹き三人組」で、通っているということだ。相談した相手が悪かったが、その時は、「ホラ吹き滝」と、命名することに決め、採用することになったが、字を「洞吹の滝」と変え、今では、立派に、正式名として、地図に載っている。経過を知っている、私には「ホラ吹きの滝」に、見えるからおかしい。


 高山さんには面識はないのですが、もしやして河原宿で酔っぱらってほらを吹いていた人、人呼んで錻力の喇叭こそ高山さんではなかったかと今にして思います。

 それにしてもつまらない、相応しくない名前です。池昭さんの地図には勝手に付けた地名もいくつかあると人に聞きましたがこれもその一つでしょう。だからこそ現行の地図で削除されたのかもしれません。

 「山靴の詩」は酒田市立図書館、貸出禁止。「続・山靴の詩」は貸し出し可のようです。国立国会図書館デジタルコレクションでは家にいながら読むことが出来ます。


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