鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

夢一夜

2023年02月28日 | 鳥海山

 昔ある印刷会社が出していたタウン紙があり、それはいかにもこの街の特質を表すかのようないうところの「いいフリコキ」を地で行くような冊子でした。

その冊子はよく鳥海山の特集もしていましたがある号で鳥海山へはしょっちゅう登ると豪語するおばさんインタビューに答えて曰く

 「私は水筒なんて重くて邪魔になるものは持っていきません。だってどこに水があるかは全てわかりますもの」

 呆れた人がいるものです。そんな記事が載っている冊子は全て捨ててしまいました。その時一緒に処分してしまったのがもったいないパンフレット。

 もしかしてまだあるかもしれないと思い、その会のお一人写真家の佐藤要さんに問い合わせたところお持ちでしたのでお願いした所快く提供していただきました。

 「みちのく山岳写真同人」の写真展パンフレットです。三回分ありましたが全部で何回開催されたか記憶にありません。会場も間違って記憶していました。四十年も前のことですので写真展メンバーの方のうちにはすでに物故された方もいらっしゃいます。あの頃としては初めての鳥海山を主とした山岳写真展だったのではないでしょうか。今にして思えば、後年プロの写真家が出した鳥海山写真集よりも、その後行われた鳥海山写真展よりも遥かにうったえるものがあります。そんなわけでぜひとももう一度パンフレットだけでも見たいと思いお願いした次第です。

 前置きが長くなりましたがではご覧ください。夢一夜。

 表紙です。

 パンフレットを開いたところ。

 裏表紙もどうぞ。

 


山と高原地図 鳥海山 2023

2023年02月27日 | 鳥海山

 注文していた山と高原地図 鳥海山 2023、本日届きました。半分納得、半分がっかり。西ノコマイは表記が改められていました。


 昭文社 山と高原地図 鳥海山 月山 羽黒山 2023より

 一の滝より下流が西ノコマイ、国土地理院地形図では「西河前」と誤った文字でかかれていますし、千畳ヶ原の下あたりまでも西河前になっていますがあそこは月山沢です。今まで南ノコマイだと思って計画していた人は途方にくれるかもしれません。一言添えてあればよかったですね。

 西ノコマイ、中ノコマイ、南ノコマイな三本が合流するところで三ノ俣ということが位置関係も正しくわかります。

 蕨岡口旧道は「ヤブ多く道不明瞭」と書き換えられています。実際歩いた人もわからなかった書いていますし、最初に刈払いした大江さんもこのニ三年刈払いしていないということですので水呑池より上は全く不明瞭ですのでこの記述にしたのは注意喚起のために良いと思います。もっともソブ谷地もだいぶひどいですし、昔の地図には熊の出没多し、と書いてありましたが今も熊さんが出没しなくなったわけではないのでそれも書いてあればよかったですね。

 さて、問題は破方口。これは「やぶれかた」という奇妙なフリガナがなくなりましたけれど「破方」という「口」の欠けた表記は変わらずです。

 おそらく破方としか文字が入れられなかった、破方口の位置を理解していないところからきているものと思われます。最初はわからなかったですからね。

 姉崎岩蔵の「鳥海山史」を頼りにすると間違います。再三書いていますが姉崎岩蔵の「鳥海山史」登山口の項は橋本賢助「鳥海登山案内」のコピペです。橋本賢助が間違って書いているので間違いもそのまま引き継がれています。

 「破方」と口が欠けたのは池昭さん執筆の時です。破方口は鳥海山三十三拝所のうちのひとつです。今では知る人もいませんが調べてみると古絵図以外にも何度も登場します。

 太田宣賢 「鳥海山登山案内記」大正二年より。

 近い所では佐藤康「鳥海山日記」、斎藤重一「鳥海山」、しばしば破方口が登場します。

前にも使わせていただいた「遊佐町史資料第1号鳥海山資料」内の図を見ると破方口の正体が良くわかります。俗に七高山北峰と呼ばれているところが破方口です。由緒ある名前で決して「破方」ではありません。


Roy hargrove & Rccardo del Fra Hommage a Chet Baker

2023年02月27日 | Jazz

 晩年のChet Bakerと演奏を続けてきたRccardo del FraがChet Bakerに捧げたコンサート。Roy hargroveがトランペットとフリューゲル・ホンでソロをとります。mezzo live hd で放映されたものです。YouTubeでも一部見ることは出来ますがあるサイトに行けばFull HD ですべて見ることが出来ます。

 Chet Bakerのレパートリー、I'm a fool to want you、バックにはオーケストラが入ります。

 YouTubeではこちら、

Riccardo Del Fra & Roy Hargrove "I Remember You" @Jazz_in_Marciac 2011

 上の映像はJazz In Marciac というチャンネルの映像ですがJazz In Marciacには残念ながらこのコンサートのすべては収録されていません。それを見る方法は、

 


自然を守るべき人々が山を荒らしまわる

2023年02月26日 | 鳥海山

 昨年はスノーモービルの鳥海山へ及ぼす害悪を山形県にも訴えましたが山形県はなしのつぶて。非公開の公聴会はやったようですけど。山形県の行政機関は肩書のない住民からの問合せには回答しないという決まりがあるようです。

 WEB上を散策すると鳥海山では自然観察指導員、自然公園管理員、鳥海山ジオパークガイドなどの肩書を持つ方々が自分たちの遊びのためにスノーモービルを乗り回しています。北海道では考えられないでしょう。鳥海山を共に抱く秋田県だってスノーモービルの入山に警鐘を発しているというのに。彼らの言い分はきっと、「我々は違法なことはしていない。」「自然には十分配慮して走行している。」「人に迷惑はかけていない。」

 それでいいんですか。ならばなぜ秋田県は警鐘を鳴らし、北海道では規制しているのでしょう。


シーボルトと鳥海山

2023年02月24日 | 鳥海山

 幕末に日本にやってきた西洋人は「わが国では登山は金持ちのスポーツなのになぜか日本では貧乏人が山に登る」と見たそうです。これは八っあん、熊さんのお山詣りのようなものを指しているのですがはたして今はどうかといえば、お金のない人は山を楽しむことは出来なくなりつつあるようです。装備もそうですし、ガソリンの高騰は気軽に出かけることが出来なくなりました。そんなのはお前だけだ、といわれそうですがネ。

 谷文晁 日本名山圖繪に見る鳥海山です。庄内から見た鳥海山なのに由利郡?と思うでしょうが この当時由利郡は羽後ではなく出羽の所属になっていたので鳥海山在出羽州由利郡となっています。シーボルトのNIPPONに鳥海山の姿がありますが画像を所有していないのでよそのHPの画像を写してまでの引用は控えます。検索すれば出てきます。

 

 シーボルトは富士山の高さに著しく興味を抱き、弟子に計測させたことは有名ですが、その前にどこから聞いたものか、「出羽国鳥海山が最も高い出羽国の鳥海山がもっと高いと思われるので、富士山は日本でいちばん高い山ではない」「白山と木曽の御岳山も同様にたいへん高いということである」と残しています。

高橋に對し日本諸高山(鳥海山 白山 御嶽)の測量を慫慂せるなり

日本之高山殊更デワ出羽之チョウカサン鳥海山にて、チョウカの次にイを漏らせしかハクサン加賀の白山のことなるべし、木曾のオニタケ御嶽のことにて、ニはンの誤其他諸山之高低測見候様申遣候趣

 このようにありますが、鳥海山が日本で一番高い山であるという情報はいつ誰がどこから発したものであるか、幕末にはそう言われていたのかその根拠となる資料を見たいものです。鳥海山頂上に初めて登ったのはどの時代のどなただったのでしょう。新山ではないですよ。